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【動画掲載!】新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」ねずみの王様インタビュー~木下嘉人&小柴富久修&渡邊拓朗

阿部さや子 Sayako ABE

Videographer:Jin Kakizaki(Award of Life)

2021年12月18日(土)、新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』が開幕します。
今回は年末年始を通して上演され、大晦日も元日も含めて2022年1月3日(月)まで公演が続きます。

同バレエ団が上演するウエイン・イーグリング版は、高度なテクニックやスピーディなステップがぎっしり詰まった振付や、カラフルでスタイリッシュな舞台美術などが大きな魅力。
そして欧文タイトルに“The Nutcracker and the Mouse King”とある通り、ねずみの王様が一般的な演出版以上に大活躍(!)するのが、このバージョンの見どころのひとつです。

そこで今回は、ねずみの王様を踊る3人のダンサー、木下嘉人さん、小柴富久修さん、渡邊拓朗さんに、作品の見どころや役作りのこと、そして子どもの頃のバレエや『くるみ』の思い出について、お話を聞きました!

第1幕 兵士VSねずみたちとの戦いの場面。くるみ割り人形:奥村康祐、ねずみの王様:木下嘉人 ©︎Hidemi Seto

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Interview 1
木下嘉人 Yoshito KINOSHITA(ファースト・ソリスト)

最初に少しだけ、10月〜11月に初演されたライト版『白鳥の湖』のことを。木下さんはジークフリード王子の友人・ベンノという重要な役どころを演じ、反響を呼びました。
木下 難しい役でした。踊りはもちろんですが、とくにマイムや演技の部分。ベンノはきっと幼い頃から王子のそばで一緒に育ってきて、王子のことが大好きなのだと思う。しかしそのいっぽうで、彼は身分の違いをきちんとわきまえている人物でもあります。そうした王子との距離感を僕がどのように捉えて演じていくかによって、最終幕のラストシーンの見え方が変わりますよね。ですから、そこは深く考える必要がありました。
ベンノが湖から王子の亡骸を抱き上げて出てくるラストシーンは、本当に強く印象に残りました。そして打って変わって今回の『くるみ割り人形』、木下さんは「ねずみの王様」という、また極めて重要な役を演じますね!
木下 いまはリハーサルの真っ最中ですが、とても楽しいです。はっちゃけたことができるキャラクターですし、被り物を着けて踊るなど、ふだんとはまったく違う経験ができるのもおもしろいですね。
“ねずみらしさ”や“王様らしさ”を表現するポイントは?
木下 イーグリング版のねずみの王様って、衣裳がちょっとグロテスクで迫力があるんです。それだけでも役柄がずいぶん表現されているので、あとは僕自身がいつも以上に大きく動いたり、ところどころでちょっとかわいい仕草を見せたりと、躊躇せず思いきりメリハリをつけて踊るのがポイントではないかと思います。

