ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE(Dリーグ)25-26」が、2025年10月25日に幕を開けました。今シーズンより新たに2チームが加わって全16チームとなったことに伴い、〈レギュラーシーズン〉は8チームずつに分けた2ブロック制で実施。そして各ブロックの上位3チームずつ、計6チームが〈チャンピオンシップ〉(2026年5月31日開催)に出場し、シーズン王者が決まります。
今季も各ラウンドのもようを観戦レポート。寄稿は自身も複数ジャンルのストリート系ダンスを踊りこなす舞踊史家・舞踊評論家の村山久美子さんです。
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ROUND.8 BLOCK HYPE(4/23)の各MATCHレポート
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1st MATCH
List::Xとavex ROYALBRATSの対戦。
前者は、Yusei以外は全員女性という、初の女性中心の演目。このチームがこれまで見せた重い弾力のヒップホップではなく、アフリカンやレゲエの音楽にのった柔らかいウェーブが目立つ作品。
後者は、スタイリッシュなカッコよさ、各所で動きをシンクロさせる整った美しさを強調した。全員のステップの足の踏みの繊細さも心地よかった。
結果は、40.0対60.0でavex ROYALBRATSの勝利。ほぼ女性で勝負したList::Xは、これまで出ていなかった新たな側面を見せたが、いつもより踊りのパワーが見えなかったのが残念だった。
2nd MATCH
Benefit one MONOLIZとdip BATTLESの対戦。
ヴォーグやワッキンなどの腕の動きを武器とする前者は、赤い長手袋で腕を強調しつつ、ジャズ・コンテンポラリーのような振付で、ラインの美しさを出そうとした。動きの輪郭がもう少し洗練された美しさになると、より魅力が増すように思われた。加えて、ヴォーグをメインとするダンサーがいるのはこのチームだけなので、ヴォーグの名手が技をもっとアピールしたほうが、強味になるのではないだろうか。
後者は、ほぼ男性で、和のテイストの音楽にのり、スピード感あふれるヒップホップ、ブレイキン、ロッキン、ポッピンなどで構成した作品。スピードのある振りを余裕でこなしていたのが、好印象だった。
結果は、42.1対57.9でdip BATTLESの勝利。
3rd MATCH
LDH SCREAMとKOSÉ 8ROCKSの対戦。
前者は振りの動き、ポーズは面白いものがあった。ただ、これまで何度も書いてきたが、若いメンバーであるため、身体の中の筋肉ではなく、外の筋肉の動きになってしまっているため、抑制された美しさが出ないのが残念。
ブレイキンのチームである後者は、ダンス・バトルの歴史を振り返るような、煉瓦壁にスプレー缶で絵を描く(グラフィティ)シーンから始まり、路上で若者が踊っているような雰囲気のダンス。アクロバティックな技も、フロアでのステップも、いつもながら質が高かった。
結果は40.1対59.9でKOSÉ 8ROCKSの勝利。
4th MATCH
Medical Concierge I’moonとCyberAgent Legitの対戦。BLOCK HYPEの現在3位と1位のチームで、CyberAgent Legitのレギュラーシーズン4連覇がかかる熱い戦いだった。
今シーズン急成長を見せている前者は、女性のみのチームの特長を生かし、大きめのウェーブを多用した曲線の柔らかい動き、軽やかで急速なワッキンやジャズ・コンテンポラリーの腕の動きの美しさを強調した振付。全員での息の合ったシンクロのシーンが多く見受けられ、なかでも、規程の「シンクロ」部分のワッキンの腕と身体を斜めに倒すなどのポーズは、際立つ美しさだった。柔らかい動きながら、随所に入れる身体を固めるストップも、とてもしっかり行っている。エースのMEMEの超速でエネルギッシュなワッキンも、抜群の吸引力だった。
後者は、ena以外はすべて男性の出演者で、ロッキンをメインとした直線的な動きのダンス。力みのない、丁寧で洗練された動きのまま、急速なロッキンやポッピン、アクロバットなどが続いてゆく。身体の完璧なストップとそれに続くクイックの緩急のつけ方が見事。ヴォーカル曲ではじまり、ピアノのジャズのような曲になった時に、エースATOがソロを踊り、その音楽を吸収した洗練度の高いダンスに、惹きつけられた。
結果は、48.8対51.2でCyberAgent Legitの勝利。両者とも甲乙つけがたい素晴らしい舞台。ずっと見ていたいほどだった。
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このROUUND.8でBLOCK HYPEのレギュラーシーズンは終了。レギュラーシーズンの優勝は、4年連続でCyberAgent Legitとなった。
最も優れた活躍をしたダンサーMVDには、Medical Concierge I’moonのMEMEが選ばれた。

