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【レポート】「帝国劇場展~THE WORLD OF IMPERIAL THEATRE~」プレイベント

青木かれん Karen AOKI

©Ballet Channel

2025年3月28日(金)~4月27日(日)にわたって、銀座三越 新館7階 催物会場にて「帝国劇場展~THE WORLD OF IMPERIAL THEATRE~」が開催されます。

2025年2月をもって惜しまれつつ休館した帝国劇場。本展は、「今日は帝劇、明日は三越」の広告で大正時代から縁のある帝国劇場と三越のコラボレーションする企画です。

3月27日に行われたプレイベントを取材しました。

Index
◆展覧会アンバサダーの井上芳雄と森公美子による会見
◆展覧会を写真でレポート!

展覧会アンバサダーによる会見

アンバサダーを務める井上芳雄さんと森公美子さんをゲストに迎え、会見が行われました。

写真左から 井上芳雄、森公美子 ©Ballet Channel

帝劇での初舞台や思い出について
 帝劇の初舞台は、1984年の『屋根の上のヴァイオリン弾き』。アンサンブルで出演しました。どんな作品でもアンサンブルの方々にサポートしていただかないと、主役キャストは舞台に立つことができません。でも主役より目立ってはいけないという難しいところもありますよね。そういった経験を通して、アンサンブルの重要性やサポートの方法をよく知ることができました。芝居をしていて「このアンサンブルはすばらしいな」と感じることもあります。
2014年の『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』で、ついに帝劇の0番(舞台中央)に立たせていただきました。アンサンブルとして3列目のいちばん端っこに立っていた自分が、まさか帝劇の0番に立つことになるとは思ってもいませんでした。

「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」で主役を演じる森の舞台写真を持つ井上 ©Ballet Channel

井上 すべてご経験されて今があるというのは、やはり舞台俳優としては理想的ですよね。出演者みんなの気持ちがわかりますし。
 41年間、帝劇にお世話になっています。そういった意味では、昭和・平成・令和、3つの時代を生きた人はなかなかいないんじゃないかと思っています。
井上 帝劇の生き字引です。みなさんがモリクミさんの言葉を求めてますから。

笑顔で語る森 ©Ballet Channel

井上 帝劇の初舞台は、2000年の東宝版ミュージカル『エリザベート』です。僕もミュージカルをずっとやりたくて勉強していたんですけれど、まさか『エリザベート』のルドルフ役でデビューさせていただくとは思っていなくて。いきなり3ヵ月のロングランでシングルキャストだったため、必死に稽古をしてとにかく役を務めあげることに精一杯で、公演を終えてからも帝劇に立ったという余韻はありませんでした。『エリザベート』は人気な作品ですのでどんどんファンの方もついてくださって、日に日に楽屋口の出待ちの列も長くなっていきました。
いっぽう劇場の内部では、みんなでご飯を食べたりとすごくあったかくて。外側と内側とのギャップがまたおもしろい劇場だなと思います。

「エリザベート」の稽古写真を持ちながら語る井上 写真に写るトート役は山口祐一郎 ©Ballet Channel

 敵対する役柄の人たちもみんな仲良しです(笑)。
井上 一緒に何ヵ月も過ごすから、みんな仲良く家族みたいになって。大きな劇場のイメージだったけれど、中はこんなアットホームなんだという印象です。
 小道具さんや大道具さんをはじめ、みんながサポートしてくださるのでありがたいです。『レ・ミゼラブル』で舞台装置の2階に登る時は、「この支えがなかったらどうなるかわからない」というくらいしっかりと大道具さんが支えてくださいます。これこそファミリーです。スタッフでもキャストでも「よろしくお願いします!」と声を掛け合うのが習慣になっています。
井上 帝劇は毎年必ず出られるような劇場でもなくて。やっぱり演目と自分が合わないと呼ばれませんし、人気があって繰り返し再演される作品に自分が出演させていただかないと、なかなかご縁がない劇場です。
グッズについて

展覧会のグッズ ©Ballet Channel

展覧会で販売されるグッズが登場。アンバサダーのふたりがそれぞれ気になる商品を選んで紹介しました。

★森公美子さんセレクト
〈赤坂柿山〉
「帝国劇場展」記念缶(「今日は帝劇、明日は三越」ポスターバージョン)
赤坂慶鳳劇場〈2000点限り〉 1,296円

「一代目の帝国劇場のポスターをはじめて見ました。大正当時はこれがいろんなところに貼ってあったんですね」(森)©Ballet Channel

★井上芳雄さんセレクト
シアターベア衣裳 ライオンスタイル
2,500円
※ぬいぐるみは別売り ※お一人さま1点限り

「『ミュージカルでライオン……?』と一瞬ドキッとしたのですが、銀座三越の入り口にいるほうのライオンと聞いて安心しました(笑)」(井上)©Ballet Channel

そのほか、帝劇チケット封筒を再現した「帝国劇場展」記念缶は、もぎり後の半券が入るサイズとのこと。
詳細は「帝国劇場展」公式サイトのグッズ情報を参照。

展覧会を観ての感想
井上 つい最近まで使わせていただいた帝劇が、歴史をたどるものとしてきちんと展示されていることに度肝を抜かれました。舞台衣裳などはもちろん見どころのひとつだと思うのですが、僕たちが稽古場で使っていたおなじみのソファがあって。みなさんは見たこともないでしょうし、これを誰が懐かしんでくれるんだろう?と思いました(笑)。