ねずみの王様 ©︎Hidemi Seto

確かに、ねずみの王様は“怖いけど可愛い”というギャップ萌えみたいな魅力がありますよね(笑)。
木下 あの衣裳でさんざん暴れた挙句、小首を傾げて可愛いポーズをしてから去っていったりしますからね(笑)。
しかし「被り物を着けて踊るのも楽しい」とのことですが、踊りにくくはないのでしょうか……?
木下 とても踊りづらいです。衣裳もかなり分厚いですし、とくに人形の兵士たちとの戦いの場面は被り物もあるので呼吸しづらいです。
それでも、いつも以上に大きく動かなくてはいけないと。
木下 そうですね。頭を覆い、身体も見えづらい衣裳を着ているぶん、重心をグッと低くしたり、逆に大きく引き上げたりしないと、動きの強さやダイナミックさが見えてこないと思います。『くるみ割り人形』じたいはクラシック作品ですが、ねずみの王様役はその型を変えた動きが必要な役だと思います。
ねずみの王様は、被り物や衣裳を着けていても、踊るダンサーによってやはり全然違う個性が見える気がします。木下さんは、この役において“自分らしさ”をどう出すかについても意識していますか?
木下 その意識はあまりなくて、僕はとにかく、ねずみの王様になりきることだけを考えています。だからマスクを着けていても、その中でしっかり表情をつけて演じたりもしています。自分らしさとか個性って、何を演じても自然とにじみ出るものだと思う。振付など決められていることは正確に行って、あとは大いに楽しんで演じること。それが僕のやりたいことであり、自分の個性にもなっているのかもしれません。
『くるみ割り人形』はじつにさまざまな演出版があり、そのぶんいろいろなキャラの「ねずみの王様」がいますが、イーグリング版のねずみの王様の特徴とは?!
木下 とにかくアピールが強い(笑)。クララと王子に対して、何かとちょっかいを出していきます。一般的なバージョンのように戦いの場面だけに出てくるのではなくて、子役のクララの部屋にも入って行くし、雪の場面にも出ていくし、気球にぶら下がって第2幕の魔法の地までも追いかけていく。そして何度でも「王子を倒すぞ〜!」と挑みかかっていきます。
あの気球は、ねずみの王様をぶら下げたまま、ずいぶん高いところまで上がりますよね!
木下 高いですよ。僕は高所恐怖症なので、下は見ないようにしています(笑)。
木下さんの思う、イーグリング版『くるみ割り人形』の魅力とは?
木下 登場人物たちの踊りや演技といい、舞台の転換といい、とにかく動きが多いこと。そして一曲一曲のなかに、ステップがいっぱい詰まっています。だから何度観ていただいても新鮮な発見がある舞台だと思います。
『くるみ割り人形』といえばチャイコフスキーの音楽そのものも大きな魅力だと思いますが、木下さんがとくに好きなのはどの曲ですか?
木下 やはり、第2幕のグラン・パ・ド・ドゥの曲が好きです。あの音楽が流れてくると、一瞬で「僕らは魔法の世界に来たんだ」と感じられます。本当に偉大な曲だと思います。

第2幕 こんぺい糖の精と王子のグラン・パ・ド・ドゥ ©︎Hidemi Seto

ところで、木下さんは何歳からバレエを始めましたか?
木下 10歳からです。もともと妹がバレエを習っていて、母親に「嘉人もバレエをやってみたら?」と言われて始めました。
男の子だと、なかなかバレエが好きになれなかったり、レッスンを楽しめなかったり、という話をよく聞きますが、嘉人少年はどうでしたか?
木下 僕も、最初は「嫌だ、嫌だ」って言っていました。その意識が変わったのは、中学2年生くらいの時。通っていた教室がウクライナのバレエ学校の姉妹校提携をしていて、ウクライナ人のダンサーがたくさん来ていたんです。彼らの姿を見ているうちに、「バレエってかっこいいな。僕もあんなふうになれたらいいな」と思い始めて。そこからバレエに本気で取り組むようになりました。
少年時代の木下さんには、バレエのどんなところがカッコよく見えたのでしょうか?
木下 やはり鮮やかなピルエットや高いジャンプなどのテクニックに魅了されました。大人になったいまは、少し違う面に魅力を感じていますが。
ちなみにいまはどのようなところに魅力を感じますか?
木下 クラシック・バレエならではの美しい立ち居振る舞いでしょうか。手の出し方ひとつ、歩き方ひとつにも、かっこよさを感じます。そして立っているだけでもストーリーがあふれてくるようなダンサーを見ると、なんて素敵なんだろうと思いますね。そういう人は、何を踊っても魅力があります。
『くるみ割り人形』は、当時の木下さんのような子どもたちもたくさん観に来ると思います。子どもたちには、どんなところに注目してほしいですか?!
木下 まずは第1幕を楽しんでほしいです。観に来てくださるみなさんと同世代の子役たちもたくさん登場して、パーティでも、ねずみとの戦いでも、いろんなところで大活躍していますよ。あとはクリスマスツリー! どの場面かは申し上げませんが、小さいサイズからとても大きくなるのでぜひ注目してみてください。

