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【動画レポ】主役リハーサル&インタビュー① 福岡雄大×小野絢子

阿部さや子 Sayako ABE

新国立劇場バレエ団6月公演「アラジン」
主役(アラジンとプリンセス)を務める3組のダンサーたちのリハーサル&インタビューを、1組ずつ動画でお届けします。

まずは初日の6月15日と22日(夜)に主演する、アラジン役・福岡雄大さんとプリンセス役・小野絢子さんの動画から。

このパ・ド・ドゥを踊るふたりを見ていて、つくづく、”バレエってなんて素敵な踊りなんだろう……”と感じました。

幸福で、少し泣きたくなるような、美しいデュエットです。どうぞゆっくりご覧ください。

音楽:カール・デイヴィス「アラジン」/使用楽譜:Faber Music
Videographer : Kenji Hirano


JASRAC 許諾番号9012264003Y45040
※この動画は著作権上の都合により、2019年6月30日までの限定公開となります

※2019.07.03 追記
上記の期限満了をもって、動画の公開を終了しました。たくさんのご視聴ありがとうございました。

主演ダンサーインタビュー

アラジン  福岡雄大
プリンセス 小野絢子

――プリンセス役の小野絢子さんと、アラジン役の福岡雄大さんにお越しいただきました。まずはそれぞれの役どころについて聞かせてください。

アラジンはやんちゃでいたずら好きな中東の商人です。でも商売はそんなにうまくいっていません。年齢的には10代の役なので僕の実年齢とはかけ離れていますが、演じていると自然と童心に返ることができますね。そしてあの美しい音楽が気持ちを盛り上げてくれる。ですからとくに「演技を研究しよう」と思わなくても、音楽と周りの人たちが僕をアラジンにしてくれます。とても好きな役です。
プリンセスは、もちろんお姫様なのでとても大事に育てられた上品な少女です。でもこのプリンセスは“普通の女の子”の面も持っていて、あまりお友達がいなくて寂しいと思っていたり、外の世界を見たいという好奇心にあふれていたりと、他のバレエに出てくる姫よりも茶目っ気あふれるプリンセスではないかと思います。

――演じる上での楽しさや難しさはありますか?

踊っていてすごく楽しいです。僕ひとりではなくみんなと一緒に踊ることでいろいろな表現が生まれてくるので、人とのつながりがすごく大事だなと。アラジンはいつもいたずらをするのでひんしゅくを買ったりすることもありますが、それでもどこか憎めなくて好もしいキャラクター。本番までさらにリハーサルを重ねて、周りのみんなが僕のアラジンに対してどんなリアクションを返してくれるのかが今から楽しみです。
楽しくないはずがない、という感じですね(笑)。踊っていても、観ていても楽しい。お客様もダンサーも含めて、劇場にいる人全員が楽しいと感じる作品だと思います。

――クラッシック・バレエらしい美しさもありつつ、ビントレーならではの趣向に富んだ独特なステップが詰まった振付ですが、踊るのは難しくないのでしょうか……?

もちろん難しいです。ビントレー作品はさらに運動量が多いんです。主役だけでなく、全員が。その上で、音楽性もとても厳しいものを求められます。ステップもとても細かいですし。
ビントレーならではのスタイルに慣れるまで、少し時間がかかる。
でもそれがひとたび体に入ってくると、「もうこれしかない!」という感じで、喜びがありますね。
アラジン役はとにかくハードです。走り回りますし、舞台にもずっと出ずっぱりですし、とにかく体力面でも技術面でもとてもハード。その中でビントレーさんが見せたいアラジン像を見せなくてはいけないし、何をするにも気が抜けません。

――『アラジン』は衣裳もすごく素敵ですよね。

どの衣裳も本当に綺麗ですし、舞台装置も。僕と小野さんは英国バーミンガム・ロイヤル・バレエが『アラジン』を上演した時にも客演したのですが、バーミンガム版のセットは、僕ら新国立劇場のものとはちょっと違うんです。劇場の大きさも違いますし。もちろんバーミンガムの方も素晴らしかったのですが、その経験を経て再び新国立劇場で踊らせてもらった時には、あらためてこちらのオリジナルの美術の良さを感じました。衣裳、装置、そしてランプをはじめとする小道具の数々……細かく見ていくと目が2つでは足りなくて大変だと思いますが、ぜひいろいろなところを見ていただければと思います。
衣裳に関して言えば、本当に全部綺麗なんですけれども、とくに宝石のシーンはそれぞれのカラーがすごく出ていますし、他では見たこともないような素材で作られています。私も一回着てみたいなと思いますが、なかなかチャンスが廻ってこなくて……。でもプリンセス役だけでも、衣裳が5着もあるんです。私の中では、他のバレエに比べて、一番早替えが多く、一番“早替え”なんです。すごくスリリングです(笑)。

――ご自身の役以外で好きなキャラクターは?

僕はやはり、アラジンとして接する機会の多い「お母さん」ですね。アラジンのお母さんと、プリンセスのお父さんであるサルタン。この二人の関係もすごく面白い。僕はアラジン役として踊っていても、舞台の端でお母さんが何をしているのか、思わず目で追ってしまいます。お母さんの物語は、この作品の“サイドストーリー”とも言えると思います。
私は第1幕第1場のマーケットに出てくる人々が好きです。一人ひとりに設定があって、衣裳も違えば職業も違う。どこを見てもそれぞれの人生、生活が見えて、ストーリーがあって楽しいんです。あの個性のぶつかり合いがすごく面白いと、いつも思います。

――小野さんから見た“雄大アラジン”の魅力、福岡さんから見た“絢子プリンセス”の魅力を聞かせてください!

アラジン役は、どんな男性でも持っている少年の部分がすごく出ると思うんです。いい意味で、普段の舞台では見られないような彼の“素”の部分を垣間見ることができる。「意外と可愛いらしい一面があるんだな」とか、「子どもの頃こうだったのかな」っていうのが、ちょっと見えるんですよ。それが私には新鮮で、王子役とか戦士役では見られない福岡雄大さんの一面が見られるので、いつも組んでる身としてはすごく楽しいですね。
小野さんは、意志と心が強いプリンセス。本人も先ほど言っていましたが、“外に出たい”という心の強さを持っているプンセスだと思います。あと、最初にプリンセスが登場する時、街の人々は「高貴な方の顔を直に見てはいけない」ということで頭を下げているのですが、アラジンだけは少年の心を持っているので、好奇心で見てしまうんです。そこから恋が始まるのですが、その本当に何気ない登場シーンでも、小野さんはこのプリンセスの“すべて”を見せてくれる。なぜアラジンは、掟を破ってでも彼女の顔を見たいと思ってしまうのか。それが理屈抜きでわかります。

★【動画レポ】主役リハーサル&インタビュー② 奥村康祐×米沢 唯 は6月6日公開予定です

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