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2026年3月より、ミュージカル『メリー・ポピンズ』が開幕します。風に乗ってやってきた不思議な家庭教師、メリー・ポピンズの物語は、P.L.トラバースの小説を原作に、ウォルト・ディズニー・カンパニーの手で映画化され、世界中で愛されています。ミュージカル版は『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』のプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュの手で2004年に初演。日本版は2018年、2022年に続き3度目の上演となります。
稽古開始を控えた2025年12月16日、都内某所で製作発表がおこなわれました。抽選により招待された200名の一般オーディエンスと報道陣を前に、プリンシパルキャストをはじめ、アンサンブルや子役キャストを加えた40名以上の俳優たちが集結した会見の模様をレポートします。
- ★あらすじ★
- 1910年のロンドン、チェリー・ツリー・レーンに住むバンクス家。一向にナニー(子守)が居つかないこの家に、メリー・ポピンズが舞い降りてくる。魔法で部屋を片付けたり、カバンから何でも取り出したり、不思議な力をもつメリーと、煙突掃除屋のバートと過ごす素敵な毎日に、子どもたちは大喜び。
いっぽう銀行家の父ジョージは、勤め先である融資をきっかけに苦境に立たされてしまう。しかしこの出来事をきっかけに、バンクス家は家族の幸せを見つけ、それを見届けたメリーは、また空に帰って行くのだった。
ミュージカル「メリー・ポピンズ」
製作発表/歌唱披露イベント
イベントは歌唱披露からスタート。
名曲揃いのナンバーから、とくに親しまれている4曲が披露されました。
♪01「チム・チム・チェリー」(Chim Chim Cher-ee)

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トップバッターは今回が初出演となる上川一哉。客席後方から登場し、美しい低音でオーディエンスの視線を集めました。ステージでは大貫勇輔が上川を迎え入れ、小野田龍之介、朝夏まなと、濱田めぐみが加わり、美しいハーモニーを披露。

♪02「何もかもパーフェクト」(Practically Perfect)
メリー・ポピンズの軽快なソロナンバー。赤と青の華やかなドレスを纏った濱田と朝夏は、時おり微笑みを交わしながら澄んだ歌声を響かせました。
♪03「鳥に餌を」(Feed the Birds)
公園の鳩にやる餌を2ペンスで売るおばあさん(バードウーマン)のソロ。3度目の出演となる島田歌穂と初役の樹里咲穂がしっとりと歌い、会場があたたかな空気に包まれました。

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♪04「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」(Supercalifragilisticexpialidocious)
最後はプリンシパルキャストたちによる歌唱。早口言葉のような歌詞が印象的なナンバーに、オーディエンスからは手拍子も。バートの「行くぞー!」の号令で、アンサンブルキャストたちも舞台上に登場! 40名強の迫力ある歌唱に会場はヒートアップ。

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大迫力の「スパカリ」を熱唱したプリンシパルキャスト、アンサンブルキャストが勢ぞろい。今回は出演者の役半数が新メンバーだそう(プリンシパルキャストの笹本玲奈と知念里奈、スウィングの高山裕生は欠席)©Ballet Channel
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続いてプリンシパルキャストたちが、一言ずつコメントを述べました。

前列右から 大貫勇輔、朝夏まなと、濱田めぐみ、小野田龍之介、上川一哉
中列右から 樹里咲穂、島田歌穂、福士誠治、小西遼生、木村花代
後列右から コング桑田、安崎求、浦嶋りんこ、久保田磨希、石川新太、DION ©Ballet Channel
主人公のメリー・ポピンズ役はトリプルキャスト。3度目の主演を務める濱田めぐみは「たくさんのエネルギッシュで素敵なメッセージを届けられると思います」と挨拶。朝夏まなとは今回が初役。2018年の濱田のメリーを観て大感動し、いつかこの作品に携われればと願っていたそう。「お仲間に入れていただけて幸せです」と高揚したようすで語りました。

