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【バレエホリデイ★スペシャル①】ジュリエットの〈舞台〉ヘアアレンジ

古川 真理絵

お団子ヘアをはじめとする“まとめ髪”は、バレリーナの美を支える大切な要素のひとつ。

踊っているときに邪魔にならない、という実用性はもちろん、首筋のラインを美しく見せる、頭をより小さく見せる……など、美的な面でも大きな役割を果たすヘアスタイルです。

この連載では、来る日も来る日も稽古やリハーサルに励んでいるダンサーのみなさんに、ヘアスタイルのこだわりや、とっておきのヘアアレンジを教えてもらい、動画とともにご紹介します。

今回は、スペシャル・バージョンとして上野の森バレエホリデイ協力のもと、数々の舞台で活躍しているヘアメイクアーティスト、星野安子さんにプロの技や私たちも取り入れることができるアレンジのコツを聞いてきました!
教えてもらうのは、2022年のバレエホリデイのテーマ『ロミオとジュリエット』からジュリエットのヘアスタイル<舞台>でのヘアアレンジと、日常でも使える<おでかけ>ヘアアレンジの2つを習います。

まずは、<舞台>ヘアアレンジから♪
ゴールデンウィークはジュリエットの髪型で上野の森へお出かけしませんか?

指導:星野安子(「フォレスト」代表)
モデル:富田翔子(東京バレエ団)
音楽:新書館CD(「ロミオとジュリエット」より)
動画撮影・編集・写真:Ballet Channel

ジュリエットの<舞台>ヘアアレンジ

\ここに注目! 3つのテクニック/
いますぐ真似できる! 崩れないお団子の作り方
ネットを使わずに作るセミ・クラシック
一本の飾り紐がヘッドドレスに

モデルのヘアスタイル:ミディアム・前髪あり

モデル:富田翔子 Kanoko Tomita(東京バレエ団)

用意するもの

〈 How to 〉

【STEP 1:ポニーテールを作る】
コームの先端で「前髪」「耳より前の髪」「耳より後ろの髪」の
3ブロックに分ける。
霧吹きで「耳より後ろの髪」に水を吹きかけ、湿らせてからブラシでひとつにまとめ、ポニーテールを作る。
ポニーテールの位置は、あごと耳の上を繋いだ延長線上が◎。

一本ゴムでポニーテールを縛る。結び目は固結びに。

「自分でセットする時は輪っかのゴムが便利ですが、私たちプロは、より髪をしっかり縛れる一本ゴムを使います」(星野さん)

 

緩んだところをコームで引っ張り上げ、アメリカピンで留める。

\ポイント!/
あとでお団子にして固定する時、このアメリカピンに引っ掛けて留めると、Uピンが滑ることなくしっかり固定できます。Uピンを刺す土台となることを計算して、ポニーテールの結び目を囲むようにアメリカピンを留めるのが秘訣です!


【STEP 2:サイドをセミ・クラシックに
「耳より前の髪」をコームでなでながら一筆書きの要領で動きを止めずにカーブを作る。

「セミ・クラシックのカーブをコームで作るのはプロじゃないととても難しい。ダンサーが自分で作る時は、薄地のお団子用ネットを頭にすっぽりかぶせて、ネットの中でカーブを作りますね」(星野さん)

カーブのラインが崩れないよう速やかにクリップで固定。カーブの終点をアメリカピンで留めたら、残った毛先はポニーテールの結び目に巻きつける。

左サイドは時計回りに、右サイドは反時計回りに巻きつける

ハードスプレーでカーブを固定。

【STEP 3:お団子を作る】
ポニーテールの毛束をねじりながら根元に巻きつけお団子を作る。
お団子用ネットを二重にしてかぶせたら、形を整えながら大きい
Uピンで固定する。
この時、土台として作ったアメリカピンに
Uピンを引っ掛けながら留める!

あごと耳の上を繋いだ延長線上にお団子の中心がくる、プロの作る美しいシニヨン!

【STEP 4:飾りをつける
120cmほどの一本の飾り紐を用意。
リボンの先端をお団子のトップ中央に固定し、そこを起点にセミ・クラシックのカーブに沿わせてドロップ型を作る。

逆サイドもシンメトリーになるよう飾りをはわす。

※撮影時は小さいUピンで固定していますが、本番ではスモールピンを使いしっかり留めます。

残りの飾り紐でお団子を覆うようにして飾る。一本のリボンから作るヘッドドレスは、まさに職人技!

最後に後れ毛、緩みを丁寧にチェック。ハードスプレーで固めたら完成!

〈できあがり♪〉


髪飾りについて
飾り紐の代わりに三つ編みの付け毛を使うのも◎。 飾り紐をはわす手順で三つ編みをセミ・クラシック部分にセットしてみましょう!
腰のあたりまであるロングヘアだったら、セミ・クラシックの残った毛先を三つ編みにしてアレンジすることも可能だそう。飾りにパールをつけるとさらにジュリエット感がUPしますよ!
Profile
星野安子  Yasuko Hoshino
映像の世界でヘアメイクとしてのキャリアをスタート。
その後、オペラ、バレエの舞台に主軸を移し、国内のみならず海外カンパニーの日本公演に30年以上携わり活躍している。舞台用ヘアメイクのスタッフグループ「フォレスト」代表。

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