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【動画レポート】1/16-17谷桃子バレエ団「海賊」リハーサル&ダンサーインタビュー

若松 圭子 Keiko WAKAMATSU

Videographer:Kazuki Yamakura

2021年1月16日(土)・17日(日)、谷桃子バレエ団が創立71年目の幕開けとして『海賊』を上演します。

監修はイリーナ・コルパコワ、脚本・演出・振付はエルダー・アリーエフによる新解釈版。2015年に同バレエ団が日本初演。今回は6年ぶりの全幕再演となります。

アリーエフ版『海賊』の特徴は、メドーラと海賊の首領コンラッドのラブストーリーに焦点を絞った物語になっているところ。アリやビルバントは登場せず、一般的なバージョンではアリが踊るパートもコンラッドが踊ります。総督パシャの夢として踊られるのが一般的な“花園“のシーンが、コンラッドが夢の中でメドーラと踊るシーンとして演出されているのも注目のポイントです。

〈バレエチャンネル〉では昨年末に行われた通し稽古を取材。そのもようを動画でお届けします。下記ダンサーたちのコメントと共に、ぜひお楽しみください。

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馳 麻弥(はせ・まや)[メドーラ(1/17)]

エルダー・アリーエフ版の『海賊』は、従来のバージョンと少し異なるストーリーになっています。メドーラとコンラッドの純粋な愛、というテーマの中に、力強さや華やかさもあるという世界感がとても好きです。

役を演じることは、その役の人生を経験すること。メドーラは、ただ華やかで綺麗なだけではなく、芯のある女性です。コンラッドをはじめとするさまざまな人に出会うことで、心豊かに成長していく姿を表現したいですね。

メドーラは素敵な女性なので、きっとこれが初恋ではないと思うんです。それなのにコンラッドと目が合った瞬間、今までにない感情が押し寄せてきて、彼から目が離せなくなってしまう。それはきっと、メドーラにとって初めての経験。「こんな気持ちになるなんて、私、どうしちゃったんだろう」と、パシャに買われてからも、コンラッドからのプレゼントを見つめたまま彼だけを思い続けます。コンラッドも同じ思いだから、再会のシーンでは、愛をまっすぐに伝え合う。……そんな恋愛経験は私自身にはありませんが、メドーラの人生を楽しみながら演じています。

この状況下で舞台に立てること、そしてお客様が数ある舞台の中からこの作品を選び、劇場に足を運んでくださることに、心から感謝しています。『海賊』という作品を通して強いエネルギーをお届けできるよう、全身全霊で演じます。私たちの舞台が、どうか公演を見てくださったお客様の明るい未来や希望につながりますように……。

檜山 和久(ひやま・かずひさ)[コンラッド(1/17)]

2015年の初演でコンラッドを踊ったときはまだソリストで、プリンシパルの三木雄馬さんと今井智也さんに何もかも教えていただきました。今回はプリンシパルとして同じ役を踊らせていただきます。初日にコンラッド役を踊る新国立劇場バレエ団の福岡雄大さんにたくさんの刺激をいただきながらリハーサルをしているところです。

谷桃子バレエ団の『海賊』にはアリが出てこないので、コンラッドが周りの人々を引っ張って物語を進めていきます。今、あらためて役の重みを感じているところです。演技の部分をどれだけ効果的に表現できるかは課題のひとつですし、踊りの面でもヴァリエーションがたくさんあって、体力的にもハード。それでも海賊の統領としての力強さ、荒々しさを出しつつ、“ザ・グランド・バレエ“の美しさもお見せしたいと思って取り組んでいます。市場や洞窟のシーンでは手のひらが開いてしまうくらい勢いよくパワフルに、花園のシーンではポジションの正確さとアームスを意識して……と、踊り方も変えているので、気づいてもらえたら嬉しいですね。また、メドーラとの愛が物語の要になっているので、出会いから最後の大洞窟のシーンへ向かって、少しずつボルテージを上げていくように意識しています。

以前はいくらでもできた練習やリハーサルも、このコロナ禍で思うようにはいかない状況ですが、僕たちダンサーは限られた時間に集中して、内容の濃いリハーサルができています。久しぶりの公演、しかも『海賊』。みんなモチベーションがすごく高いです! 僕たちは海賊として、 “生きる力“をエネルギッシュにお見せしたいと思います。それがみなさんに伝わって、「明日も頑張ろう」と思っていただけたら嬉しいです。

牧村 直紀(まきむら・なおき)[ランケデム(1/16)]

僕たちの『海賊』は、メドーラとコンラッドの愛に焦点を当てた、他にはないバージョンです。メリハリのある展開で、場面の移り変わりもわかりやすい。冒頭の船のシーンのすぐ後が市場の場面なのですが、そこへ大勢の海賊たちがワーッ! と飛び出してくる瞬間は、目の覚めるような鮮烈さです。

僕の演じるランケデムは奴隷商人です。お金に対してストレートに欲を見せる性格には、少し共感できるような気もします(笑)。演じやすい、と簡単に言ってしまいたくはないのですが、男臭いキャラクターなので、あまり構えずに自然な状態で舞台上にいられる役柄だと思っています。

一般的な『海賊』とは違って、この版のランケデムは冒頭にメドーラとギュリナーラをパシャに売るシーンだけで出番が終わってしまいます。それでも、演技はもちろんテクニカルな踊りもこの市場のシーンにぎゅっと詰め込まれているので、見どころは満載です。なかでもメドーラとギュリナーラが踊った後、パシャに彼女たちを幾らで買ってくれるのかと交渉をもちかけるシーンは、演じていても楽しい。もちろん動きは音楽に合わせて決まっているのですが、細かな部分は「ちょっとこうしてみようかな、ああしてみようかな」と、いろいろなパターンを試しながら演じてみているところです。

誰もが同じだと思いますが、僕らも公演ができるかどうかもわからない状況のなかで練習を続けてきました。だからもうすぐ初日を迎えられるということ、そしてお客さんに足を運んでいただけるということを、本当に嬉しく思っています。劇場にいらしたら是非、存分に『海賊』の世界を楽しんでください。

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公演情報

谷桃子バレエ団『海賊』

日程 2021年1月16日(土)17:00
メドーラ:佐藤麻利香 コンラッド:福岡雄大(新国立劇場バレエ団)

2021年1月17日(日)14:00
メドーラ:馳麻弥 コンラッド:檜山和久
オンラインライブ配信あり。詳細はこちら
会場 東京文化会館 大ホール
詳細 https://www.tanimomoko-ballet.or.jp/ticket.html

 

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