バレエを楽しむ バレエとつながる

  • 観る
  • 知る
  • 考える

【動画レポート】バレエダンサー小野絢子さんも登場!手塚治虫「火の鳥」展プレス内覧会&オープニングセレモニーを取材しました

バレエチャンネル

©︎Tezuka Production
取材・撮影・編集:バレエチャンネル編集部

2025年3月7日(金)〜5月25日(日)、「手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡(どうてきへいこう)=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴-」が開催されています。会場は東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)

大迫力のエントランスゾーン「火の鳥・輪廻シアター」。窓の外には広い空と東京の街 ©Tezuka Productions

マンガ『火の鳥』は、数々の名作を生みだした手塚治虫が、自らのライフワークと宣言した一大傑作長編です。その血を飲んだ者は永遠の命を得るという、伝説の鳥“火の鳥”。過去と未来を交互に行き来しながら、火の鳥を追い求める人々の葛藤を描き、「生と死」「輪廻転生」といった哲学的なテーマを縦横無尽に表現した本作の壮大な世界観は、『火の鳥』の連載開始から70年が経過した今も、多くの人々に愛されています。

同展では、原画を中心に、映像、関連資料、そして『火の鳥』の世界観を表現したグラフィック等、計約800点が展示されています。企画監修は生物学者の福岡伸一氏。

「火の鳥」の主要12編(「黎明編」から「太陽編」まで)の貴重な原稿が膨大に展示されています! ©Tezuka Productions 写真撮影:Ballet Channel

開幕前日の3月6日、プレス内覧会と、福岡氏による展覧会ツアー、そして同展のオープニングセレモニーが開催されました。オープニングセレモニーには、新国立劇場バレエ団が上演する「バレエ・コフレ」で『火の鳥』のタイトルロールを踊る小野絢子さんも登場! セレモニー終了後に、手塚治虫作品のことやバレエ『火の鳥』について、お話を聞きました。

オープニングセレモニー。写真左から:漫画家としても活躍する芸人の矢部太郎さん、本展の企画監修者である生物学者・作家の福岡伸一さん、手塚治虫の長女でプランニング・プロデューサーの手塚るみ子さん

オープニングセレモニーには新国立劇場バレエ団プリンシパルの小野絢子さんも特別出演! 小野さんは2025年3月14日〜16日の同団公演「バレエ・コフレ」でフォーキン振付『火の鳥』のタイトルロールを踊ります。手には実際の舞台で使用する火の鳥の赤い羽根が……

本ページトップの動画では、福岡伸一氏によるプレス向け展示会ツアーやオープニングセレモニーのようす、そして小野絢子さんへのミニインタビューをレポート。手塚治虫『火の鳥』ファンのみなさんも、バレエ『火の鳥』ファンのみなさんも、どうぞお楽しみください!

手塚治虫プロフィール
本名・手塚治。1928年、大阪府豊中市に生まれ、宝塚市で育つ。大阪大学附属医学専門部卒業。医学博士。1946年に17歳で4コママンガ『マアチャンの日記帳』にてデビュー。翌年、単行本『新寳島』が大ヒットとなり、以来、日本のストーリーマンガの確立に尽くす。また、1961年アニメスタジオ「虫プロダクション」を設立。1963年、国産初の本格的なテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』の放送を成功させ、アニメ界にも大きな業績を残す。代表作に『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『火の鳥』『ブラック・ジャック』『三つ目がとおる』等がある。1989年死去。

エントランスゾーンに掲示されている、手塚治虫からのメッセージ ©Tezuka Productions 

企画監修:福岡伸一氏のコメント
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』。テーマは「生きること、死ぬことの意味は何か」。人間にとってもっとも深遠な問いです。全編にわたって不死鳥“火の鳥”が登場し、生に執着する人間を翻弄しながら物語を動かします。そこでは、あらゆる生命がつねに姿と形を変えながら、連綿と受け継がれていく輪廻転生の生命観、汎神論的な世界観が示されます。これは、生命が絶えず自らの破壊と創造を繰り返しながら、エントロピー増大の法則に抗い続けている「動的平衡」であるとする私の生命論とぴたりと重なります。
本展の狙いは、動的平衡の視点から火の鳥の意味を読み解くことにあります。そして、手塚治虫が描くことを約束しながら果たせなかった物語の結末を想像してみたいと思います。ぜひご期待ください。

福岡伸一(ふくおか・しんいち)
生物学者・作家。1959年東京生まれ。京都大学卒業および同大学院博士課程修了。ハーバード大学研修員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞し、90万部のロングセラーとなった『生物と無生物のあいだ』、『動的平衡』シリーズなど、”生命は何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。大阪・関西万博(EXPO2025)のテーマ事業パビリオン「いのち動的平衡館」プロデューサー 写真撮影:Ballet Channel

展覧会情報

手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-

会期:2025年3月7日(金)〜5月25日(日)
会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
オフィシャルサイト:https://hinotori-ex.roppongihills.com/

この記事を書いた人 このライターの記事一覧

NEWS

NEWS

最新記事一覧へ