2020年1月29日(水)より上演されるK-BALLET COMPANY『白鳥の湖』。
開幕を1週間後に控えた1月22日(水)、数名のメディア関係者を招いての公開リハーサルが行われた。
同カンパニーは初めての試みとして、この日のリハーサルをインスタライブでも配信。
その緊張感も相まってか、広いスタジオがいつもより少し狭く感じるほどの熱量でダンサーたちが躍動。
観ているこちらの鼓動が跳ねるようなドラマ性と迫力を、動画(ページ上)と写真でぜひご覧ください!
動画編集・写真撮影:バレエチャンネル編集部
***
公開されたのは第3幕の通し稽古。
主役のオディールは矢内千夏、ジークフリードは高橋裕哉。そしてロットバルト役に宮尾俊太郎、ベンノ役に関野海斗という配役。
その跳躍、その回転がスカッと空を切り裂くような関野海斗(ベンノ)の踊りで第3幕がスタート
客人の到着を知らせるファンファーレが高らかに鳴り響き、静々と6人の花嫁候補たちが登場。姫君たちのふわりと柔らかくて優美な踊りは第3幕の楽しみのひとつ
王妃の美しい横顔
「さあ、この姫君たちの中から結婚相手を選ぶのです」
美しい姫君たちも、オデットに心を奪われているジークフリードの目には入らない……その場に満ちた気まずい空気を取りなすかのように、キャラクターダンスが次々と登場。タンバリンを打ち鳴らし、力強く床を踏み締め、足を打ち付け、誇り高くポーズを決める……それぞれのドラマを感じさせる怒涛のダンスが、畳み掛けるように押し寄せる!
機敏で弾性に富んだ4人のダンサーが物凄いスピードで躍動するナポリの踊り!
ずっしりと重厚に始まり、しだいに吹き飛ばされそうな勢いへと高まっていくチャルダッシュ!
中盤の粘るような動きが魅惑的なマズルカ。チャルダッシュもナポリもマズルカも、熊川版は衣裳も素敵なのでぜひ注目を
そして……大きなマントを纏った男がスペインの踊りを従えて登場。
彼はもちろん、貴族になりすましたロットバルト。マントをぶわりと翻すと、そこにはオデットそっくりの娘オディールが!
ここで始まるスペインの踊り。物語の緊張感が一気に高まる
今回が3回目のオデット/オディールだという矢内千夏。
「初めて踊った時は真っ白で、心配事や不安を考えることもなかったのですが、回を重ねるごとに”前回よりもひとつでも良くしたい”という欲が出てきて……そのぶんプレッシャーは大きくなっています。でも経験したからこその感情だったり音楽の取り方だったりというものがあるので、それを前面に出していけたらいいなと思っています」。
驚いたのはその演技的なダンスの音楽性。リハーサル・ピアノが奏でる音符の一つひとつと、腕や脚やつま先で時に弄ぶかのように戯れて見せるさまに目を奪われた。
矢内と高橋裕哉がパートナーを組んでの『白鳥の湖』は今回が初めて。
「高橋さんはすごくピュアで、爽やかさや若々しい雰囲気をもともと持っているダンサー。オデット/オディールとジークフリードとしてのコミュニケーションはとても取りやすく、どんどんいける感じがします。でもその感覚に慣れてしまわないよう、本番の舞台でも(その場で生まれる)コミュニケーションを丁寧に作っていきたい」(矢内)
長身の宮尾俊太郎が演じるロットバルトがブワッとマントを翻すと、実際にかなり強い風が巻き起こって大迫力だった
公演情報
K-BALLET COMPANY Winter 2020「白鳥の湖」