ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE(Dリーグ)25-26」が、2025年10月25日に幕を開けました。今シーズンより新たに2チームが加わって全16チームとなったことに伴い、〈レギュラーシーズン〉は8チームずつに分けた2ブロック制で実施。そして各ブロックの上位3チームずつ、計6チームが〈チャンピオンシップ〉(2026年5月31日開催)に出場し、シーズン王者が決まります。
今季も各ラウンドのもようを観戦レポート。寄稿は自身も複数ジャンルのストリート系ダンスを踊りこなす舞踊史家・舞踊評論家の村山久美子さんです。
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ROUND.4 BLOCK VIBE(1/9)の各MATCHレポート
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1st MATCH
M&A SOUKEN QUANTSとDYM MESSENGERSの対戦。
前者は、アニメーション界の大御所であるチームディレクターのDa-Yoshiと、彼がリーダーを務める世界的に活躍するアニメーションダンスのユニットTRIQSTARのチームメイトCharlieの客演(SPダンサー)で、アニメーションとポッピンをメインとする、コミカルさをまじえたダンスを見せた。
客演の2人の強い体幹のダンスの重みは魅力だったが、ほかの若いダンサーたちのヒットや床を踏む足の軽さがかえって目立ってしまった観もある。
後者は、ドラムの急速な打に始まり楽器が様々に交代し増えてゆく複雑なジャズの音楽で、多彩なジャンル、あるいはフリースタイルのダンスを用いながら、緻密に音楽を表現する構成。筆者の感覚では、ほとんどのシーンが、90〜95%ぐらい音楽と一体化していた。おそらく、彼らの実力であれば、そしてもっと準備期間があれば、100%音楽を表現し切った舞台ができるように思われ、それが見てみたい。とはいえ、質感、リズムがどんどん変化する音楽を、ここまで表現できるチームはほかにあるだろうか、と思えるほどの高いレベルの舞台だった。
結果は29.1対70.9でDYM MESSENGERSの勝利。
2nd MATCH
Valuence INFINITIESとKADOKAWA DREAMSの対戦。
前者はヒップホップ、ブレイキン、ハウスがメインのチームだが、今回はブレイキンだけの作品で、ディレクターのKATSUYAも参加。打楽器に洞窟の中で響いているような声が混じる興味深い音響空間に始まり、その後、主として打を中心にした無機的な音楽を使用。
難易度の高いパワームーヴを多用したアクロバティックなシーンの連続だが、絵面としては、動きの多様性がやや乏しい印象があった。フォーメーションにもう少し工夫があると、それが払拭されたように思われる。
後者は、「オ・モ・テ・ナ・シ」というテーマで、ホテルマンと客を描いた。ベトナムのMTPOPが客演。衣裳やテーブル等々で場の状況は描かれるが、ダンスには、もう少し語りの力がほしい。バイブレーションやアクロバットの技を見せるために登場人物が出ているようにも感じられた。
結果は、48.2対51.8でKADOKAWA DREAMSの勝利。テクニック、コレオグラフィー、エースパフォーマンスのポイントはValuence INFINITIESがリードしており、シンクロでKADOKAWA DREAMS が1.4対11.1と大きくリードした結果の勝利である。とはいえ、Valuence INFINITIESのシンクロパフォーマンスが大差がつくほど劣っていたかは、疑問を感じる。
3rd MATCH
CHANGE RAPTURESとFULLCAST RAISERZの対戦。
前者は、これまでヒップホップをメインとする作品が多かったが、今回は、ハウスダンスを得意とするShigetoraをエースダンサーとして、速いステップを中心に構成。日本語の台詞に不規則な音のリズムを重ね、袴風のパンツとすげ笠で、和風のテイストを醸し出した。全体として、ステップの速さは出ていたが、床を踏む弾力感があまりなく、足がやや重く見えたのは残念。
クランプのチームの後者は、昨シーズンなぜか気の毒なほどに勝ちを取れなかったが、今シーズンは快進撃を続けている。
上半身裸での美しい筋肉のシンクロパフォーマンスに始まり、その後、スカイブルーとホワイトのパーカーを着、パワフルな動きながら支え合う優しさに満ち、かつピュアなイメージのダンスを展開した。
結果は38.4対61.6でFULLCAST RAISERZの勝利。
4th MATCH
LIFULL ALT-RHYTHMとSEGA SAMMY LUXの対戦。
前者は、『if…』というテーマで、感情を込めたジャズヒップホップのようなダンスと、終始回り続ける大野愛地の驚異的ヘッドスピンを合わせた作品。結末は、大野が立ち上がってドアを開けて出てゆこうとする。シンクロのシーンを多くした振りに、もう少し胸に響く表現がほしかったように思われる。
