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【リハ動画つき!ダンサー14名インタビュー】バレエカンパニーウエストジャパン「ライモンダ」〜心に炎があってハングリー。関西のダンサーたちが、古典に新たな命を吹き込む!

阿部さや子 Sayako ABE

動画撮影・編集:萩永悠貴(Yunagifilms)

神戸を拠点に活動するバレエダンサー瀬島五月が代表を務めるバレエカンパニーウエストジャパン」(以下「ウエストジャパン」)。関西圏のダンサーたちが本格的なクリエイションを体験できる場を作ること、そして「日本バレエ界の悲願」である「バレエダンサーを職業として成立させる」ことを目標に、2018年に創設された団体です。以来、毎年オーディションで登録ダンサーを選抜し、年1回の定期公演を実現してきた同カンパニーが、2023年11月23日(木・祝)、第5回記念公演として『ライモンダ』全幕を上演します。

『ライモンダ』は、“クラシック・バレエの父”マリウス・プティパが手がけた最後の古典大作。しかし日本では、関西はもちろん全国を見渡しても、全幕上演される機会が少ない作品でもあります。今回の上演では、振付家やバレエ教師等として活躍する山本康介が改訂演出・補足振付を担当。ロシアバレエ伝統のスタイルやプティパの原版を尊重しながら、ストーリーの輪郭をより明快にしてドラマ性を高め、物語展開も早めるなど、この古典全幕に新たな命を吹き込みます。

10月某日、神戸市内の稽古場で行われていたリハーサルを取材。そのもようを動画でお届けします。
また、リハーサル後には14名のダンサーにインタビュー! 舞台にかける意気込みや、カンパニーの魅力などについて話を聞きました。

\インタビューした14名のダンサーはこちら/
【出演ダンサーインタビュー】

【ゲストダンサーインタビュー】

【主演ダンサーインタビュー】

【出演ダンサーインタビュー】

左から:鷲尾佳凛、水本千晶、クリスタップス・リンティンシュ ©️Ballet Channel

水本千晶(みずもと・ちあき/ライモンダの友人)

『ライモンダ』は、コンクール等でヴァリエーションには馴染みがありましたけれど、全幕は初めての経験。私は2曲ほどヴァリエーションも踊らせていただきますが、やはり全幕ですから、物語を意識して踊りたいと思っています。
バレエカンパニーウエストジャパンには第1回公演から参加しています。昨年上演したバランシン振付『セレナーデ』のように、いつも自分にとって新たな挑戦となる作品に出会えるのが嬉しい。何よりありがたいのは、公演に向けて毎日クラス・レッスンやリハーサルをして、細かいところまでしっかりご指導いただいたうえで本番に挑めること。ダンサーとしての成長につながる、大切な機会をいただいています。

クリスタップス・リンティンシュ(ライモンダの友人)

僕は関西で5年くらい踊っていますが、『ライモンダ』全幕に出演するのはこれが初めて。振付がチャレンジングで難しいです! でも山本康介さんからたくさんのことを教われるのが嬉しいし、みんなクラスからリハーサルまで100%の力でポジティブに取り組んでいます。僕たちの『ライモンダ』、ぜひ観にきてください!

鷲尾佳凛(わしお・かりん/ライモンダの友人)

『ライモンダ』が日本で全幕上演される機会は少ないので、貴重な経験をさせていただいています。僕たちが演じる「友人」は、ライモンダの感情を中心にしたストーリーの流れを分かりやすくするために重要な役回り。ジャン・ド・ブリエンヌがいなくなった悲しさや、彼からプレゼントをもらった嬉しさなど、ライモンダの心の動きをより際立たせるような表現ができたらと思っています。
このウエストジャパンの公演のように、関西ではいろんなバレエ団からダンサーを集めた舞台をよく上演します。みんながそれぞれの個性を活かして踊り、バレエの多様性をお見せする。それが関西の良さであり、僕自身いちばん魅力を感じているところです。

左から:胡駿、吉田裕香、石本晴子、張縁睿 ©️Ballet Channel

石本晴子(いしもと・はるこ/サラセンの踊り)

