2023年1月29日(日)〜2月5日(日)にわたって開催されたローザンヌ国際バレエコンクール2023。1973年の同コンクール創設からちょうど50周年の記念大会となった今回は、最終日に歴代の受賞者たちによる記念ガラや、審査員、ゲストダンサー、そして出場者たちが交歓するカクテルパーティが開かれるなど、ひときわ華やかな雰囲気のなかで幕を下ろしました。
50周年記念ガラ「GALA OF THE STARS」カーテンコールのようす
記念ガラ終演後、久しぶりに立ったボーリュ劇場の舞台上で、出場した当時に戻ったような笑顔で記念撮影を楽しむ歴代受賞者たち。手前のほうにはフリーデマン・フォーゲル、フランチェスカ・ヘイワード、マシュー・ボール、マルセリーノ・サンベ、オンライン開催となった2021年大会で第1位だったアントニオ・カサリーノらの姿が見える。スマホを掲げて撮影している背中はマルセロ・ゴメス ©Anne-Laure Lechat
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決選終了後のフェアウェルパーティや最終日のカクテルパーティで、コンクールの1週間を終えてほっとした表情の出場者のみなさん、審査員のジュリー・ケントさんとメラニー・パーソンさん、そして上野水香さんとオニール八菜さんにもお話を聞きました。
※出場者の年齢・所属は出場時のもの
最終日のカクテルパーティの様子。ローザンヌの提携バレエ学校・カンパニー等の関係者や出場者たち、記念ガラに出演したオルガ・スミルノワやスティーヴン・マクレイの姿も見える ©️Ballet Channel
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ファイナリストのみなさん
齋藤 杏(さいとう・あん)
15歳/デパルクバレエスクール(日本)
大会3日目の2月1日、ヴァリエーションコーチングに臨む齋藤杏さん ©️Ballet Channel
決選はクラシックヴァリエーションでちょっと緊張してしまいました。でもコンテンポラリーはそれまでに教えていただいたことを全部つめこんで、観客のみなさんに思いを伝えられたので、とっても楽しかったです!
クラシックは『タリスマン』を踊りました。日本予選では『フローラの目覚め』で、本当はそれがいちばん大好きだったけれど、今回の本選の課題曲からは消えてしまって。でも新たに『タリスマン』にチャレンジできる機会になったので、よかったなと思っています。コンテンポラリーは、何を選ぶべきか悩みに悩んだすえに『Chroma』を選びました。音楽が泣けてくるくらいきれいで、とても好きになったからです。
ローザンヌの1週間は大変だったけれど、これからの人生に生かせる経験ができて、いい思い出がいっぱいです。バレリーナになるにはまだ筋力も必要だし、足りないところがたくさん。毎日こつこつがんばって、上に到達できるようにがんばります!
『タリスマン』より女性ヴァリエーション
田邊陽奏(たなべ・はるか)
18歳/チューリッヒ・ダンス・アカデミー(スイス)
決選終了後の舞台裏にて。写真左が田邊陽奏さん(右は齋藤杏さん) ©️Ballet Channel
決選の雰囲気は、やはり特別でした。この場所で踊れたことじたいが幸せで……観客のみなさんから大きな拍手をいただいた瞬間、鳥肌が立ちました。ちょっとだけミスもあったのですが、でも納得のいく踊りができたし、楽しめた。だから後悔はないです。
この1週間で、自分でも実感できるくらい技術面でも精神面でも成長したと思うし、素敵な経験もたくさんできました。素晴らしい先生方に指導していただけたこと、そしてGirls Bの子たちと仲良くなれたこともすごく嬉しかった。みんなで励まし合いながら切磋琢磨して、舞台袖では「がんばって!」と応援し合えるような仲間になれたんですよ。みんなからいい刺激ももらいました。たとえば韓国の子たちは自分の見せ方がすごく上手い。「私はこの角度がきれいに見える」ということをちゃんと理解した上で踊っているのだと感じました。そういった面も学びながら、自分なりの素敵なバレエが踊れるように、これからも上を目指し続けます。
