お団子ヘアをはじめとする“まとめ髪”は、バレリーナの美を支える大切な要素のひとつ。
踊っているときに邪魔にならない、という実用性はもちろん、首筋のラインを美しく見せる、頭をより小さく見せる……など、美的な面でも大きな役割を果たすヘアスタイルです。
今回は、特別バージョンとしてボブ＆ショートバング・スタイルの名村空さん（貞松・浜田バレエ団）に、本番用シニヨンの作り方を教えてもらいました。絶対に崩れないまとめ髪のコツを、動画とともにご紹介します。
舞台でも稽古場でも美しくーー。
Music：Shino Takizawa（「Dear Chopin Music for Ballet Class 」より）
動画撮影・編集・写真：Ballet Channel
「後ろ髪だけでなく短い前髪をいかに美しくまとめるかもポイント。前髪をまとめた部分はティアラなどの髪飾りを乗せやすくするためのベースにもなります。舞台では360度どこから見ても美しくなければなりません。自分ではよく見えない後頭部も、合わせ鏡で後れ毛はないか、シニヨンが崩れていないかを念入りにチェック。今日は崩れないシニヨンの作り方もご紹介しますね！」（名村 空さん）
＼名村さん’s CHECK POINT!／
★短い前髪のまとめ方
★ボブスタイルで作るシニヨン・テクニック
★シニヨンが崩れないピン使い
「髪が短い時は、バレエ団専属のメイクさんが用意してくれる“毛たぼ”といわれる付け毛でシニヨンのボリュームを盛ります。ヘアピンは使う用途に分けて種類別に収納しておくと、早着替えの時でも焦らずにすんで便利。コームは力を入れても折れないよう、折りたたみ式のものではなく、持ち手が真っ直ぐなタイプを使っています。また、本番の時の化粧前には台を汚さないようハンカチをセット。私は幼稚園時に母が手縫いしてくれたハンカチを、今でも大事に使っています」（名村さん）
【STEP 1：ポニーテールを作る】
コームの先端を使って、前髪を丁寧にセンターに分ける。
さらに「前髪ブロック（耳より前の髪）」と「ポニーテールブロック（耳より後ろの髪）」に分ける。
さくらんぼ大の量のヘアジェルを両手に擦り合わせて、「耳より後ろの髪」になじませる。
ハードスプレーを吹きかけ、コームでポニーテールを作る。
ポニーテールは一本ゴムを使用。反時計回りに4〜5回巻きつけてから、ゴムの両端を固結びする。
一本ゴムで結ぶ時のポイントは、巻きつけたゴムをしっかりおさえておくこと！
一周して右手をゴムから離す瞬間がゆるみやすいので、毛束をおさえている左手の母指球（手の平の親指の付け根）でゴムをしっかりおさえる。
【STEP 2：前髪をまとめる】
サイドに分けた、左右それぞれの「前髪ブロック」にハードジェルをつけて全体になじませたら、前髪を含む上部をすくい上げ、前髪が留まる位置でアメリカピンを刺して固定する。
アメリカピンは2本をクロスさせて留めるとはずれにくくなる。
下部の残った毛束を上にひねりながら引っ張り上げ、前髪を固定したアメリカピンを覆い隠すようにしてポニーテールの根元付近で固定する。
左サイドも同様に前髪をまとめたら、垂れていた前髪ブロックの4本の毛束をポニーテールと合体させてシリコンゴムで結ぶ。
ポニーテール完成！
ポニーテールの位置は、あご先から耳先を繋いだライン上に作ると◎。
【STEP 3：シニヨンを作る】
お団子用ネットはすぐ使えるよう、シニヨンを作る前に二重にしておく。
「お団子用ネットはシルビアのものを愛用しています」（名村さん）
ポニーテールの毛束を２つに分けてから根元に巻きつけ、お団子を作る。
お団子の上に毛たぼをカポッとのせ、素早く二重にしたネットをかぶせる。
「毛たぼの量はお団子のサイズに合わせて。今回は手の平と同じくらいの大きさにしました」（名村さん）
シニヨンは、後頭部に密着するようなるべく平たくつぶしながら、綺麗な円になるよう整える。
大きいUピンをお団子に対して十字に4カ所刺して固定していく。
Uピンは垂直に入れてから横に倒して刺す。
「大きいUピンはメイクさんにいただいたもの。太くて頑丈なんです」（名村さん）
大きいUピンの間に小さいUピンを4カ所刺していく。
最後に、計8カ所刺したUピンを固定するためにアメリカピンを図のように刺す。
「小さいUピンは市販のもの。ピンはすべてお団子に対して垂直に刺してから横に倒します！」（名村さん）
最後は必ず合わせ鏡で①シニヨンが綺麗な丸になっているか、②お団子のトップが出っ張り過ぎていないか、③後れ毛がないかを入念にチェックする。
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