私たちは第2幕でアブデラフマンに引き連れられてやってくる「サラセン人たち」という役どころ。その中でソリストを踊る私と張縁睿さんは、サラセン人たちのリーダー的存在です。私たちの見せ場となる踊りは1分くらいの短いものですが、リーダーとして周りのみんなを鼓舞しながら、熱いエネルギーとスピード感を大事にして踊りたいと思っています。
いっぽう第1幕ではグラン・ワルツや夢の場の群舞、第3幕ではグラン・パも踊らせていただきます。お客様に「サラセン人役と同じダンサーが踊っているなんて信じられない」と思っていただけるくらい、キャラクター性をガラリと変えて踊りたいです。
ウエストジャパンのメンバーはみんな、ふだんはそれぞれの所属団体で活動しています。大人になると生徒優先になることが増えて自分のことは後回しになってしまいがちなので、ウエストジャパンに参加して、康介さんや五月さんに基礎の基礎から本当に細かく丁寧に教え込んでいただけるのが本当にありがたくて。お二人ともいい意味で絶対に見逃してくれないというか(笑)、いっさい妥協がないので、ウエストジャパンのリハーサルや本番を経たあとは、自分の身体が変わっているんですよ。ここはダンサーたちを強く育ててくれるカンパニー。私自身はそんなふうに感じています。

張 縁睿(ちょう・えんるい/サラセンの踊り)

コロナ禍以来、こんなに大人数のメンバーで一緒に舞台に立てるのは、僕にとって久しぶり。だからいまは毎日とにかくワクワクしています。みんなでリハーサルする楽しさを、あらためて感じているところです。
僕はバレエカンパニーウエストジャパンに参加するのも、山本康介さんの作品に出演させていただくのも今回が初めてですが、男性メンバーは以前からよく知っている仲間たちばかり。みんな素晴らしいダンサーですよ。ぜひ期待して観にきてください!

吉田裕香(よしだ・ゆか/スペインの踊り)

私は第1幕のグラン・ワルツや夢の場の群舞、第3幕のグラン・パ、そして第2幕ではアブデラフマンに連れられてやってくる「スペイン人たちの踊り」のリードを踊らせていただきます。スペインのような役どころは、正直に言うと、自分の苦手分野だと思ってきました。だからこそ、スペイン人の内に秘めた情熱や、力強く地に足をつけて踊るエネルギーを表に出すことを自分の課題にして、今回の舞台に挑もうと思っています。
バレエカンパニーウエストジャパンには、第1回公演から参加しています。ありがたいのは、クラスやリハーサルの中で、いまの自分に必要な言葉を日々いただけること。参加するたびに、「この舞台が終わったら、私はきっとまたひとつ強くなれる」と思えるんです。バレエとはどういうものか。そこからしっかりと叩き込んでいただけるので、公演を経るごとに、精神的にも身体的にも強く成長できていると感じます。

胡 駿(ふ・じゅん/スペインの踊り)

バレエカンパニーウエストジャパンに参加するのは今回で3回目。以前上演した『椿姫』とか、今回の『ライモンダ』とか、関西ではあまりやらない作品に挑戦できるのが嬉しいです。
『ライモンダ』全幕に出演するのは、僕も初めてです。スペインの振付を通して、大切なことをたくさん学んでいます。みなさん、ぜひ観にきてください!

左から:田中陣之介、佐々木夢奈、千野梨華、有馬和弥 ©️Ballet Channel

千野梨華(ちの・りんか)

バレエカンパニーウエストジャパンに参加して嬉しいことのひとつは、自分よりキャリアのある先輩ダンサーたちと一緒にレッスンを受けられること。クラスやリハーサルで山本康介さんに身体の使い方から表現の仕方まで細かく教えていただけるのも刺激的で、日々素敵な経験をさせていただいています。
今回は『ライモンダ』を全幕で、しかもオーケストラの生演奏で楽しんでいただける貴重な機会。大人のお客様はもちろん、子どもたちにもぜひこの公演で物語を知り、作品に親しんでもらえたら。そして「私もいつかあのシーンを踊ってみたいな」と思ってもらえるような公演を作っていきたいなと思っています。

佐々木夢奈(ささき・ゆうな)