メリー役に決まった時は不安も大きかったと朝夏。「メリー役の先輩の濱田さんと笹本玲奈ちゃんが、『大丈夫だよ。大変だけど一緒に頑張ろう、一緒に作っていこう』って、あったかいお言葉をかけてくれた。それで『よし、私もどんなことだってできる!』と。私らしいメリーを見つけたいと思います」©Ballet Channel
ストーリーテラーのバート役を演じるのは、初演から続投の大貫勇輔、バート役は2回目となる小野田龍之介、そして初参加の上川一哉の3名。大貫は半数のキャストが一新されることについて、「初心に戻った気持ちで、このカンパニーの新しい舞台を作り上げていきたい」と頼もしい回答。小野田は映画版でバートを演じたディック・ヴァン・ダイク氏が100歳を迎えたことに触れ「このメッセージは届くことはないと思うんですけれども(笑)、映画のリスペクトを忘れずに、100歳のエネルギーをいただいて日本版らしい作品を作りたいです」。上川は「パート役の3人の中では僕がいちばん年上なんですが、いちばん若い気持ちでお2人から色々学ばせていただきます」とコメント。

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堅物の銀行員、ジョージ・バンクス役は小西遼生と福士誠治のフレッシュなダブルキャスト。「早くメリー・ポピンズファミリーに馴染んでいきたい。明るいカンパニーで楽しみです」(小西)「僕もバンクスと同じく、自分の中にある子どもごころを忘れてしまっているかも。この舞台で見つけられたら」(福士)
ジョージの妻であり子どもたちの優しいお母さん、ウィニフレッド役の木村花代は「舞台の上ではいつもメリーに魔法をかけてもらっています。夢と愛をお届けできるように精一杯演じます」と笑顔。
バードウーマンとミス・アンドリュー(メリーの前任の厳格な家庭教師)という対照的な二役を演じるのは島田歌穂と樹里咲穂。島田は「最後にメリーが空へ飛んでいくシーンを袖から観ているといつも涙が出てきます」。樹里は「私は生粋のメリー・ポピンズファン。自分が客席で味わった感動をお客様にもお届けできるように頑張りたい」。
ほか、ブーム提督役とバンクスが務める銀行の頭取役を演じるコング桑田と安崎求、バンクス家の家政婦頭ミセス・ブリル役の浦嶋りんこと久保田磨希、ミュージカル版オリジナルキャストの使用人、ロバートソン・アイ役の石川新太とDIONが作品への愛と意気込みを熱く語りました。
続く質疑応答タイムでは、取材陣だけでなく一般オーディエンスからの質問も。
作品の魅力を聞かれた濱田は、演じるたびに自分の中を旅しているような気持ちになるところだと答え、「私もメリーを演じていながら、彼女からたくさんのことを教わっています。私はメリーの『どんなことでもできる』というセリフが大好きなんですが、会場に来てくださった方全員が『自分は何でもできる、どんなことだってできる』と思ってくださったら嬉しい」と結びました。
上川は初参加の意気込みを尋ねられると、「誰よりも楽しんでいきたい」と語った後で一言「僕は高いところが本当に苦手なので、それを克服できたらと思います」。すかさず小野田が「バートは幕開けから高いところにいるから大変ですよ!」と切り込み、会場が笑いに包まれました。
オーディエンス席から元気に手を挙げた小さな女の子の質問は「みんなが“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス”なのはどんな時ですか?」。
コングは「僕は朝起きた時からずっと! 楽しく毎日を送っています」と豪快に回答。安崎は「このオーディションに受かったこと。そしてここにいる楽しい時間が私にとってのスーパーカリフラジリスティック……です!」