『Becomings』(ウェイン・マクレガー振付)
井嶋奏太(いじま・かなた)
18歳/パルッカ・ダンス・アカデミー・ドレスデン(ドイツ)
井嶋奏太さん ©️Ballet Channel
準決選の時はまず目の前に審査員がいらして、その後ろにお客様が座るというかたちだったのですが、決選では最前列からお客様が目の前を埋め尽くしていました。決選で踊れたこと、その舞台から見えた光景は、きっとずっと忘れないと思います。このような経験ができて、家族や先生や友達、一人ひとりに感謝してもしきれません。
ローザンヌはクラスレッスンやコーチングも審査されていて、そうでない時はお客様が見学している、という毎日でした。それが僕にとってはすごく勉強になって。レッスンの段階から、人に見られているという意識をもって、パフォーマンスとしてプレゼンテーションをすること。その大切さを実感できました。
僕はもう18歳なので、これからいろいろなカンパニーのオーディションを受けるつもりです。見てくださる人が笑顔になるようなダンサーになりたいと、いつも思っています。
『Becomings』(ウェイン・マクレガー振付)
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日本人出場者のみなさん
コンクールの1週間、ともに切磋琢磨してすっかり仲良くなった様子のボーイズをパチリ ©️Ballet Channel
松丸 凛(まつまる・りん)
16歳/アクリ堀本バレエアカデミー(日本)
松丸凛さん ©️Ballet Channel
この舞台に立てたことはもちろんすごく嬉しかったし、楽しかったです。でも決選に行けなかったのは、それだけ自分にはまだ欠けているものがあるということ。それをもう一からやり直すつもりで徹底的に努力しないとダメなんだと強く思いました。
審査員との面談で、熊川哲也さんから「きみは体幹が弱い」とアドバイスをいただきました。そして「地に足がついていない感じがする」と。本当にそのとおりだと自分でも思います。ローザンヌで決選に行けるかどうかがすべてではないけれど、それでも上を目指すには、踊りを磨くだけでは通用しない。もっと基礎の体幹から鍛えなくてはいけないと気づかされました。
あとは、オンとオフの切り替えなど時間をもっと上手く使って、生活面もバレエにつなげていきたい。それもローザンヌの1週間で思うようになったことです。
『ドン・キホーテ』夢の場よりキューピッドのヴァリエーション
福山 麗(ふくやま・れい)
16歳/アナレラ・サンチェス国際舞踊コンセルヴァトーリオ(ポルトガル)
福山麗さん ©️Ballet Channel
ローザンヌの出場者はレベルが高いだけでなく、みんなが「学びにきている」という気持ちを強くもっていると感じました。そしてお互い知らない人たちなのに、エネルギーがぎゅっ!とひとつにまとまっている。それがすごく刺激的で、私も気持ちの準備の仕方がいつもと全然違いました。毎日早くレッスンを受けたくて、朝3時半に目が覚めてしまったり(笑)。1週間は本当に一瞬で過ぎ去ってしまったけれど、すごく楽しくて、幸せでした。
私は小柄なので、人一倍大きく踊らないといけません。でも、だからといって雑になるのではなくて、自分がそのひとときをどこまで楽しんで、幸せに踊れるか。それをいちばん大事にしています。将来は、できるかぎりいろんな人に自分の踊りを観ていただけるようになりたい。自分にできる最高のバレエ人生を送りたいから、とにかくずっと前を向いて、一つひとつの瞬間をかみしめながら、進んでいきたいと思っています。そしていつか大きな劇場で全幕作品を踊るのが私の夢です!