史上初のレギュラーシーズン4連覇を果たしたCyberAgent Legit。リーダーのTAKUMIは「今シーズンはルールが変わり、順風満帆と思ったことは一度もない。一戦一戦どうやって勝てるかをチームのみんなで考え尽くした結果、こうして優勝できて嬉しい。でも、まだ全然満足していないし、余裕があるわけでもない。僕らの団結力、絆を信じて、CS(チャンピオンシップ)も優勝したいと思います!」と表情を引き締めた ©D.LEAGUE 25-26

MVDを獲得したMedical Concierge I’moonのMEMEは今季からチームに新規加入。全8ラウンドのうち4ラウンドでエースを務め、そのすべての回でエースポイント優勢を獲得するという大活躍を見せた。受賞のコメントを求められると「I’moon初のCS、絶対優勝します!!!」と元気な声を会場じゅうに響かせた ©D.LEAGUE 25-26
ROUND.8 BLOCK VIBE(4/24)の各MATCHレポート
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1st MATCH
KADOKAWA DREAMSとLIFULL ALT-RHYTHMの対戦。
前者は、このチームには珍しく、エースのKELO以外はすべて女性の出演。ジャズやコンテンポラリーダンスのような振りで、脚を後方に高く上げるパンシェなどの、身体の柔らかさ強調する動きを多用した。ゆったりとポーズをとるシーンが多く、リズムの抑揚はあまり感じられなかった。
後者は、今シーズンでチームとしての活動が終わってしまう予定であったため、これまでにも増して、世界へ、観客へ、ダンスへの大きな愛を込めた。テーブルに横一列に座ってのパーティからダンスが展開し、ロッキンやショーダンスで、ダンサーたち自身が、踊ることを楽しんでいる雰囲気だった。
結果は41.7対58.3でLIFULL ALT-RHYTHMの勝利。作品や技術への評価はKADOKAWA DREAMSのほうが高かったが、今シーズンで活動を終えなければならないLIFULL ALT-RHYTHMへの観客の高い点数が勝ちを決めた。
しかし幸いにも、来シーズンからアンカー・ジャパンがLIFULL ALT-RHYTHMのチームオーナーを引き継ぐことになり、新チーム「Anker XEED(アンカー エクシード)」として再スタートを切ることが、このBLOCK VIBEの最後に発表された。
2nd MATCH
SEGA SAMMY LUXとM&A SOUKEN QUANTSの若手ダンサーチーム同士の対戦。
前者は、ドラマティックなヴォーカルやアフリカンの音楽で、ヒップホップ、ブレイキン、ハウスなどから構成した作品。集団の横移動でフォーメーションを変化させたり、カノンでアクロバットを入れるシーンが、面白かった。ただ、今回も、外の筋肉のダンスである印象は否めない。
アニメーションのチームである後者は、宇宙のイメージ、感覚を、メタリックなカラーの柔らかい布地の衣裳を着て、ヒットやバイブレーションをその布地の揺れでより明確にして表現した。SPダンサー(客演)のベテランGORIKINGの動きのパワーと重み、ストップの巧さが、若い両チームのなかで、ひときわ輝いていた。
結果は、46.8対53.2でM&A SOUKEN QUANTSの勝利。
3rd MATCH
CHANGE RAPTURESとValuence INFINITIESの対戦。
前者は、今シーズン、具体的なイメージを表現する作品が多かったが、今回、二つの大きなU型磁石のセットを置き、磁場で引っ張られたり、散らばったりする様子をヒップホップで表現。ダンスの動きが具体的なイメージになり、楽しめた。
後者は、ドラマティックなラップにのった弾力感のあるヒップホップに始まり、シーンの交換で間髪を入れずに始まる垂直軸の精確なヘッドスピン、そして、床に深く刺さるような踏み方での急速なハウス等々。交代して次々と現れるどのシーンも、名舞踊手たちの素晴らしいダンスだった。
結果は52.2対47.8でCHANGE RAPTURESの勝利。「シンクロ」で9.7対2.8と大きな差をつけられたのが、敗因になった。これだけ優れたダンサーたちが最高のダンスを見せている時、「シンクロ」で全員の動きが合っているかどうかということで評価が決まってしまうのは、とても残念に思う。
4th MATCH
DYM MESSENGERSとFULLCAST RAISERZの対戦。
前者は、武術を基盤とするフリースタイルアクロバットのトリッキングの名手であり、それをコンテンポラリーダンスなどとも融合させたパフォーマンスを行っているRikubouzをSPダンサーに迎え、「ボレロ」をアレンジしたクラシック音楽での、人の腕で作る万華鏡のような興味深いシーンからはじまった。全体に、コンテンポラリーダンスのような柔らかいアイソレーションやフロアワークが多かったが、ハウスのような速いビートの音楽になった時の足の動きの遅い振付が、やや鈍重な印象を与えた。Rikubouzのアクロバットの動きが、何度か照明から外れていたのも、彼の力を充分にアピールできず惜しい。
後者は、やはりクラシック音楽を使い、軽めのヒットの速い動き、シカゴフットワークの超速ステップ、そして、パワーを炸裂させるクランプの大きな動きのソロが、交響曲を壮大な合奏で終わるように、全員での強大なパワーのダンスへと移ってゆく“ダンスシンフォニー”。構成のアイデアも個々のダンスも質が高く、とくにエースのINFINITY TWIGGZのクランプのソロの破壊的な力には、圧倒された。
結果は45.2対54.8でFULLCAST RAISERZの勝利。
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BLOCK HYPEのレギュラーシーズン優勝チームは、ROUND.7まで1位だったDYM MESSENGERSを抜いて、FULLCAST RAISERZとなった。
最優秀ダンサーMVDには、SEGA SAMMY LUXのSHUTOが選ばれた。