ソファと箱馬 箱馬には稽古場の備品として9Fの印字がほどこしてある ©Ballet Channel

 そうなんです! 何年間置かれているんでしょう……。あのソファ、沈むんですよね。もうね、クッションなんかほぼ役に立ってなくて(笑)。
井上 さいごは男性更衣室のなかに置かれていたソファなんですが、もともとは東京宝塚劇場の貴賓室で使われていたそうです。それが古くなって、9階の稽古場に来たと。はじめは稽古場の表側にありましたよね。
 そう、鏡の前にありました。
井上 みんなが休む椅子だったのが、更衣室に来ました。でも、そのソファには数々の俳優が座っているということ。だいたい座っている時って、落ち込んでいる時ですもんね。いわれを知らないとくたびれたソファなんですけど、じつは一つひとつにみんなの思い入れがあるので、ぜひ楽しんでいただければ。
 私は9階の稽古場の箱馬が気になりました。ふだんは舞台面に置いてあることが多いはずの箱馬があったので、おもしろいなと思いました。
それと一般の方に公開していない貴賓室を完全に再現したところがあるので、ぜひ行ってみてください。貴賓室の椅子に座って、壁に設置された大きなモニターの映像を楽しむのがおすすめです。いい椅子なのでへこんでいません(笑)。

貴賓室を再現したブース ©Ballet Channel

続く質疑応答では、記者からの質問に答えました。

おふたりは、帝劇CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』で初共演されました。お互いの印象について教えてください。
井上 稽古場でご一緒したのも初めてだったのでまずびっくりしたのは、ずっと喋っていらっしゃること。たくさんの出演者がいたので、「久しぶり!」とお一人ずつ声をかけていらっしゃいました。クミさんはいつも賑やかで明るいので、稽古場にいらっしゃらない時はすごく静かだなと感じるくらい、すてきなムードメーカー。それでいて僕が想像していた以上にまじめな面もお持ちです。ご自身が出演中の『レ・ミゼラブル』の期間にコンサートの稽古をされていたので、新しい曲を覚えるのに苦労されているのは見ていたのですが、最後まで決して諦めない方でした。クミさん自身の千穐楽公演の直前までずっと稽古をされていました。
真摯なところと、みんなを盛り立てるムードメーカーな両面を見て、だからこそクミさんは長く愛される俳優さんなのだと納得しました。
 地頭がとてもいい方なんだと感じています。コンサートのMCでもスムーズにひとつの無駄もなく進めてくださいました。先輩が思いの丈を語り続けて長くなってしまった時もありましたが、何度目かのエピソードでも毎回新鮮にリアクションしてくださったりと、おもてなしの心がすばらしい方です。

©Ballet Channel

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展覧会を写真でレポート!

入り口には粋な看板が…… ©Ballet Channel

実物の帝劇最終公演日のキャストの着到板がお出迎え ©Ballet Channel

写真手前から「マイ・フェア・レディ」、「風と共に去りぬ」の舞台衣裳 ©Ballet Channel

「マイ・フェア・レディ」のイライザの衣裳 ©Ballet Channel

「風と共に去りぬ」のスカーレットの衣裳 細部までよく見ることができる ©Ballet Channel

推し活にぴったりなパノラマ 中にアクリルスタンドを立てて撮影ができる ©Ballet Channel

楽屋再現ブースの手前にも粋な看板 ©Ballet Channel

公演の座長の楽屋「5-1」を再現したブース ©Ballet Channel

「5-1」の内部にて ©Ballet Channel

公演で着用した舞台衣裳 右から「エリザベート」、「モーツァルト!」、「マリー・アントワネット」©Ballet Channel

来場者限定でフォトシールが撮れるブースも カウントダウンがはじまると自動でシャッターが切られる ©Ballet Channel

出口には大きなパネルが 2カットと同じ帝劇の外観で認証ショットのスポットにも〇 ©Ballet Channel

限定復活!「Café IMPERIAL」
帝国劇場の2階にあった「Café IMPERIAL」が期間限定で復活。じっさいに使われていたイスとテーブルが並ぶ店内で、名物メニューを味わうことができます。ドリンクを注文するとオリジナルグッズがもらえるプレゼント企画や、テイクアウトメニュー、お土産販売コーナーも展開しています。座席(イートイン)の利用は公式サイトにて事前予約受付中で、テイクアウトやおみやげ販売コーナーは予約なしで利用可能。

「Café IMPERIAL」 ©Ballet Channel

メロンソーダ ©Ballet Channel

帝劇名物幻の豚まん 大きめサイズで食べ応え◎ ©Ballet Channel

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開催概要

「帝国劇場展~THE WORLD OF IMPERIAL THEATRE~」

■会期
【エムアイカード プラス会員 特別招待日】
2025年3月28日(金)1日限り 午前10時~午後8時
※完売
【一般会期】
2025年3月29日(土)~4月27日(日) 午前10時~午後8時[最終日午後5時終了]
※入場は各日終了1時間前まで
※全日程、日時指定制での有料展覧会

■会場
銀座三越 新館7階 催物会場

■主催
銀座三越

■企画・制作
東宝 銀座三越

■企画協力
東宝エージェンシー

■制作協力
TOHOマーケティング スタジオアルタ TOHOリテール

■チケット
入場チケット:3月29日(土)午前0時~4月27日(日)正午
取扱い:イープラス https://eplus.jp/teigeki-ex/

■公式サイト
https://www.mistore.jp/shopping/event/ginza_e/teigeki_51

■「帝国劇場 NewHISTORYCOMING」公式X(旧Twitter)
https://x.com/NewHISTORY2025

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