『海賊』オダリスクのパ・ド・トロワより第2ヴァリエーション
島長賢汰(しまなが・けんた)
15歳/ルシアバレエスクール(日本)
島長賢汰さん ©️Ballet Channel
準決選の翌日、審査員がファイナルに出ない出場者たちと面談してくださる時間がありました。そこで熊川哲也さんが僕に言ってくださったのは「個性を出せ」という言葉。自分はまだまだ引っ込んでいるところがある。もっともっと前に出て行かないといけません。
初めてのローザンヌ挑戦。世界中から集まった出場者のみんなが、僕とは違うものをたくさんもっていてすごいな!と感じました。いまの自分にはまだ表現力も足りていないし、もっと筋力をつけて、ピルエットやジャンプなど技術面の弱さも克服しなくては。それから身長も伸ばしていけたらなと思います。
『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』よりコーラスのヴァリエーション
横尾春瑠(よこお・はる)
17歳/バーゼル劇場バレエスクール(スイス)
横尾春瑠さん ©️Ballet Channel
ローザンヌは毎日忙しくて、充実していました。望んでいた結果は得られなかったけれど、有名なコーチや先生方に指導していただけたことが、自分にとっては大きくて。私の夢は世界で活躍できるダンサーになることで、そこにたどりつくにはまだまだ遠い。今回の経験を糧にして、また一から積み重ねていきたいです。
クラシックで『ライモンダ』を選んだのは、キャラクターや音楽に惹かれるものがあったのと、動きがずっと途切れずひと続きになっているような振付が、とても素敵で大好きだからです。コンテンポラリーは、もともとは本当に苦手すぎて、悩んだ時期もたくさんあったんですよ。でも、バーゼル劇場バレエスクールはコンテンポラリーの指導にも力を入れていて、優秀な先生がいらっしゃるので、毎日刺激を受けながら練習することができました。
だけど私たちの学校は、今年の夏で閉鎖になってしまいます(*)。以前のことは知らないのですが、私にとっては本当にいい先生ばかりだし、レッスンも毎日充実しているので、閉鎖はとても残念です。できればもう1年いたかったけれど、これからまた別の場所を見つけて、夢を追いかけたいと思います。
『Rossini Cards』(マウロ・ビゴンゼッティ振付)
*編集部注:昨年末に発表されたとおり、バーゼル劇場バレエスクールのプロ養成コースは今年度いっぱいで閉鎖されることが決まっている。もともとの財政難に加え、昨年10月に報道された虐待問題の影響で、第三者からの資金調達の見通しも立たなくなったことがその理由とのこと。今回のローザンヌには同校から7名の生徒が本選出場を果たし、うち4名が決選に進出。さらにそのうちの2名が1位と6位に入賞した。
小嶋萌生(こじま・もえき)
17歳/S・K バレエ(日本)
小嶋萌生さん ©️Ballet Channel
僕は昨年秋の日本予選で選出していただきこのローザンヌ本選に出場しました。海外に出たのは本当にこれが初めての経験。みんなが英語でコミュニケーションをとっているのも僕にとっては新鮮で、勉強になることばかりでした。
準決選の舞台は、自信をもって気持ちよく踊れました。そのことにはとても満足しています。そしてコンクールの1週間で、同世代の男の子たちとたくさん会えたのもすごく良かった。僕の目標はバレエを仕事にすることなので、これからまた素直な気持ちで、一生懸命練習していきたいです。英語もがんばります!
『Echo』(チャン・キンスン振付)
坂本優翔(さかもと・ゆうと)
18歳/オーストリアバレエスクール(日本)
坂本優翔さん ©️Ballet Channel
1週間は一瞬でした。1週間の内容じゃないくらい、吸収できたと思います。とくに勉強になったのは、身体の動かし方です。ポジションもステップも、一つひとつをもっと丁寧にしなくてはいけないということ。とくに僕はつい腕を高く上げすぎてしまいがちなので、気を付けなくてはいけないとあらためて思いました。
他の出場者からもたくさん刺激をもらいました。とくに印象に残ったのは、チューリッヒ・ダンス・アカデミーから出場していたイタリア人のジュゼッペ・ベントゥーラくん。コンテンポラリーヴァリエーションが僕と同じ『Chroma』で、コーチングなども一緒だったのですが、身体の動かし方がとにかくすごかった。オーストラリア人のジェレミー・ハーグリーヴズくんも、とても背が高いのに動きをきちんとまとめられるコントロール力がすばらしいなと思いました。
将来の夢はプリンシパルになること。海外のバレエ団を目指したいです。
『Chroma』(ウェイン・マクレガー振付)
木村孔亮(きむら・こうすけ)
18歳/アナレラ・サンチェス国際舞踊コンセルヴァトーリオ(ポルトガル)
木村孔亮さん ©️Ballet Channel
1週間、めちゃくちゃ楽しかったです! いちばん楽しかったのは、本当に踊りが上手い子しかいない環境で過ごせたこと。僕は上手い人を見るのが大好物なんです(笑)。