DYM MESSENGERSを下し、レギュラーシーズン優勝が決まった瞬間、喜びを爆発させたFULLCAST RAISERZ。最下位に泣いた先シーズンからはい上がっての優勝。このマッチでエースを務めたINFINITY TWIGGZは「元々は自分のために踊っていたダンスを、仲間のために、D.LEAGUEを観てくれるみなさんのために、そして自分の愛するジャンルのために踊るようになった。ダンスのあり方ってここだけじゃない。ダンスのシーンがあって、歴史があって、それぞれ自分のやっているジャンルにカルチャーがある。そんなダンスを好きな奴らが、自分の誇っているものをぶつけ合って戦う。そんなD.LEAGUEが俺は大好きです」と噛み締めるように語った ©D.LEAGUE 25-26

BLOCK VIBEのMVDに輝いたSEGA SAMMY LUXのSHUTO。「僕は今シーズンからLUXに加入して、ROUND.1からエースを任せてもらったもののボロ負けして、自分を見つめ直すきっかけになった。こうしてまた最後にエースを任せてもらい、期待に応えられたことが嬉しい」と澄んだ目で話した ©D.LEAGUE 25-26
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以上をもって、D.LEAGUE 25-26のレギュラーシーズンは終了。来たる2026年5月31日(日)開催の25-26 CHAMPIONSHIPには、BLOCK HYPE・BLOCK VIBEそれぞれの上位3チーム=計6チームが出場して、トーナメント方式で覇を競う。

©D.LEAGUE 25-26