11月11日は、一般社団法人日本ジュエリー協会が定めた「ジュエリーの日」。
今回は、「バレエにまつわるジュエリー」を作っている日本のデザイナーの作品をピックアップ。
各ブランドを主宰する作家のみなさんに、作品のこだわりポイントや背景を聞きました。
クリスマスの足音が近づいてきた11月、自分へのご褒美として、または大切な人へのプレゼントとして「バレエなジュエリー」はいかがですか？
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1. mika jewellery（ミカ・ジュエリー）
クォーツ、ローズクォーツ、ブルートパーズを、職人の手でカービングして掘り出した白鳥に心ときめくリング。
スワン・リングは、デザイナーのミカさんが15年間過ごしたロンドンでの思い出をジュエリーに落とし込んだそう。
「当時、日課にしていたハイド・パークの散歩。キラキラ輝く水面に白鳥が憩う光景をぼーっと眺めながら歩くのは、とてもリラックスした幸せな時間でした。その時に感じた心の底からの充足感と多幸感を着用する人にももたらしたい」
スワン・リングで特筆すべきは、天然石を一つひとつカービングし、自らがデザインしたオリジナルの形状にしていること。
「職人と二人三脚で、理想の白鳥の形になるようカービングの試作を繰り返しました。ひとつのアイテムを開発するために、職人と地道なやりとりを続け、毎回かなりの時間をかけます。プロットに数ヵ月かかるのは当たり前のことで、このスワンも自分が納得するまでたくさんの時間を要しました」
はじめは白鳥をイメージするホワイトクリスタルのみを製作。そのあとに、ミカさんの好きなピンクとブルーを加え、カラーバリエーションが生まれたとのこと。
舞台が好きでロンドンの美術大学に進学し、映画のセットやコスチューム、美術の勉強をしたというミカさん。ジュエリーは独学で学んで、趣味としてジュエリーの製作を始めたそう。当時を振り返って「天然石やジュエリーのことを勉強するのはまったく苦にならなかったし、向いていると思った」と語ります。スワン・リングは、そんなミカさんの世界観がほとばしるリングです。
★商品詳細・お問合せはコチラ
オフィシャルサイト：https://mikajewellery.net/
Instagram：https://instagram.com/mikajewellery_japan?igshid=NzZlODBkYWE4Ng==
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2. phenomena collection（フェノメナ・コレクション）
愛知を拠点に、長崎圭作・辻冬華のユニットが手がけるphenomena collection（フェノメナ・コレクション）。ミニマルでスタイリッシュな作品の数々は、これまでのジュエリーの常識を変えるものばかり。そんな二人がブランドを立ち上げたきっかけは、シルヴィ・ギエムが踊る『ラシーヌ・キュービック』（モーリス・ベジャール振付）を観たことだといいます。
「古典的なバレエの概念を覆していると衝撃を受けたんです。バレエのスタイルに捉われず、超越した“何か”がここにある、と。四角い枠の中で踊っているけれど、表現としてはとても自由だと感じた。それとは逆に、窮屈なオブジェの中で踊ることを拘束されていると感じる人もいるかもしれない。どう感じるかは受け手側が判断すればいいことで、そこが面白いと思ったんです。私たちも作品を作るなら、この体験をそのままジュエリーに宿したいと考えた。指輪といえば丸という固定概念に縛られるのではなく、新しい指輪を創造したいと思いました」（辻さん）
そんな二人が作った最初のリングは、『ラシーヌ・キュービック』で使用されていた立方体のオブジェを、そのままリングサイズに小さくしたもの。彼らはこの作品のサブタイトルに問いを投げています。「あなたは枠の中？それとも自由？」
指輪は、指にフィットするものと、それよりも大きいサイズの2タイプ。「大きいリングは、より立体的になって空間も広がります。『ラシーヌ・キュービック』で、ギエムがオブジェの頂点の一つを床にして傾けた、有名なワンシーンを想起させるデザインにしたかったんです。大きいリングは、ちょうどギエムの位置に指がはまるようなデザインになってるんですよ」と長崎さん。
小さいリングは、付け心地も重視。立方体の一辺をあえて外すことで、指を曲げる時に第二関節に地金が当たらないよう工夫されています。リングの各所に作家のパッションが散りばめられた一点です。
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オフィシャルサイト：https://phenomenacollection.jp/phenomenacollection.html
Instagram：https://instagram.com/phenomena_collection?igshid=NzZlODBkYWE4Ng==