ローザンヌは本当に素晴らしい経験でした。いい言葉が出てこないけれど、親や支えてくださったみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。
『パキータ』グラン・パよりヴァリエーション
高橋 青(たかはし・あおい)
18歳/森高子バレエ教室(日本)
高橋青さん ©️Ballet Channel
とても充実した1週間でした。毎日毎日全力で取り組むことだけを意識して、一日じゅうバレエやコンテンポラリーの練習ができて。ハードでしたけど、朝起きてから夜寝るまでずーっと踊りに集中していられるのは本当に楽しかった。そのくらい僕は踊ることが大好きなんです。
ただ、本番で踊っている最中は、手放しで楽しめているとは言えないかもしれません。考えなくちゃいけないことがいっぱいだから。踊り終えたあとは、「ああ、楽しかった!」ってなるんですけど。
準決選では、上半身の使い方が充分ではありませんでした。他の出場者と比べても、自分にはまだまだやるべきことがあるなと。とくに僕は腕が長いので、もっと大きく動かせるようになれば、それは自分の武器になると思います。今回見つけた課題に新たな気持ちで取り組んで、ここからまたがんばります。将来の夢は、誰かの憧れになるようなバレエダンサーになることです。
『海賊』のパ・ド・ドゥよりヴァリエーション
小林侑聖(こばやし・ゆうせい)
18歳/ベルリン国立バレエスクール(ドイツ)
小林侑聖さん ©️Ballet Channel
僕の強みはテクニック。とくにジャンプが得意なほうなので、今回選んだバジルのヴァリエーションにも、大技を入れられるところにはしっかり入れていこうと考えました。改装したばかりの新しい床はちょっと滑りにくくて、ピルエットは力加減が難しく回りにくかったけれど、ジャンプは跳びやすかったです。
僕は本番に強いタイプというわけではなく、踊る前はいつも不安でしかなくて。でもこの1週間で学べたのは、観客がいるなかで自分をどう表現し、強みを見せていくのかということです。コーチの先生方に顔の表情や手の表現なども細かく教えていただけて、自分でも変化が見えるくらい成長できたように思います。
この1週間、全力を出しきれたし、自分なりに成長できた。だから僕は非常に嬉しかったです。もちろん、ファイナルに残れなかったのはすごく悔しいです。だけどこの経験は間違いなく今後につながると思う。バレエダンサーになるという夢にも、一歩近づけた気がしています。
『ドン・キホーテ』のパ・ド・ドゥよりバジルのヴァリエーション
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最終日のカクテルパーティにて…
審査員
ジュリー・ケント Julie KENT
ワシントン・バレエ芸術監督
アメリカン・バレエ・シアター元プリンシパル
1986年入賞
自身が出場した1986年大会のポスターの前で、気さくに取材に応じてくれた ©️Ballet Channel
世界中のたくさんのダンサー、そして私自身の人生にも大きな影響を与えてくれたローザンヌ国際バレエコンクール。その50周年記念の年に参加させていただいて、偉大な歴史とレガシーの一部になれたことを、とても光栄に思っています。
出場者たちはとてもひたむきで、才能豊かで、ハングリー精神に満ちていました。スカラシップの数が限られているからどうしても順位がついてしまうけれど、本当はここに来た83人全員が入賞に値するくらいの実力者でしたよ。そしてこの数年、誰もがコロナ禍で思うように踊れない経験をしたからでしょうか。自分たちは踊りが大好きなんだという気持ちや情熱が、これまで以上に強く伝わってきました。
私自身がローザンヌに出場したのは1986年のことでした。あの頃の自分と比べると、いまの子どもたちはあらゆる面ではるかに優れていますよ! テクニックも向上しているし、ムーヴメントも強い。コンテンポラリーダンスも踊れて、さまざまなスタイルの動きを巧みにこなすことができます。かつてバレエは現実社会から遠く離れて閉ざされた世界だったけれど、いまは誰もが指先ひとつで世界中にアクセスできる時代です。いっぽうで昔もいまも変わらないのは、ダンスには夢や希望が詰まっているということ。それは仲間たちと一緒に作り上げるものであり、そこには自由があるということです。
若いみなさんは、もっと自分自身を信じていいと思います。みなさんには、これから素晴らしいキャリアが待っているのです。背筋を伸ばして、胸を張って、自分のやっていることを信じてください。それはきれいな5番ポジションと同じくらい重要なことですよ。
審査員
メラニー・パーソン Melanie PERSON
エイリー・スクール共同監督
コンクールの審査員等で日本でもおなじみのパーソンさん ©️Ballet Channel
今年はクラシックとコンテンポラリーの両方で、非常にハイレベルなコンペティションだったように思います。今回の出場者たちは、コロナ禍の影響で2年間くらい満足なトレーニングを受けられなかったはずですし、舞台に立つ機会も減っていたことでしょう。その意味でも今大会は、若いダンサーたちにとって大きな意義のある開催だったと思います。
