少し前までは想像もしなかったようなことが、いま、私たちの暮らしを覆っています。
新型コロナウィルスの世界的流行ーーバレエ・ダンス界にももちろん甚大な影響があり、公演やイベントの中止が相次ぎ、各国では劇場も次々と閉鎖。ダンサーたちも稽古場に集まって日々のレッスンやリハーサルができず、バレエ学校や教室も当面のあいだ休校、などの状況が起こっています。
そのようななか、日本を含めて世界中のダンサーたちが、自らのSNSなどを通じて自宅でできるレッスンやエクササイズを次々と発信!
「さすがプロ!」としかいいようのない充実した内容と美しいお手本で、日々世界中のファンを励ましています。
タイムラインに流れてくるそれらをただ眺めているだけでも楽しいし、一緒に身体を動かしても楽しい。
そしてバレエやダンスの世界はひとつなのだという心強さも感じさせてくれます。
すでに数えきれないほどのダンサーたちがそれぞれ個性あふれる発信をしていて、その数は増えるいっぽうですが(嬉しい!)、私たちはその中でもいち早く発信を始めたダンサーたちにコンタクトをとり、コメントをいただきました。
そのみなさんのSNS発信の内容と、ご本人たちが送ってくださったメッセージを紹介いたします。
※下記の掲載順はコメントを寄せてくださった順番です
※他にもまだいろいろなダンサーにコンタクト中です。コメントが届いた順に随時掲載していく予定です
1. 芝本 梨花子 Rikako Shibamoto(ウィーン国立バレエ ハーフソリスト)
ツイッターにて自宅でできるバレエのエクササイズを日々発信。セラバンドの上でのポワント・エクササイズなど、「なるほど!」という工夫もたっぷりです。バレリーナらしい美しいラインの持ち主である芝本さんのお手本は、見ているだけでハッピーな気持ちに。
●Twitter:@Rikako69041407
●Instagram:@rikako.shibamoto
【芝本梨花子さんからのメッセージ】
今ほとんど世界中のバレエ団がそうであるように、ウィーン国立バレエ団でもリハーサルが3/12から休止、公演は4/2までキャンセルされています。ダンサーは身体が資本なので、健康はもちろんのこと、自宅待機を余儀なくされることは本当に大変なことです。
日々刻々と変わる状況下の中、私がダンサーとしてできることは何か考え、今回このような発信をする経緯にいたりました。少しでもみなさんに楽しんでいただき、ダンサーの方々のモチベーションになればと思っています。
2. 石井 久美子 Kumiko Ishii(マリインスキー・バレエ)
日本人として初めてマリインスキー・バレエの正団員となった石井さんは、バレエファンの間ですでに大人気のYouTubeチャンネルを運営中。コロナの影響でマリインスキー劇場が閉鎖・公演キャンセルとなって以降はインスタライブでフォロワーに呼びかけ、YouTubeのオンライン・レッスンを開始。”ストレッチとレッスン”という配信内容もフォロワーと話し合って決めるという、とてもユニークな企画を実施しています。
※この配信は3/20に予定されていましたが、急遽帰国が決まり4/3(予定)に延期となっています
●YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-LDo-K0bca_G1jl5yk5sFA/featured
●Twitter:@kumikoshka0907
●Instagram:@kumiiishiii
●Instagram:@kumikoishii_youtube
【石井久美子さんからのメッセージ】
将来日本で自分のスタジオを開いて、マリインスキーに行けるダンサーを育てることが、絶対に叶えたい私の夢です。知識もたくさんあり、やり方をしっかり説明でき、実際に正しい使い方を見せながら教えることが私にはできます。
……ということを今のうちにバレエ界の方々に知ってもらいたい、将来の自分のためにと、そう思って発信を始めました。
いまは細くてしなる強い綺麗な脚作りに関して、少しずつ情報を発信しています。そしてダイナミックで綺麗なラインを出す為の上体の使い方などをこれから発信していく予定です。まだ世間にはあまり知られていない情報、バレエ基礎において大切な情報を発信しています。
3. 大谷 遥陽 Haruhi Otani(スペイン国立ダンスカンパニー ソリスト)
