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【動画レポート】劇場は魔法の空間②〜ダンサーが案内する、新国立劇場オペラパレス〈ホワイエ・客席・レストラン編〉

阿部さや子 Sayako ABE

バレエが上演される劇場は、それじたいが魔法のような場所。

大きなエントランス、広い階段。
いつもより少しドレスアップした人々が幕開きを待つホワイエは、まるでお城の広間のよう。
そして扉の向こう側に行けば、夢のような舞台が目の前に広がり、美しい音楽が全身を包みこむ--。

今回は、現在『くるみ割り人形』を上演中の新国立劇場オペラパレスを探訪。
主演ダンサーのみなさんに、

  • 劇場体験そのものを楽しむために知っておきたい注目スポットや驚きの秘密
  • そしてその魔法の空間の“裏側”――ダンサーのみなさんが舞台に出る準備をする楽屋エリアのようす

を案内していただきました。

前回の〈楽屋エリア〉に続いて、今回案内していただくのは〈ホワイエ・客席・レストラン〉
エスコート役は、このおふたりです!

Videographer: Kenji Hirano, Kazuki Yamakura

✨ ✨ ✨

劇場はこんなに楽しく美しい…オペラパレスの注目スポット

★案内役★
木村優里さん(クララ)&渡邊峻郁さん(王子)

バレエを観にいくたびに「なんて素敵な空間だろう……」と感じさせてくれる、新国立劇場オペラパレス。

おなじみのスポットから、意外と知られていない劇場内の“仕掛け”などを、プリンシパルの渡邊峻郁さんとファースト・ソリストの木村優里さんに案内していただきました。

動画あり、写真あり、ふたりのコメントあり……いろいろなお楽しみが詰まったレポートになりました!

1.劇場に着いたらまずここへ! 開演前や幕間のひとときを優雅に過ごせる「ホワイエ」

『くるみ割り人形』上演中の現在はクリスマスツリーが飾られている劇場ホワイエ。
そのキラキラのツリーの前で、作品のことやクリスマスの思い出について語っていただきました。

2.さっそく劇場の中へ! そこには私たちに魔法をかけるためのさまざまな工夫が…

①音を響かせるための秘密

渡邊 新国立劇場には劇場が3つあります。そのなかでいちばん大きな劇場がオペラパレス。『くるみ割り人形』などの全幕バレエはここで上演されます。
木村 この劇場は音響がとても良くて、「劇場全体がまるで楽器みたい」と言われているんです。バレエ公演は基本的にすべてオーケストラの生演奏なのですが、どの席でご覧いただいても音がよく聴こえるように設計されているそうです。
渡邊 この劇場はオペラ・バレエ専用なので、オーケストラピットが常設されています。

こちらがオーケストラピットです

渡邊 オーケストラピットの真上の天井を見ると、少し丸みのある形になっていて、それがオーケストラの音を劇場中にきれいに響かせています。

どれどれ、オーケストラピットの真上の天井は……ほんとだ! 丸くなってる!(そして舞台の奥行がまたすごい)

木村 それから、劇場内の壁にも秘密が。この壁はオーク材でできているのですが、よく見るとここにも丸みがありますし、ギザギザに加工されているのが分かります。

ほんとだ! よく見るとギザギザしてます

木村 これが音をきれいに響かせて、素晴らしい音響効果を生むんですね。

★木村さん渡邊さんにクエスチョン★
「ちなみに、ダンサーたちが踊っている舞台上と、お客様が座っているこの客席内とでは、音の聴こえ方が違いますか?」

ふたりのお答えは動画でどうぞ↓

②舞台がよく見えるようにするための工夫

渡邊 客席のほうにも工夫があって、まずは座席。床が後ろに向かってだんだん高くなっていくように傾斜がついているのはもちろんですが、前後に座ったお客様どうしの頭が重ならないように、椅子も少しずつずらして配置されています。

いわゆる”千鳥配列”ですね!

渡邊 あと、僕も聞いて「なるほど!」と思ったのが、舞台と客席の距離。ステージから1階最後列・2階最前列・3階最前列は、すべてほぼ等距離なのだそうです。だから上の階でも充分よく見えますし、例えば『くるみ割り人形』の雪のシーンや花のワルツなどの群舞は、上階から見るとフォーメーションの変化が本当に美しく見えてとてもおすすめです。

なんと、じつはほぼ等距離だったとは!

木村 客席からの見えやすさのための工夫は、舞台のほうにもあります。私たちが踊ったり演じたりしているとき、照明が上からだけでなく横からも当たっているんですね。それは、舞台上のダンサーやセットなどをより立体的に見せるため。ですからお客様にも、物語世界の一員になったようなリアルさを感じていただけるのでは……と思います。

③ダンサーに優しい“床”のこと

「くるみ割り人形」の舞台装置がセットされてます

渡邊 バレエ・ダンサーにとって舞台の床の状態は非常に大切なもの。ここでは新国立劇場オリジナルの特別仕様のバレエ床が設置されています。
木村 バレエを踊る時は床に「リノリウム」というものを敷くのですが、これは床の状態をどの部分も同じようにして均一化することで、ダンサーが滑りにくいようにしています。そのリノリウムの下には「パレット」というものがさらに敷いてあります。これはベニヤ板の裏にクッションとなるウレタンを貼り付けたもの。これがあるおかげで、私たちは脚の負担がすごく軽くなっています。本当にありがたいです!

これが「パレット」の正体!

パレットの裏側はこうなってます!

3.開演前、幕間、そして終演後…ときめきや感動を盛り上げる美味空間!

木村 オペラパレスのホワイエでは、開場時間と幕間に、公演限定のデザートが提供されているのをご存じでしょうか? いまは『くるみ割り人形』なので、限定デザートは「くるみのタルト」です。

こちらが『くるみ割り人形』限定デザート「くるみのタルト」。タルト生地にくるみとアーモンドのキャラメリゼを敷き詰めてオーブンで焼いたもので、トッピングはココアのクッキー。これはねずみたちに狙われそう?

渡邊 それからオペラパレスを出て、中劇場のほうの階段から2階へ。ここには僕たちも時々イベントなどで訪れるレストラン「マエストロ」があります。公演期間中は演目に合わせたスペシャルメニューが楽しめますし、とても美味しいですよ。それではみなさん、僕と優里さんはこちらで失礼します。また劇場でお会いしましょう!

最後に……レストランでくつろぐ木村さん・渡邊さんのステキな動画をどうぞ✨↓

木村さん、渡邊さん、ありがとうございました!

 

公演情報

新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」

期間 2019年12月14日(土)〜12月22日(日)
会場 新国立劇場オペラパレス
詳細 https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

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