第1幕 パーティの場面 ©︎Hidemi Seto

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Interview 2
小柴富久修 Fukunobu KOSHIBA(ファースト・アーティスト)

小柴さんは何歳でバレエを始めたのですか?
小柴 9歳です。
きっかけは?
小柴 いとこの男の子がバレエを習っていて、母親に「あなたもやったら?」と勧められて始めました。僕は「いやだ」って言ったんですけど(笑)。
(笑)。その「いや」が「好き」に変わったのはいつですか?
小柴 実際にバレエを始めてからは、「好き」も「嫌い」もあまり考えることなく続けていました。先生が厳しかったのもあって、ただ黙々と練習する毎日を送っていたというか。ピルエットなど回転系のテクニックを習うのはおもしろかったです。
そんなバレエ少年だった頃、『くるみ割り人形』の舞台を観に行った思い出はありますか?
小柴 観に行ってもいましたし、通っていた教室が『くるみ割り人形』を上演していたので、それに出演したりもしていました。

第2幕 スペインの踊り ©︎Takashi Shikama

そうでしたか! 富久修少年にとって、『くるみ割り人形』はおもしろかったですか?
小柴 まず第1幕のにぎやかな雰囲気がすごく楽しくて、とくにハレーキン人形の踊りなどは、いつも自分がやっているバレエの動きとは違っているのがおもしろくて大好きでした。それから僕の教室の『くるみ割り人形』は第2幕の舞台セットに大きなお菓子がたくさん描かれていたんですね。食いしん坊だった僕は「これは食べきれないな」と思いながら見とれていて、先生に「富久修くん、ちゃんと並びなさい!」ってよく叱られていました(笑)。
かわいすぎるエピソードですね(笑)。新国立劇場バレエ団が上演しているイーグリング版『くるみ割り人形』は、英語のタイトルが“The Nutcracker and the Mouse King”。つまりタイトルロールと言える大役「ねずみの王様」に、小柴さんは今回初役で抜擢されました!
小柴 光栄なことです。本当に感謝しています。
配役が発表されたときの感想は?
小柴 僕は、以前上演していた牧阿佐美版『くるみ割り人形』ではねずみの王様を演じていたんです。でもイーグリング版のそれは、プリンシパルクラスのダンサーたちが演じてきた役。だから僕が配役されることはまずないだろうと思っていたので、とにかくびっくりしました。そして「嬉しい」よりもまず「頑張らなくては」と思いました。
実際にリハーサルが始まり、ねずみの王様を演じてみていかがですか?
小柴 リハーサルが進むにつれて、どんどん楽しくなってきています。例えば王子や「花のワルツ」のように白タイツで踊る役だと、クラシックバレエのアカデミックな型を常に意識し続けなくてはいけません。でもねずみの王様は物語を大きく動かしていく演技的な要素のほうが強いので、僕はそういった役のほうがリラックスして踊れます。
この役を演じる上での、小柴さんならではのこだわりポイントは?
小柴 どんな作品を踊る時も、僕はつねに「目線」を意識しています。手を出す、歩き始める……何をするにしても、まずは目でしっかりとそちらを見てから、行動を起こすように心がけています。それは人間の役であろうと動物の役であろうと同じなのですが、ただし気をつけなくてはいけないのは、ねずみの王様のような被り物の「目」は、実際の自分の目とは違う位置についている、ということです。自分自身の目ではなく、ねずみの王様の目を、どの方向に、どんなふうに向けるのか。そこにこだわることで自分らしさが出せるのかなと思います。
しかしあれほどの被り物を着けて踊ったり演技したりするのは、大変ではないのでしょうか?
小柴 とくにおもちゃの兵隊たちとの戦争のシーンでは、被り物で視界が悪いうえに、照明も暗く、スモークまで焚くんです。主役を始めたくさんのダンサーたちと絡まなくてはいけないし、王様ですから他の人以上に大きく動くことも必要。やはり大変ですね。
しかもダイナミックにジャンプするなど、振付そのものもハードに見えます。
小柴 とにかく身体を作り直さないと、最後まで表現しきれないくらい息が切れてしまいます。演技や踊りが失速していくのは絶対に避けたいので、食生活と睡眠、そしてクラスレッスンでもジャンプなどを少し多めに行うなど、日常から見直しているところです。
小柴さんは、このねずみの王様はどんな性格・キャラクター性の持ち主だと理解して役作りをしていますか?
小柴 このバージョンのねずみの王様は、それほど「悪いやつ」ではない気がしています。悪意をもって「悪さをしてやろう!」と思っているわけではなくて、ただその瞬間に自分がしたいことをしているだけ。それがクララや王子にとっては迷惑になってしまっている、マイペースなキャラクターというイメージで演じています。
マイペースなんだと思うと、可愛いです(笑)。『くるみ割り人形』といえば名曲揃いですが、小柴さんのお気に入りの一曲は?
小柴 第1幕終盤の、雪の場面の音楽が好きです。冬という季節、寒い国……そういう雰囲気がよく表れているし、「今年ももう終わりか」という気持ちにもなって、僕は少し物悲しさや切なさを感じます。とくに新国立劇場バレエ団の舞台では実際に東京少年少女合唱隊のみなさんが生で歌ってくださるので、とても幻想的でもあります。あとは、第2幕の王子のヴァリエーションの音楽も好きです。
最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします!
小柴 僕たち新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』は、ほとんどの場面が一般的なバージョンの演出とはひと味違います。そこがとてもおもしろいと思いますし、くるみ割り人形VSねずみの王様の戦いも、勝つのはいったいどちらなのか? 勝負の行方を、ぜひ劇場で見届けてください!