後者は、道化の衣裳と化粧で、急速な日本語のラップに合わせたスピード感のあるダンス。遊び感覚の動きの形は面白かった。
結果は、44.1対55.9でSEGA SAMMY LUXの勝利。審査員のポイントは、シンクロが5.6対6.9でわずかにSEGA SAMMY LUXが上だったが、それ以外のポイントはすべてLIFULL ALT-RHYTHMのほうが高かった。しかし、会場と配信の観客のポイントがどちらも、10近くSEGA SAMMY LUXのほうが高い。観客のポイントが50%の割合を占める、今シーズンならではの勝利である。
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ROUND.4終了時点でのBLOCK VIBEのランキング1位はFULLCAST RAISERZ。
最優秀ダンサーMVDは、Valuence INFINITIESのエースを務めたTSUKKI。

チームは敗れたものの、エースパフォーマーとして圧倒的なスキルを見せたValuence INFINITIESのTSUKKIが見事MVDを獲得した ©D.LEAGUE 25-26
ROUND.4 BLOCK HYPE(1/10)の各MATCHレポート
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1st MATCH
dip BATTLESとMedical Concierge I’moonの対戦。
前者は男性のみを揃え、ロッキン、ポッピン、ブレイキンで構成した作品。重低音の強いはっきりしたリズムの音楽で、硬質なヒットなどの男らしいダンスを見せた。
女性のみのチームである後者は、女性ヴォーカルのノリのよい音楽での、ソウルフルなロッキン。全員音楽に気持ちよくのり、ダンサーが現れては消える照明効果もすばらしい。そして何より、シンクロパフォーマンスでの全員のロッキンが、非常に上手かった。見ていて、気持ちが高揚するパフォーマンスだった。
結果は、37.1対62.9でMedical Concierge I’moonの勝利。
2nd MATCH
KOSÉ 8ROCKSとCyberAgent Legitの対戦。
ブレイキンのチームである前者は、全員がブレイキンの非常に高度な技術をもつ。それを随所で駆使して、見せ場満載の作品にした。動きのカノンも、他のチームでは見られないほどの速さで展開してゆく。操り操られるようなフロアワークと立ち踊りのダンサーのやり取りの振りも、とても面白い。そして、エースのShigekixの長めに入れたソロが、多様でインパクトの強い高難易度の技ばかり。
昨シーズン王者であるCyberAgent Legitを意識し、非常によく作り込み、踊り込んだ、見事な舞台だった。今ROUNDの最高のパフォーマンスと言える。
ポッピンとロッキンがメインの後者は、三味線の音楽を入れて目新しさを出そうとした作品。三味線が入らない序盤は、身体の止めがすばらしく、前者とは対照的な静的な魅力があった。ただ、三味線の音楽に入ってからの振付が、もう一つ面白味に欠けた観がある。
結果は、51.4対48.6でKOSÉ 8ROCKSの勝利。
3rd MATCH
LDH SCREAMとList::Xの対戦。
前者は、ヒップホップ界の大ベテランSHIGEをSPダンサーに迎え、彼を中心に置いたヒップホップ。SHIGEの力みのない粋なダンスは、身体を包む空気を柔らかくし、味わい深かった。
後者もヒップホップをメインとするチーム。フォーメーションにあまり工夫がなかったためか、作品の斬新さはさほど感じられなかったが、全員の強い体幹のブレのない動き、床踏みの柔らかさが際立った。Yuseiのエースパフォーマンスは、相変わらずコミカルでかわいらしい。
結果は、41.9対58.1でList::Xの勝利。
4th MATCH
Benefit one MONOLIZとavex ROYALBRATSの対戦。
前者は女性性を強調し、ドレス、ヒールでのショーダンス的な振付。動きのラインの美しさ、男性とのペアダンスのリフトの面白さなどが際立った。
後者は、前者と対照的な、男性のみの、ラメのハットと上下の衣裳でのスタイリッシュなダンス。全員の身体のキレ、足さばきの速さと軽やかさが魅力だった。
結果は、47.2対52.8でavex ROYALBRATSの勝利。avex ROYALBRATSは、ディレクターが変わり新体制となった今シーズンの、初勝利となった。
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ROUND.4終了時点でのBLOCK HYPEのランキング1位はKOSÉ 8ROCKS。
最優秀ダンサーMVDは、Medical Concierge I’moonのエースを務めたsadeが獲得した。

今季よりMedical Concierge I’moonに新加入し、このROUNDで初エースを務めたsade(シャーデ)。無二の個性が輝くダンスで会場を沸かせ、MVDに輝いた ©D.LEAGUE 25-26