ツイッターやインスタグラムで、自身が普段取り入れているピラティスやジャイロキネシス、自宅でできる超シンプルなバレエのエクササイズを発信中。動画に添えられた説明文もとてもわかりやすく、あっという間に大人気に! 鍛え上げられた身体も見事で、シェアがどんどん広がっています。
●Twitter:@HaruhiOtani
●Instragram:@haruhi0309
【大谷遥陽さんからのメッセージ】
外出禁止。そんな人生で経験するかしないかということが起こっている今、どのように、この狭い空間で時間を使うか。15日間外出禁止と言われてすでに1週間が経ちました。まだまだ感染者は増えており、終わりが見えません。この家から出られない生活は2か月以上続いてもおかしくはないと、正直最初の頃から薄々感じていました。結果どうなるかは分かりませんが、、、この生活が終わるのを待つのはきりが無い。時間はたくさんある。それで、この時間を使って自分が今まで経験してきたことを活かし、プロを目指している方、ヨーロッパで私と同じように実質隔離生活になってしまっている方、もちろんバレエを愛している方々に、何か私が役立てることがあるなら役立ちたいと思ったのが、この動画配信を始めたきっかけです。
練習する場所がないから、練習できないと言う暇があれば、頭をつかって家具を動かし場所をつくり、エクササイズをする角度を変えたら練習できるかもしれない。床が滑ってもその床で自分のできることを考えて、やってみる。言い訳をしない、物は考えようでポジティブになる。スペインのような明るい国で働いていて、物は考えようでポジティブにもネガティブにもなる、そう学びました。だからこそいま私が楽しくできることは何かと考えました。結果、応援してくださっている方がたくさんいるからこそ、いまSNSを通じて、私の知識をシェアしたい。これが誰かの上達するヒント、モチベーションになるならとても嬉しいなと。同時に私が私にモチベーションを与えることができるいいきっかけになると思い、配信し始めました。
4. 西山 裕子 Yuko Nishiyama(元新国立劇場バレエ団 ファースト・ソリスト)
WEB会議ツール「Zoom」を使ってジャイロキネシスのオンライン・クラスを開始。また「バレエの先生を元気にしよう!!」「バレエ親子応援企画!」などの”お話会”も開催し、好評を博しています。今後はパーソナル・レッスンなども実施予定とのこと。
●Twitter:@nishiyama_yuko
●Instagram:@yuko_nishiyama_ballet
●オンライン講座お知らせ用LINE:lin.ee/ywt1sZd
【西山裕子さんからのメッセージ】
こんな風な状態になったからこそ、
自分自身を改めて見つめ、自分の志を改めて感じ、
より元気に、明るく、力強く、人生を歩んで行ける、より良い充電期間。
今が、そんな素敵な時期になるよう、私自身も、過ごしていきたいと思っていますし、
みんなで、そんな風に、優しく明るいエネルギーを、広げていけたらと思っています。
5. 久保田 小百合 Sayuri Kubota(スターダンサーズ・バレエ団)
セミオーダーレオタードブランド「stina」のディレクターとしても大人気の久保田さんは、《おうちで一緒にレッスンしましょ♫》をコンセプトにバレエやピラティスをインスタライブで配信。バレエは同じくスターダンサーズ・バレエ団の佐藤万里絵さん(@mariesato)と、ピラティスはトレーナーのAkaneさん(@akanepilates)と共同で実施しています。
●Instagram:@sayurikubota
【久保田小百合さんからのメッセージ】
いつも応援してくださっている、お客様やフォロワーの皆様のために少しでも役に立てたらと思いました。状況を悲観するのではなく、いまだからこそできる新しいこともたくさんあると思います。
6.マリア・コチェトコワ Maria Kochetkova
バレエ界のファッションアイコン、 マリア・コチェトコワ! スタイリッシュな投稿が並ぶ自身のインスタグラムで、自宅でできるエクササイズのアイディアをシェアし始めています。今回ご本人に連絡を取ったところ、「私の発信が日本のみなさんに役立つならぜひ掲載してください!」とお返事が。眺めているだけでも楽しいアカウントです。
●Instagram:@balletrusse
★今後も随時、世界のダンサーたちの発信&メッセージをお届けする予定です。お楽しみに!