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3. PRIMA PORTA（プリマポルタ）
結婚指輪・婚約指輪を制作する、日本のジュエリーブランド。
創設者の角谷さんがブランドを作るにあたって視察した、ヴェネツィアの街並みやコンサートホールに感銘を受けて、デザインのヒントにしたとのこと。その旅の途中でバレエを習っている女の子と出会い、彼女が踊る姿から「プリエ」「チュチュ」「ピルエット」といった、バレエにちなんだシリーズを命名したといいます。
シリーズのひとつ、「プリエ」は、レッスンが始まる時の凜としたダンサーの立ち姿をイメージしたそう。“永遠や長寿”の意味を持つアンティーク調のミル打ち（＊1）がほどこされたリングで、結婚指輪、婚約指輪、セットリングの3種類で展開しています。
「デザインごとに最適な”厚み”と”丸み”を実現することで、指通りを滑らかにした」と語る職人の腕により、極力、指に当たる面積を少なくした内甲丸（＊2）がこだわりポイント。しっかり指にフィットしながらも、着けていることを忘れるくらいの心地良さだといいます。日常生活の中で着ける時間が長い結婚指輪だからこそ、着け心地を最優先にデザインするのは、ブライダルブランドならでは。
また、ダイヤモンドと地金をそれぞれの素材として分けて考えるのではなく、「ふたつでひとつ」の一体感を追求。0.1mm単位の調整を繰り返し、幾度にも渡り原型を作り直したといいます。「正解がない世界で、最後は感覚に頼るしかない。いちばん苦労したのは、納得できるまで何度も原型を作り続けたことでした」
PRIMA PORTAは、一つひとつが職人による手作業で仕立てたもので、原型の作成から磨きといわれる仕上げの工程まで、一ヵ所で完結できる工房で作っているのも特徴のひとつ。日本の匠の技が光るジュエリーです。
＊1：正式には「ミルグレイン」と呼ばれ、地金に小さな丸い粒を連続して打刻していく装飾技法のこと。「子宝」「長寿」「永遠」の象徴とされ、ヨーロッパでは古くから結婚指輪や婚約指輪で用いられてきました。
＊2：指輪の内側の角をとり、カーブをつけることを内甲丸といいます。
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オフィシャルサイト：https://www.prima-porta.jp/
Instagram：https://instagram.com/prima_porta_bridal?igshid=NzZlODBkYWE4Ng==
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4. somarie（ソウマリエ）
作家自身が幼少期からバレエを習っていた経験をもつ「somarie（ソウマリエ）」。バレエシリーズと称したアイテムの中には、「ジュリエット」「ジゼル」「キトリ」「瀕死の白鳥」などバレエのヒロインをかたどったモティーフのネックレスが並びます。その中から今回、ピックアップするのは、「グラン・パ・クラシック」のネックレス。こちらは2021年に開催された第16回世界バレエフェスティバルで、菅井円加が踊る『グラン・パ・クラシック』からインスパイアを受けて制作したとのこと。「その時に着ていた衣裳のディティールにもこだわり、キラキラ輝くスパンコールを小さい粒で表現しました。また、躍動感あふれる菅井さんの踊りを形にするため、あえて不揃いのパールを使用。ロングネックレスが単調にならないよう、リズム感を出しました」
また、「somarie」のシグネチャーでもある薔薇のシリーズも原点はバレエ。『薔薇の精』の美術を担当したジョルジュ・バルビエが描く薔薇の花から着想したそうで、レースのような繊細なラインが特徴です。そのデザインを発展させ、天然石にモティーフをはわせて作った一点もののリングも多数。ルース（＊3）から透けて見える薔薇に、胸が高鳴ります。
「somarie」の技法は、ワイヤーワックスと言われるロウソクのロウを固めた素材で原型を形成していくこと。「60度ほどの熱を加えることで簡単に形を変えることができるので、ダンサーのラインやバラの曲線など、細部を表現するのに適しています。地金から作ると、どうしても角が出て無機質な質感になりますが、ワイヤーワックスを使用することで、柔らかい風合いになるんです」
ブランドを立ち上げて3年目となる「somarie」。「いつか私のジュエリーを身につけたお客様に劇場でお会いするのが夢です」と話します。
＊3：ルース（裸石）とは、ジュエリーに加工される前のカットされた石そのものを指します。カットされていない石は原石と呼ばれます。
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オフィシャルサイト：https://somarie.jp/
Instagram：https://instagram.com/somarie_jewelry?igshid=MXF1dzJlcDRiNmJmMg==
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