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【Hearts for Artists】加治屋百合子さん、令和2年度(第71回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞!(ご本人からのメッセージあり)

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2021年3月3日、令和2年度(第71回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞が発表されました。
この賞は、文化庁が昭和25年から毎年度、芸術各分野において優れた業績を挙げた人、または新生面を開いた人に対して贈っているもの。
今回発表された受賞者のうち、バレエ・ダンス関係では、Noism副芸術監督の井関佐和子さんとヒューストン・バレエ プリンシパルの加治屋百合子さんが舞踊部門の「文部科学大臣賞」を受賞。
また評論等部門の「新人賞」に、「帝室劇場とバレエ・リュス」を著した神戸市外国語大学客員研究員の平野恵美子さんが選出されました。

加治屋百合子さんは昨年、コロナ禍の影響を受けている日本のアーティストたちへの支援プロジェクト〈Hearts for Artists〉を起ち上げ、2020年5月〜8月にかけて合計27回のオンライン・イベントを開催。その参加料・受講料を全額寄付する活動を行いました。

文化庁の発表によると、今回の加治屋さんの受賞理由は以下の通り:

ヒューストン・バレエ・プリンシパルとして国際的に活躍。令和2年は日本バレエ協会公演『海賊』に主演し、磨き抜かれた高い技術と深い洞察力、華やかな存在感をもって圧倒的な舞台を見せた。またウェブ発信を通して、コロナ禍で苦境にある日本人アーティストの支援活動を実行、賛同者は世界的に拡大している。海外を拠点に研鑽(けんさん)を積み続け、様々な形で日本バレエ界に貢献する加治屋百合子氏の活動は社会的影響力も大きく、高く評価されるものである。

上記の通り、今回の受賞にあたり評価された活動のひとつとして〈Hearts for Artists〉が挙げられていることから、加治屋百合子さんよりバレエファンのみなさんと同プロジェクトに参加してくださったみなさんにメッセージをいただきました。
以下にお届けいたしますので、ぜひご覧ください。

加治屋百合子さん

【いつも応援してくださっているみなさまへ】

海外で踊っている私にこのような賞を授与していただき、とても光栄です。

この度の受賞理由として、日本バレエ協会公演『海賊』への主演、そして〈Hearts for Artists〉の活動も併せて評価していただけたことを、本当に嬉しく思っています。

まず、日本バレエ協会「海賊」では、10年ぶりに日本で全幕を踊ることができました。それだけでなく、私にとっては初めてのメドーラ役であり、初めて日本の団体と全幕でご一緒できた機会でもあり、初めて日本人ダンサーとパートナーを組んで踊る経験もできた舞台でもあります。こんなにも素敵な思い出が詰まった舞台を、このような名誉ある賞で評価していただいて、この『海賊』は私にとって一層忘れられない格別な公演となりました。
私に声を掛けくださった日本バレエ協会様、共演したダンサーのみなさん、そして公演に関わったすべての関係者の皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。

またコロナ禍で生まれたプロジェクト〈Hearts for Artists〉は、このパンデミックの影響を受けている日本のアーティストたちのために、自分にも何かできないか……という思いから立ち上げました。
しかし私ひとりの力はあまりにも微々たるものであり、バレエチャンネルの阿部さんや編集部のみなさん、そして賛同していただいたサポーターのみなさんと、参加してくださったたくさんの方々のおかげで成り立ったものです。
恐縮ながら私が賞を頂戴しましたが、この賞は応援してくださったみなさんと一緒にいただいたものだと思っています。

私にとって、今年はプロのバレリーナとして20年という節目の年です。いただいた賞に相応しい存在でいられるように、日々精進して参ります。

2021年3月5日
加治屋百合子

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