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【NEWS】あの名物企画から生まれたダンスがスケールアップ!平山素子×笠井叡「フーガの技法」を踊る【コメントあり】

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Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021の「エリア50代」で初演された、笠井叡振付・平山素子のソロダンス『J.S.バッハ作曲“フーガの技法”1.2.6.9番によるダンス』が、スケールアップして再び横浜に帰ってくる。大バッハ晩年の傑作「フーガの技法」を、若手ピアニストの佐藤浩一による演奏に乗せて、ダンス界のレジェンドである笠井と平山のふたりが全14曲踊るノンストップ60分の公演だ。

公演を目前に控え、平山素子からコメントが届いた。

【平山素子よりコメント】

©︎Yutaka Mori

私は、「フーガの技法」は謎めいた(騙されているような)部分が魅力の音楽だととらえています。リハーサルは、その秘密みたいなものを探索する冒険をしているような感覚。叡さんの振付は独特で、とにかく素早く、一筋縄ではいきません。これをどのように解釈して実演しようか……と大汗かきつつ、苦戦しながらも、脳は追い付いていないのになぜか身体が喜んでいるのを感じています

レジェンドである笠井叡さんとデュエットで踊れることも、これが「フーガの技法」であることも、私が次へ進むための運命であるように感じられる企画です。叡さんの振付を原点に、バッハが主題に凝らした多彩な技巧──反行・転回・拡大・縮小・分解・装飾的変化を、佐藤浩一さんの演奏バージョンに即時的に反応しながら、身体表現として実現したいと取り組んでいます。

さらに、伝説のアーティスト集団「ダムタイプ」の一員であり、日本を代表する照明アーティストの藤本隆行さんが光で空間をデザインしてくださっていることも、私にとって刺激的な要素です。

「フーガの技法」愛知公演より 笠井叡(写真左)、平山素子 ©︎Naoshi Hatori

公演の詳細は以下の通り。

公演情報

平山素子×笠井 叡
J.S.バッハ作曲「フーガの技法」を踊る

【日時】
2023年
9⽉2⽇(⼟)17:00開演
9月3⽇(⽇)14:00開演

【会場】
横浜⾚レンガ倉庫 1号館3Fホール

【ポストパフォーマンストーク】
2日 笠井叡・平山素子・佐藤浩一(横浜公演ピアニスト)
3日 笠井叡・平山素子・佐藤浩一(横浜公演ピアニスト)・片山柊(愛知公演ピアニスト)

【詳細】
公演特設サイト

【問合せ】
アルファルファ info@alfalfalfa.net

出演者プロフィール

笠井叡 Kasai Akira |演出・振付・ダンス

43年⽣まれ。60年代に若くして⼤野⼀雄、⼟⽅巽と親交を深め、東京を中⼼に数多くのソロ舞踏公演を⾏う。71年に天使館を設⽴、多くの舞踏家を育成する。79年〜85年ドイツに留学し、ルドルフ・シュタイナーの⼈智学、オイリュトミーを研究。帰国後も舞台活動を⾏わず15年間舞踊界から遠ざかっていたが、94年に「セラフィータ」で舞台活動を再開。01年初演「花粉⾰命」は代表作として世界各都市で上演を果たす。ソロ作品の他、ジャンルを超えたアーティストとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。著作に『天使論』『聖霊舞踏』『神々の⻩昏』(現代思潮社)、『⾦鱗の鰓を取り置く術』『戦略としての⼈智学(⾼橋巌共著)』(現代思潮新社)、細江英公撮影・笠井叡舞踏写真集『透明迷宮』(平凡社)。第64回芸術選奨舞踊部⾨受賞。

平山素子 Hirayama Motoko|演出・ダンス

静謐さと昂揚を⾃在に奏でるダンサーとして観客の熱い⽀持を集め、2006年ボリショイ劇場バレエ団にてS.ザハロワに『Revelation』を提供し、振付家として頭⾓を現す。07年『Life Casting』で朝⽇舞台芸術賞、09年2台ピアノ版によるデュオ作品『春の祭典』で芸術選奨⽂部科学⼤⾂新⼈賞、江⼝隆哉賞を受賞。16年に発表した、スペイン・バスク地⽅やアイヌ伝承⾳楽とコラボレートした『HYBRID』は欧州ツアーでも好評を博し、新境地を拓く。18年パーカッショニストの加藤訓⼦のソロ演奏による、S・ライヒの「ドラミング」にソロダンスで挑む『DOPE』を発表。22年⾳楽舞踊劇「IZUMI」では三味線奏者の本條秀慈郎、アイヌ・ウポポを唄う床絵美との新作を発表するなど、⾳楽家との共演も多数。洗練されつつ開拓⼼を失わないアーティストとして⽇本のダンスシーンをリードする存在である。筑波⼤学体育系准教授。

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