動画撮影・編集:バレエチャンネル編集部
英国バレエの二大巨匠振付家、フレデリック・アシュトンとケネス・マクミラン。両氏の代表作はもちろん、知られざる名作に至るまでレパートリーに取り入れ、日本のバレエファンに次々と紹介しているのが小林紀子バレエ・シアターです。
同バレエ団は2023年で創立50周年。その節目を祝う「創立50周年記念シリーズ」の第一弾公演「アシュトン・マクミランプログラム」が2022年9月3・4日に上演されます。
演目はアシュトン振付『レ・パティヌール』と、マクミラン振付『ザ・フォーシーズンズ』(日本初演)。
8月下旬、東京・目白のバレエ団スタジオで行われていたリハーサルのもようを、動画でお届けします。
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『レ・パティヌール』(振付:フレデリック・アシュトン)
『レ・パティヌール』は、スケート場に集う人々をスケッチしたバレエ。カップルのロマンティックなパ・ド・ドゥやテクニカルなソロなどさまざまなダンスが繰り広げられ、登場人物たちそれぞれの小さな物語がキュッと詰まったような、愛らしくて洒落た作品です。
メインキャストは八幡顕光(ブルーボーイ)、真野琴絵・濱口千歩(ブルーガール)、島添亮子・望月一真(ホワイトカップル)といったトップダンサーたち。
エレガントな音楽に乗り、舞台袖からスイッ、スイッと滑るように連なって出てくるダンサーたち。足元はスケート靴……ではもちろんありません! それでもまるで氷の上を滑っているかのように、足を左右にスライドさせながら舞台を移動して見せるステップはこの作品の見どころのひとつ。ブルーボーイを踊る八幡顕光の、スケートのスピンさながらの高速回転やコミカルな芝居、ブルーガール役の真野琴絵と濱口千歩の細かなフットワーク、ホワイトカップルを演じる島添亮子と望月一真の優美なデュエットも目を惹きます。
振付指導はアントニー・ダウスン氏。アシュトン作品の特徴のひとつでもある細かな足さばきについて、「足だけに意識を集中しないで上半身を意識するように。身体全体を使うことで初めて足技の技術が保てます」とアドバイスをしていました。
『ザ・フォーシーズンズ』(振付:ケネス・マクミラン)
今回が日本初演となる本作は、マクミランが英国ロイヤル・バレエの芸術監督だった時代に振付けたバレエ。ジュゼッペ・ヴェルディ作曲のグランドオペラ『シチリアの晩鐘』のバレエシーンに使われる「四季」の音楽を用いて、四季折々の風景を描いた作品です。
日本では、「四季」と聞けば「春夏秋冬」とイメージしますが、『ザ・フォーシーズンズ』は冬から始まります。この日は「Winter」(大森結城、中村悠里、冨川直樹ほか)、「Autumn」(島添亮子、望月一真、八幡顕光)のリハーサルが行われました。
少しずつ暖かな春に向かう喜びをあらわす「冬」、避暑から戻った人々の再会や収穫を祝う「秋」。一つひとつに具体的なストーリーはなくとも、マクミランらしいドラマ性にあふれた作品です。「Autumn」は、プリンシパルの島添亮子と望月一真によるしっとりとしたパ・ド・ドゥ。リフトの大技や正確なテクニックの中に、島添の百合の花のような色香が漂う、美しいデュエットです。
【公演情報】
小林紀子バレエ・シアター アシュトン・マクミランプログラム
『レ・パティヌール』(振付:フレデリック・アシュトン)
『ザ・フォーシーズンズ』(振付:ケネス・マクミラン)
撮影:上野能孝
撮影:上野能孝
◎公演日程
2022年9月3日(土)15:30
2022年9月4日(日)15:30
※開場時間 14:45
◎会場
新国立劇場 中劇場
◎詳細
http://www.nkbt-tokyo.com/perform.html
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