所属先の違うダンサーたちを集めて行う公演だと、リハーサル開始1時間前くらいにスタジオに入って、各自ウォームアップをしてリハが始まるという流れがほとんど。でもこのウエストジャパンでは、私たちメンバーもゲストダンサーの方も、みんな一緒に朝からクラスを受けるんです。指導の先生が与えてくださるバレエの基礎的な注意や、今回の作品でとくに気をつけるべきポイントなどを、みんなで共有したうえでリハーサルに臨めるのは、とても意義のあることだと思っています。そして振付家やゲストダンサーや裏方さんたちの姿を目の当たりにしながら「プロとは何か」を学び、ギャランティをいただいて踊ることで「責任を持って踊る厳しさ」を痛感する。毎年ウエストジャパンに参加するたびに発見があって、やりがいを感じています。
関西のダンサーって、県民性なのか、地域性なのか、みんな初めて会った人でもすぐに打ち解けるし、すごく仲がいいんですよ。そして「私は踊りたいから舞台に出るんだ」という気持ちが強い。リハーサルが終わって食事に行っても、話すのはいつもバレエのことばかり。みんな本当にバレエが好きなんやな……って、しみじみ思います。

有馬和弥(ありま・かずや)

僕は今回初めてウエストジャパンに参加させていただきます。日々のレッスンやリハーサルで、康介さんからバレエの基礎や踊りに対する姿勢などたくさんのことを教わっていて、これは自分のダンサー人生にとって大きな経験になるなと思っています。
関西でこのような大きな全幕作品が上演される機会は、東京に比べればやはり少ないと思います。でも、少ないからこそみんなで団結して、一生懸命稽古して、絶対にいい舞台を届けるんだ!という強い情熱がある。そういうところも、ぜひお客様に観ていただきたいです。

田中陣之介(たなか・じんのすけ)

僕もウエストジャパンに参加するのは今回が初めてですが、まるで普通のバレエ団みたいに、毎日朝からクラス・レッスンできるのが本当にありがたい。康介さんに、バレエの基礎的な部分から、どのように身体を動かしたら『ライモンダ』の中で使えるのかまで教えていただけて、とてもいい経験になっています。
山本康介版『ライモンダ』は、バレエの美しさを堪能できるところもあればワイルドで衝撃的なところもあり、新しい感覚で楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。ダンサーたちも明るくて面白い人ばかり。関西のバレエはいいですよ〜(笑)。みなさん、ぜひ観にいらしてください!

【ゲストダンサーインタビュー】
厚地康雄
(アブデラフマン)

厚地康雄(あつぢ・やすお)栃木県出身。石原千代に師事。2003年より英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学。2006年同校卒業後、バーミンガム・ロイヤル・バレエ(BRB)入団。2011年より新国立劇場バレエ団にソリストとして移籍、翌年ファースト・ソリストに昇格。2013年BRBに再入団、2018年同団初の日本人男性プリンシパルとなった。2022年より活動拠点を日本に移し、様々な舞台で活躍している ©️Ballet Channel

いまリハーサルを見学させていただきましたが、アブデラフマンが想像以上に踊りまくりで驚きました!
厚地 最初に康介さんからオファーをいただいた時は、そんなお話ではなかったのですが……(笑)。とくに第2幕は最初から最後まで踊りっぱなしで、自分でもびっくりしました。でも、すごくやりがいがあって楽しいです。
山本さんの振付といい厚地さんの佇まいといい本当に素敵で、これはアブデラフマン・ファン(?)が増えそうです。
厚地 本当ですか? 嬉しいです(笑)。

©️Ballet Channel

9月の制作発表会見で「日本の舞台では王子役が圧倒的に多いけれど、じつは英国時代は悪役系も結構任されていた」とおっしゃっていましたが、確かに納得です。
厚地 アブデラフマンのような役は、王子とはまた違う感覚で演技しなくてはいけません。手の出し方ひとつでも、指を揃えずに開いて差し出したりと、“悪役用の演技”みたいなものがあるんです。自分の持っている“キャラクターの引き出し”を開けて、舞台に捧げて、日本のお客様にたっぷりお見せできる。いよいよそういう機会をいただけて、僕としてもとても嬉しいです。
まさに、これまで観てきたプリンスな厚地さんとはまったく異なる雰囲気で……ひと言でいえば「ワイルド」。とても新鮮でした。
厚地 あのようにエネルギー系でバチバチ攻める踊りも、じつは好きなんです。ジャンプなどのテクニックで見せたり、あえて型崩れする部分を作ったりできるので。きちっ、きちっと踊るだけがバレエじゃない。身体も気持ちも解放して踊れるのが、こういう役の楽しさです。ぜひ日本のバレエファンのみなさんに、新しい僕を観ていただけたら嬉しいです。