私はこれまでにもたくさんの日本人ダンサーを見てきましたが、彼らは本当に細部まできちんとこだわって、とても明確に踊りますよね。今回の出場者のみなさんもそうでした。クラスレッスンでも先生のお手本をとても注意深く見ていて、動きの細かなニュアンスまでしっかり拾っていく。その姿勢が、クラシックヴァリエーションやコンテンポラリーヴァリエーションにも反映されていたように思います。
若いダンサーのみなさん、あなたたちにはまだ時間が充分にあります。クラシックバレエのダンサーになりたければクラシックのレパートリーに重点を置いている学校へ行けばいいし、コンテンポラリーダンスに興味があるなら、コンテンポラリーに注力している学校を選ぶのがいいでしょう。でも、ダンスの世界はつねに変化していて、ダンサーに求められる踊りのスタイルは多様化するばかりです。どんなトレーニングを受けるにしても、バランスが大切なのだということを忘れないでください。
50周年記念ガラ「GALA OF THE STARS」出演
上野水香 Mizuka UENO
1993年入賞
自身が出場した1993年大会のポスターの前で ©️Ballet Channel
ボーリュ劇場は、私の夢が初めてかなった場所です。いまからちょうど30年前の1993年、15歳でローザンヌ賞をいただきモナコ・プリンセス・グレース・アカデミーに留学したことが、その後のバレエ人生を決めた大きなターニングポイントになりました。そこにいま、こうして歴代受賞者の代表として戻ってこられたことが、本当に嬉しくて。40周年の時の記念ガラに続いて2回目なので、とても光栄です。
そんな特別なガラで『瀕死の白鳥』を踊ることにしたのは、自分が40年踊り続けてきた人間であることを示せる作品だと思ったからです。気がついたんですけど、今回の出演者の中で、私の出場年がいちばん古いんですよ。それだけ長く踊ってこられたということに、感謝しかありません。
ここで夢を見たり、夢をかなえたり、夢を見つけたり……若いダンサーたちの夢の歴史が50年間積み重なってできた場所が、ここローザンヌなのだと思います。15歳だったあの頃を思い返してみても、コンクールの1週間は本当に楽しかった。バレエダンサーになりたいと夢見ている若いみなさんにも、チャンスがあるなら、ぜひこのコンクールを楽しんでいただきたいです。
50周年記念ガラで『瀕死の白鳥』を踊る上野水香さん
オニール八菜 Hannah O’Neill
パリ・オペラ座バレエ
2009年 第1位入賞
カクテルパーティにて。同じく来場していた小林十市さんと ©️Ballet Channel
決選と50周年記念ガラを観に、パリから飛んできました。明日の早朝にはとんぼ返りして、オペラ座でのリハーサルに入らなくてはいけないのですが(笑)。
決選を観て思ったのは、みんなすごく若いな!ということ。本当に大事なのはこれからです。私自身も16歳の時にローザンヌに出て、その1週間で経験したことが大きな糧になったし、いろいろなコネクションも作ることができたんですね。だから出場者のみなさんには、今回のコンクールを、夢に向かって飛び上がるためのスプリングボードにしてもらえるといいなと思います。
決選で印象に残った出場者は、『海賊』のオダリスクを踊っていた16歳の韓国人、パク・スハさん。彼女の踊りがすごく好きでした。それからブラジルの15歳の男の子、ヴェンデウ・ヴィエイラ・テレスさんも。『コッペリア』のフランツを本当に嬉しそうに踊っていたのがとても良かったです。
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そして…読者のみなさんにおみやげを買ってきました
取材の合間に、現地でしか購入できないという〈ローザンヌ国際バレエコンクール公式グッズ〉を、読者のみなさんへのおみやげとして買ってきました。
以下の4点を各1名様、合計4名様に抽選でプレゼントいたします。
◎Tシャツ(ブラック/レディースMサイズ)
ほどよく厚みのあるしっかりとした生地。身長163センチの私がゆったり着れるサイズです
◎コンパクトミラー
ハンディながらテーブルに立てるとちゃんと顔全体が映る、便利なサイズです
◎ポーチ(キャンバス生地/マチ有)
すっきりした見た目ながら収納力たっぷりで、しかも丈夫。ハリのあるキャンバス地のおかげか、マスクやティッシュなどを入れてバッグに放りこんでも中身がぐちゃぐちゃになりません
◎ロングタオル
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【応募方法】
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【応募期間】
2023年3月13日(月)~3月23日(木)23:59まで
【当選発表】
当選者の方にのみ、3月27日(月)までにTwitterまたはInstagramのDMにてご連絡いたします。