第1幕 雪の国 ©︎Hidemi Seto

Interview 3
渡邊拓朗 Takuro WATANABE(アーティスト)

渡邊拓朗さんは、プリンシパルの渡邊峻郁さんの実弟ですね。年齢はどのくらい離れているのですか?
渡邊 7歳差です。
7歳差! 渡邊さんは4歳からバレエを始めたそうですが、それはお兄さんの影響ですか?
渡邊 僕は三人きょうだいで、いちばん上に姉がいます。まずはその姉がバレエを始めて、次に兄、そして僕も気がついたら教室に通い始めていました。自分で習いたくて始めたわけではなかったけど、先生も男性だったし、兄もいたし、クラスには僕と同世代の男の子も2〜3人いたので、レッスンに通うのは遊びに行く感覚で楽しかったです。
レッスンそのものも楽しかったですか?
渡邊 そうですね。ジャンプとか回転とか、かっこいい技がひとつでもできるようになると嬉しくて、そこからどんどんバレエにはまっていきました。そして「もっとできるようになりたい!」と思えば思うほど、逆に基礎の大切さを理解するようになりました。ですから「バレエをやめたい」「レッスンなんてつまらない」と思っている男の子がいたら、まずは単純に「かっこいい!」と思える技の練習から入ってみるのも良いのではないか、と僕は思います。
そんなふうにレッスンを楽しみながら上達していった渡邊さんは、新国立劇場バレエ研修所を経て、2017年に新国立劇場バレエ団に入団。そして今回の『くるみ割り人形』で、ねずみの王様役に抜擢されました!
渡邊 驚きました。同時に「相手の王子役は誰なのかな?」と思って配役を見たら、まさかの兄貴でさらに驚きました(笑)。でも嬉しいです。同じバレエ団で踊っていても、舞台で直接的に絡む機会はなかったので。本番までどうなっていくのか、ものすごく楽しみですね。
峻郁さんも以前ねずみの王様を踊っていましたね。
渡邊 そうなんです。だから「いろいろ質問していいよ」と言ってくれていて、本当に一から教えてくれるので、わからないことがあったらすぐに兄に聞いています。兄だけでなく他の先輩方もすごく優しくて、質問すると丁寧に教えてくれるんです。
峻郁さんはじめ、先輩方はどんなアドバイスを?
渡邊 「振付など決まりごとはもちろん守らなくてはいけないけど、自分の個性も出していいと思う」と。前に演じた人と同じようにやる必要はない、と言ってくださいます。
その個性をどう出すかという意味で、渡邊さん自身はこの役をどんなふうに演じたいと考えていますか?
渡邊 僕たちのバージョンのねずみの王様って、衣裳が結構リアルというか、ちょっとホラー的な要素が入っているんです。肋骨が見えていて、アンデッド(生ける屍)なねずみ、という印象。でも振付はバッと大きく動いたあとにキュッと身をすくめたりして、かわいらしいところがあります。見た目が怖いぶん、そういった仕草をチャーミングに見せたいです。
この役を踊ってきたダンサーのみなさんは、誰もが「とにかくハードだ」とおっしゃいますね。
渡邊 ねずみの頭を着けたまま、休む間もなく動き回ったりジャンプしたりするので、酸欠になりそうなくらいハードです。そして疲れた状態で剣を振り回して戦うことになりますから、集中力も切らさないようにしなくてはいけません。でもこのバージョンの『くるみ割り人形』は、何を踊ってもハードなんです。僕は今回第2幕の「花のワルツ」のリードも踊るのですが、そちらもすごく大変です。だからリハーサルじたいが良い体力作りになっていて、僕も自然に肺が鍛えられてきている気がします。