©️Ballet Channel

【主演ダンサーインタビュー】
瀬島五月
(ライモンダ)
アンドリュー・エルフィンストン(ジャン・ド・ブリエンヌ)

左から:アンドリュー・エルフィンストン、瀬島五月 ©️Ballet Channel

今回の『ライモンダ』の改訂演出・補足振付を手がける山本康介さんは、バレエカンパニーウエストジャパン第1回公演『椿姫』や第4回公演『眠れる森の美女』より「オーロラの結婚」も振付けています。瀬島さんとエルフィンストンさんは踊り手として、山本さんの振付の特徴や魅力とは何だと感じますか?

瀬島 現役時代にいわゆる「踊れるタイプ」のダンサーだった人が振付家になると、往々にして1音1音すべてにステップを付けていくような、技巧の詰まった振付をつくる方が多いような気がします。でも康介さんは、ご自身があんなに素晴らしく踊れるダンサーだったにも関わらず、そういうタイプの振付家ではないんです。テクニックを詰め込むというより、音楽をたっぷり活かす。音楽を聴かせる振付、音楽が見える踊りをつくることに長けている。それが最大の特徴だと思います。

エルフィンストン 僕も康介さんにはたくさん振付をしていただいてきましたが、本当にその通りだと思います。パ・ド・ドゥのパートナリングにしても、音楽を外すと絶対にうまくいかない。とても繊細にできていて、難しいです。余計なことをせず、とにかく音楽を大切にしてシンプルに踊ったほうが上手くいくような振付ですが、それを突き詰めて稽古していくと、最終的には華麗な踊りになっていく。そこまでたどり着くのは大変ですが、楽しいです。

瀬島 それから、康介さんの振付には「意味のない動き」がほとんどありません。一つひとつの動きが、感情や状況を表現しているんですね。若い頃の私は技術的なことで頭がいっぱいになりがちでしたけれど、いまは「こういう状況だからこの手が出るんだ」「彼女はこういう気持ちだからこちらを見るんだ」と、ストーリーや役としての感情の中で、より自然に動けるようになりました。その一因には間違いなく、康介さんと一緒に仕事をするようになったことがあると思っています。

エルフィンストン 康介さんの振付は、「踊っている」というより「芝居をしている」という感覚。

瀬島 本当にそう。古典バレエである『ライモンダ』でさえ、ドラマを踊っているという感じがあります。

エルフィンストン 踊りと芝居の境界がほとんどない感じがする。

「ライモンダ」リハーサル中のひとコマ。アブデラフマン(厚地康雄)の振付・演技指導をする山本康介さん(写真手前) ©️Ballet Channel

先ほどリハーサルを見学して、いちばん強く感じたのがそのことでした。鮮やかなジャンプも難易度の高いリフトも、感情やストーリーを語るものとして伝わってくる。従来ともすれば「物語的には退屈だ」等と言われてきた『ライモンダ』が、とてもドラマティックに感じられました。
エルフィンストン 僕もそう思います。物語にも役にも深みがある。コール・ド・バレエにもちゃんと意味があるから、それを踊る若いダンサーたちにとっても、すごく勉強になっていると思います。
そして今回の『ライモンダ』は、瀬島さんとエルフィンストンさんにとって「集大成」の舞台になると伺ったのですが……。
瀬島 そうですね。私がこれほど大きな役を踊るのは、本当に最後だと思って取り組んでいます。技術的、体力的、そして年齢的にも、そろそろ限界が近づいてきていると。
「これが最後」と線を引くわけではないけれど、そういう覚悟で臨むということでしょうか?