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最後に原作のメリー・ポピンズシリーズが大好きだというオーディエンスから手が挙がり、「原作者はシリーズの一冊の序文に“メリー・ポピンズはいつまでも私たちのもとへ現れては去っていくわけにはいかない(もう新たな来訪の物語を書くことはない)”と書いていて、私はそれを読んだ時とても寂しかった。それにちなんで、戻ってはこないけれども心の中で大事にしていること、自分の力になっていると思うことはありますか?」との質問が。
小野田は俳優としての自分を振り返り「僕は舞台が大好きです。舞台に立つたびにキャストたちやお客様との出会いがある。けれどその日の出会いはその日だけのもので、絶対に戻っては来ないんですよね。そこが舞台芸術の尊いところであり、美しく、儚いところだと思う。日々を心に刻みながら舞台に立ちたいと思います」と回答。
大貫が語ったのは、自分の子どもたちのこと。「ふたりとも日に日に成長して、できることが増えていくんですよ。それを見ていると、もっと大きくなったら抱っこできなくなるんだろうなとか、一緒にお風呂に入ってくれなくなるんだろうなと思うことがあります。一瞬一瞬を大切にしたいですね」

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質疑応答が終わると、バンクス家の姉弟、ジェーンとマイケルを演じる子役たち8名が舞台上へ。アンサンブルキャストも再登場。司会者が全員の名前を読み上げ、一人ひとり挨拶しました。

子役に選ばれた8名は今日が初お披露目 ©Ballet Channel
オーディエンスのための特別コーナーは、サイン入りポスターやオリジナルTシャツなどが当たるプレゼント企画。プリンシパルキャストがくじを引き、当選番号を読み上げるたびに客席から嬉しそうな声が。当選者には、キャストみずからプレゼントを手渡しました。

抽選会は小野田が進行を務め、笑いでいっぱいのひとときに。くじ箱係に指名されたのは石川とDION。バートの指示どおりにくじ箱を抱えてあちこち走り回る姿は、働き者のロバートソン・アイそのもの! ©Ballet Channel
最後は「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」をキャストと参加者で大合唱。途中で会場のカーテンが開き、明るい自然光が差し込んでくる演出も。最後の「メリー・クリスマス!」の声に、オーディエンスもこの日いちばんの大きな拍手を送っていました。
公演は2026年3月21日~27日のプレビューで幕を開け、3月28日~5月9日は東京・東急シアターオーブ、5月21日~6月6日は大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演されます。
公演情報
ミュージカル『メリー・ポピンズ』

東京公演
【日程】
プレビュー公演 2026年3月21日(土)~3月27日(金)
本公演 2026年3月28日(土)~5月9日(土)
【会場】東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
大阪公演
【日程】2026年5月21日(木)~6月6日(土)
【会場】 梅田芸術劇場 メインホール
【クリエイティブ】
原案:P.L.トラバース
オリジナル音楽&歌詞:リチャード・M・シャーマン&ロバート・B・シャーマン
脚本:ジュリアン・フェローズ
新規楽曲/追加歌詞&音楽:ジョージ・スタイルズ&アンソニー・ドリュー
共同製作:キャメロン・マッキントッシュ
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
【キャスト】
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ、笹本玲奈、朝夏まなと(トリプルキャスト)
バート:大貫勇輔、小野田龍之介、上川一哉(トリプルキャスト)
ジョージ・バンクス:小西遼生、福士誠治(Wキャスト)
ウィニフレッド・バンクス:木村花代、知念里奈 (Wキャスト)
バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂、樹里咲穂(Wキャスト)
ブーム提督/頭取:コング桑田、安崎 求(Wキャスト)
ミセス・ブリル:浦嶋りんこ、久保田磨希(Wキャスト)
ロバートソン・アイ:石川新太、DION(Wキャスト)
ジェーン・バンクス:市川桃子、久住星空、辻乃之花、室岡星愛(クワトロキャスト)
マイケル・バンクス:張 浩一、中西 緑、中込佑玖、深澤 統(クワトロキャスト)
ほか
【公演に関するお問合せ】
ホリプロチケットセンター 03-3490-4949 (平日11:00~18:00)
大阪公演:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~13:00/14:00~18:00)
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