2023年3月2日(木)、パリ・オペラ座ガルニエ宮における同バレエ団公演〈ジョージ・バランシン〉にて『バレエ・インペリアル』に主演したオニール八菜とマルク・モローが、終演後にエトワールに任命された。二人はパリ・オペラ座バレエの新芸術監督ジョゼ・マルティネスの推薦により、総裁のアレクサンダー・ネーフによって舞台上で任命され、バレエ団と観客から祝福を受けた。
2022年12月に着任したマルティネス芸術監督にとって、今回が初めてのエトワール任命。またオニール八菜は日本人で初めて、世界最古の歴史を誇るバレエの殿堂パリ・オペラ座バレエの最高位であるエトワールに就任したことになる。
このたびのエトワール昇進について、オニール八菜から届いたコメントは以下の通り。
「あまりにも突然でまったく想像していなかったので、アレキサンダー・ネーフが私の名前を呼んだ瞬間とってもびっくりしてしまいました。そしてまだエトワールになったという実感がありません。でもこれからは、もっともっと舞台で自由にいろいろな役を表現するのが楽しみです」
オニール八菜 ©️Mary Brown
なお2023年7月には、新エトワールのオニール八菜とマルク・モローを含むパリ・オペラ座バレエのダンサーたちによる「〈オペラ座ガラ〉─ヌレエフに捧ぐ─」公演が東京で開催される。
ルドルフ・ヌレエフ没後30年を記念して、“ヌレエフ世代”のひとりである元エトワールのフロランス・クレールの指導のもと、エトワール6名を含む総勢14名のダンサーがヌレエフゆかりのレパートリーを披露するという。
- 【オニール八菜 プロフィール】
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東京生まれ。岸辺バレエスタジオで3歳からバレエを始める。
2008年、オーストラリア・バレエ学校に入学。2009年にローザンヌ国際バレエコンクール1位、2010年にはユース・アメリカ・グランプリのニューヨーク・ファイナルで1位。2011年にオーストラリア・バレエ学校を首席で卒業し、パリ・オペラ座バレエ団とカドリーユとしてシーズン契約、2013年に正団員となり、2014年にコリフェ、2015年にスジェ、2016年にプルミエール・ダンスーズ、2023年3月2日、〈ジョージ・バランシン〉公演『バレエ・インペリアル』のあとで舞台上にてエトワールに任命された。
主なレパートリーに、ラコット『パキータ』のタイトルロール、グラン・パ、『ラ・シルフィード』のシルフィード、エフィー、ジョゼ・マルティネス『天井桟敷の人々』、ヌレエフ版『白鳥の湖』のオデット、オディール、『ラ・バヤデール』のガムザッティ、『ライモンダ』のクレメンス、プティ『カルメン』のタイトルロール、プレルジョカージュ『ル・バルク』、バレエ団初演にはバランシン『真夏の夜の夢』のタイターニア、ラコット『赤と黒』レナール夫人(2021、世界初演)、マクミラン『うたかたの恋』(2022)のマリーなどがある。
2014年、ヴァルナ国際バレエコンクール銀賞受賞。2016年、AROP(パリ・オペラ座振興会)賞を受賞。同年、ブノワ賞を受賞した。
2021年には東京において第16回〈世界バレエフェスティバル〉に初出演を果たした。
第16回 世界バレエフェスティバル(2021年)より ©️Kiyonori Hasegawa
公演情報
ルドルフ・ヌレエフ没後30年記念〈オペラ座ガラ〉─ヌレエフに捧ぐ─
●プログラムA
2023年
7月26日(水)19:00
7月27日(木)19:00
●プログラムB
2023年
7月29日(土)13:30
7月29日(土)18:00
7月30日(日)14:00
●会場
東京文化会館(上野)
●予定されている出演者
〈エトワール〉
マチアス・エイマン
ジェルマン・ルーヴェ
ポール・マルク
マルク・モロー
オニール八菜
パク・セウン
他、プルミエ・ダンスール、スジェ8名総勢14名
●詳細
NBS公式サイト