瀬島 そうですね……。でも、やはり「主役」というのは誰よりも大きな責任がありますし、体力と、何より気力が必要なんです。かつては湧き上がっていた力が、だんだん振り絞らなくては出てこなくなってきた。もちろん人生は何があるかわかりませんから、「これが最後」と断言することはできません。でも、今回の舞台はそのつもりで、と思っています。

©️Ballet Channel

エルフィンストン 僕も、少なくともこんなふうに古典全幕の主役を自分のために振付けていただいて、という機会は最後かなと思っています。僕は五月より1歳年上ですし。でも、最後にこんな大きな役を自分に振付けてもらえるのは、ダンサーとして最高に嬉しいことですよ。

瀬島 アンディはまだもう少し踊れるんじゃない? でもずっと二人でやってきたから、「二人で踊る古典全幕」は最後、ということになるのかな。

エルフィンストン 僕は、できることは続けていく、という感じかな。でもそもそもバレエダンサーは、たとえ若くても毎回「これが最後」という気持ちじゃないと舞台には上がれない。今回はなおさら、本当にこれが最後のつもりで、エナジーを盛り上げていきたいと思っています。

©️Ballet Channel

瀬島さんとエルフィンストンさんは、ウエストジャパンの代表と副代表という立場でもあります。バレエはダンサーにとっても観客にとっても「東京一極集中」と言わざるを得ない状況にありますが、それでも「関西にいても、能力があれば所属に関係なく“真にプロフェッショナルなクリエイションの場”を経験できるように」、そして「バレエダンサーという仕事が職業として成り立つように」という目標を掲げ、カンパニーを立ち上げて5年。関西を拠点にして公演活動を行ううえで、大変なこととは?

瀬島 まず「集客」はいつも難しいです。関西圏のバレエ人口は決して少なくないと思いますが、「踊る・習う」ことには熱心でも、「観る」ことにはあまり興味のない方が多いのかな……という印象を持っています。また、「発表会」は観に行くけれど「公演」には行かない、という声もよく聞きます。もちろん「発表会」にもプロのダンサーがゲスト出演することは多々ありますけれど、それと「公演」が本質的に違うのは、後者は時間をかけて徹底的にリハーサルをして、妥協なく作り上げたものを舞台に載せるのが前提だ、という点です。

エルフィンストン そのことをダンサーたち自身がまず深く理解して、プロフェッショナルな舞台を作り上げること。そして観客のみなさんにも、本を読むように、あるいは映画を観るように、バレエを観にきてもらえたら嬉しいです。劇場で過ごす3時間、そのひとときでしか得られないもの、感じられないものが絶対にある。みんな忙しい日常を送っていると思うけれど、その3時間だけでも、目を開けて、耳を澄ませて、心を開いて、バレエを楽しんでほしいなと思います。

逆に、関西だからこその強みはありますか?

瀬島 関西人って、発信力は素晴らしいんです。踊りたい、見てほしい、伝えたい。その気持ちには、本当に熱いものがあります。だから、エネルギーが前に、前にって、どんどん出てくる。それが関西のダンサーのとてもいいところです。そこに、例えば康介さんが求めてくださるような深い作品理解とか、役の感情をいちど自分の中で醸成させることとか、古典から継承すべきものを誠実に守ること。そうした面をもっともっと鍛錬していけば、さらに説得力のある舞台をお見せできると思っています。

エルフィンストン みんなすごく性格が良くて、明るくて、心の中に炎があって、ハングリーだから。

瀬島 一人ひとり、本当に素晴らしい能力のあるダンサーたちばかりです。本番にも強いですし(笑)。ここまで5年間の活動でも、公演を重ねるごとに間違いなく進化してきました。今回の『ライモンダ』も必ず素晴らしい舞台にして、6年目につなげていきたいと思います。

©️Ballet Channel

公演情報

バレエカンパニー ウエストジャパン 第5回記念公演
『ライモンダ』全幕

日時:2023年11月23日(木・祝)15時開演(14時15分開場)

会場:神戸文化ホール 大ホール(兵庫県神中央区楠町4‐2‐2)
西神・山手線 大倉山駅より徒歩1分、JR神戸駅より徒歩10分

演目:『ライモンダ』全幕

原振付:マリウス・プティパ
音楽:アレクサンドル・クラズノフ
改訂演出・補足振付:山本康介

出演
ジャン・ド・ブリエンヌ:アンドリュー・エルフィンストン
ライモンダ:瀬島五月
アブデラフマン:厚地康雄(特別出演 元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ プリンシパル)ほか

指揮:冨田実里
演奏:神戸フィルハーモニック

チケット料金:S席10,000円 A席8,000円 B席6,000円 C席3,000円
※4歳以上入場可

主催:一般社団法人Ballet Company West Japan
後援:兵庫県、神戸市、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、神戸新聞社、公益財団法人日本バレエ協会、兵庫県洋舞家協会

公式サイトこちら

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