第2幕 花のワルツ ©︎Hidemi Seto

ねずみの王様はこれまでプリンシパルの方々も踊ってきた大役ですが、渡邊さんはこの初挑戦を恐れることなく楽しんでいるようすが、お話からも伝わってきます。
渡邊 僕が2017年に入団して初めて立った舞台が、この『くるみ割り人形』でした。それ以来、歴代のねずみの王様を見て感じてきたのは、これは思う存分やりきらないとダメな役だということでした。だから僕自身も、とにかく萎縮せずに思いきりよく演じよう!と。それをリハーサル初日からずっと心がけています。
渡邊さんの思う、イーグリング版『くるみ割り人形』の魅力とは?
渡邊 どの踊りにも振付がたっぷり詰まっているところです。一般的なバージョンだったらステップが1つか2つしかない箇所に、イーグリング版では3つも4つも埋め込まれていたりして、息もつけないほど。でも、だからこそあの高揚感が生まれているのだと思いますし、ダンサー一人ひとりの技量もよく見える。とても魅力的なバージョンだと思います。
先ほど子ども時代のお話を聞きましたが、渡邊さんは少年の頃から『くるみ割り人形』を観ていましたか?
渡邊 ロシアのバレエ団の来日公演などで、よく観ていました。
拓朗少年にとって、『くるみ割り人形』はどんなところがおもしろかったですか?
渡邊 クリスマスツリーがものすごく大きくなるところとか、ねずみと兵隊の戦闘シーンに、とくにワクワクしていました。あとは、雪の場面で子どもたちの合唱が入るところが好きでしたね。最後にいろんなお菓子が出てくるところも楽しかったです。
今回の公演にも、たくさんの子どもたちがやってくることと思います。そういった子どもの観客のみなさんには、どんなところに注目してほしいですか?
渡邊 第1幕で、時計が真夜中を知らせると、舞台上に置かれていたものがぐんぐん大きくなっていきます。クリスマスツリーはもちろん、時計とか、プレゼントの箱とか、全部が巨大化していくんです。それを観ていると、まるで自分の体もねずみやおもちゃの兵隊と同じサイズになってしまったような気がしてくると思います。そんなふうに世界に入り込んで観ていただけたら嬉しいです。

イーグリング版『くるみ割り人形」のトレイラー。ねずみの王様が気球にぶら下がって追いかけるシーンも!

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公演情報

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』全2幕

◎日程:
2021年12月18日(土) 13:00/18:00
2021年12月19日(日) 14:00
2021年12月21日(火)14:00
2021年12月24日(金)19:00
2021年12月25日(土)13:00/18:00
2021年12月26日(日)14:00
2021年12月31日(金)16:00
2022年1月1日(土・祝)14:00
2022年1月2日(日)14:00
2022年1月3日(月)14:00

◎会場:新国立劇場 オペラパレス

◎詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

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