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【写真&動画レポ】ボリショイ・バレエ プリンシパルによるバレエ講習会&トークショー〜O.スミルノワ&S.チュージン

阿部さや子 Sayako ABE

Photos:Shoko Matsuhashi

「私たちがこれまで素晴らしい先生方から教わってきたこと、美しい作品や役の数々から学んできたことを、日本の子どもたちに伝えたい」――

ボリショイ・バレエのトップ・プリンシパル、オルガ・スミルノワセミョーン・チュージン。世界の舞台で踊るスターダンサーたちのこの言葉から、2019年3月10日(日)、東京・新宿村スタジオで、本当に夢のようなバレエ講習会&トークショーが実現しました。

朝10時30分から夕方6時まで、まる1日かけて行われたイベントの内容は下記の通り。

(A)スミルノワ&チュージンによる公開デモンストレーション

(B)スミルノワによるクラシックバレエ・クラス(ワガノワ・メソッド)

(C)チュージンによるクラシックバレエ・クラス(ボリショイ・メソッド)

(D)スミルノワ&チュージン トークショー ~いま、子どもたちに伝えたいこと~

夢の1日はまず、(A)公開デモンストレーションから始まりました。

 

スミルノワ&チュージンによる公開デモンストレーション

スミルノワ&チュージンがいつも行なっている通りのウォーミングアップとバー・レッスンを見せてくれる、というもの。長くて細くてしなやかな腕や脚が、正確無比なポジションを通りながら、柔らかく滑らかに空気を撫でていきます。

今回のデモンストレーションや講習会はすべてピアノの生演奏付きで行われました。弾いてくださったのはウィーン国立バレエ専属ピアニスト、滝澤志野さん。

そして身体が温まったところで、なんとふたりがパ・ド・ドゥのデモンストレーションを見せてくれることに!

「今日集まってくださったみなさんのためだけに練習をしてきました」とスミルノワ。踊ってくれたのは『ジュエルズ』より「ダイアモンド」でした。

文字通り目をキラキラ輝かせて見つめていた子どもたち。

自分たちが学んでいる“バレエ”というものの美しさや素敵さ、豊かさが全て詰まったようなふたりの踊りを目と心に焼き付けて、続いてはスミルノワとチュージン、それぞれが指導を行う2つの講習会に臨みました。

オルガ・スミルノワによるクラシックバレエ・クラス

(B)オルガ・スミルノワによるクラシックバレエ・クラスは、〈ワガノワ・メソッド〉に基づいたレッスンでした。ロシアの名門ワガノワ・バレエ・アカデミーを首席で卒業したスミルノワ。

「私を育ててくださったリュドミラ・コワリョーワ先生から教わったことを、忠実にみなさんにお伝えします」

アンシェヌマンを示すために見せてくれるお手本の美しさ……子どもたちはこれを間近で見ながら、心と体のすべてをスポンジのようにして、バレエで大切なことをぐんぐん吸収してくれていたように見えました!

レッスンの最後はポール・ド・ブラ。白鳥の動きを取り入れた振付になっているのは「コワリョーワ先生が考案した特別なエクササイズなんですよ」(スミルノワ)。

セミョーン・チュージンによるクラシックバレエ・クラス

続いて(C)セミョーン・チュージンによるクラシックバレエ・クラス

ロシアでバレエ教師の国家資格を取得しているチュージン。
子どもたちに与える一つひとつのアンシェヌマンが明確で、その動きで何を学ばせたいのか、あるいはその動きをすることで何が学べるのかが目に見えるようで、本当に素晴らしい指導でした。

アンシェヌマンを与えたあとは絶えずフロアの中を動きまわり、長身の体を床に投げ出して子どもたちの膝下やつま先の使い方を直したり、一人ひとりに触れながら何度でも正しい姿勢に導いてあげたりしていたチュージン。

自分が学んできたこと、身につけてきたことのすべてを、これからの子どもたちに惜しみなく伝え、与えようとする熱意、情熱。
バレエとはこうして受け継がれていく芸術なのだと、あらためて目の当たりにしたような気がしました。

★(D)トークショーのもようは、【レポート】オルガ・スミルノワ & セミョーン・チュージン 〜 子どもたちに、いま伝えたいこと 〜 1に続きます

 

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