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【動画レポート】新国立劇場バレエ団「ロメオとジュリエット」①〜木村優里×井澤駿リハーサル&インタビュー

阿部さや子 Sayako ABE

Videographer: Kenji Hirano

本日(2019年10月19日)開幕した新国立劇場バレエ団『ロメオとジュリエット』
バレエチャンネルでは開幕直前のリハーサルに励むダンサーたちの表情を取材。その動画レポートをメインキャストのインタビューとともに3回連続でお届けします。

まずは10月20日(日)18:30公演と10月26日(土)13:00公演のタイトルロールを踊る木村優里井澤駿のリハーサル&インタビューをお届けします。

Interview 1:Romeo&Juliet

木村優里(ジュリエット)×井澤 駿(ロメオ)

『ロメオとジュリエット』がいよいよ開幕ですね。
井澤 はい。本当にもうすぐですが、細かいところをもっと緻密に考え抜かなくては、と思っているところです。

木村 これは本当に演劇性が問われる作品で、今回指導に来てくださっている先生が「ダンサーがお芝居しているのではなくて、アクターが踊っているように見えなくてはいけない」とおっしゃっていたのが強く心に残っています。それほどまでにお芝居に筋が通っていなくては舞台に上がれない。本当に難しいのですが、だからこそとても素敵な作品で、毎日のリハーサルもとても充実しています。

おふたりの役の解釈について聞かせてください。ジュリエットはどんな女の子で、ロメオはどんな男の子だととらえて演じていますか?
井澤 ロメオは、“恋に恋している少年”。ジュリエットは、強さもあるけれどもやはり幼さがあって、初めて恋をするピュアな姿がとても素敵だなと感じています。

木村 ジュリエットは本当に幼さの残る少女なんですけれども、今回指導していただいて、当初私が考えていたよりもずっと心が強い女の子だと感じています。物語が進むにつれて、ひとりの女性としてどんどん自立していく。そのようすをもっとはっきりと出していかなくてはいけないとご指導いただきました。最初に登場した時のジュリエットは、“ひとりでは何もできない”ような女の子です。それがしだいに本当の自分に目覚めていくというか、どんどん“ひとり”になっていくんですね。そういうところを演じられたらいいなと思います。
ロメオは、井澤さんがおっしゃった通り、ロマンティックな恋というのものに恋しているような感じです。それに対して女性であるジュリエットは、もう少し現実的なところがあります。恋愛に対する男女の心の違いも表現していけたらと思っているところです。

とくに大切に演じたい場面はありますか?
井澤 やはり、ロメオとジュリエットが出会ってからのパ・ド・ドゥ、そしてバルコニーの場にかけての恋の盛り上がりがとても細やかに作られているので、そこは大切に演じたいと思っています。

木村 私も同じです。最初はこれが恋だともわからなくて、ただ興味があるくらいの本当に小さなつぼみだったのが、どんどん大きく花開いていく。その過程というのが本当に大事だと教わりましたので、そこを大切に演じていきたいと思います。

『ロメオとジュリエット』は音楽も素晴らしくてファンが多い作品ですが、全編のなかでもとくに好きな曲はありますか?
井澤 僕はバルコニー・パ・ド・ドゥの音楽がすごく好きです。音楽のすべてに意味があるというか、振付と音楽が本当にひとつになっている踊りなので、絶対にこの音でこの動きをしなくてはいけない、音と動きを絶対にずらしてはいけないというルールがあるんですね。そのくらい緻密に作られているので、それを決して崩さないように踊るのはとても難しいのですが、ぴたりと合った時には本当に気持ちが良くて、僕は大好きです。

木村 好きな音楽は本当に「全部」といいたいのですが、強いて挙げるなら第3幕でジュリエットがひとりで寝室のベッドに座っているところから、神父様に会いにいくところまでの曲です。ジュリエットの細かい感情の移り変わりがすべて音楽で表現されていて、聴いていても演じていても心にすごく伝わってくるものがあります。

公演情報

新国立劇場バレエ団『ロメオとジュリエット』

期間: 2019年10月19日(土)〜10月27日(日)
会場: 新国立劇場オペラパレス
詳細: 新国立劇場バレエ団『ロメオとジュリエット』特設サイト

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