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【記事にならない小さな話 #2】2021年に書いた原稿の本数と、インタビューした人数を数えてみました。

阿部さや子 Sayako ABE

いつも〈バレエチャンネル〉をご愛読くださりありがとうございます。
編集長の阿部さや子です。

もしも誰かに「あなたのこの1年を漢字一文字で表すと?」と聞かれたら(聞かれなかったけど)、私はこう答えようと決めていました。

「書」

とにかく、原稿を書いて、書いて、書き続けた1年でした。

朝起きて目にコンタクトレンズを装着したらすぐに書く。取材や打ち合わせやイベントなどの仕事をして、終わったらまたすぐに書く。食べながら書く。飲みながら書く。締め切り前は朝まで書く。
バレエやダンスを観に行っても、幕間には空きベンチを探してパソコンを開き、パソコンが使えない時にはスマホのメモ帳に。
平日も土曜も日曜も祝日も、書いて書いて書きまくりました。

私の仕事の中心は、このバレエチャンネルの編集長&メインライターです。
しかしありがたいことに、外部の団体様や媒体様からも、取材・執筆や編集、企画、監修などの仕事の依頼をいただくことも少なくありません。

公演プログラムの冊子編集や、バレエの書籍や漫画の監修、トークの司会、イベント等の企画、そして、取材・執筆の仕事。自分自身は「企画する仕事」がいちばん好きだしいちばんやっていきたいことですが、今年だけでなくここ数年はずっと、取材・執筆の仕事に最も多くの時間を使っています。

とくにこの2021年は、「原稿を書かなきゃ」と思わなかった日は、ただの1日もなかったように思います。

そんな自分は、2021年の1年間で、いったい何本の原稿を書いたのか?

2021年12月30日の朝、目が覚めたとたんなぜかそう思い立ち、さっそくバレエチャンネルと、他所・他媒体で書いた原稿をかき集めて、数えてみました。

その結果。
私が今年1年で書いた原稿の総数は、151本でした。

また、執筆といっても内容はいろいろで、ダンサー等へのインタビュー記事や、公演・リハーサル等のレポート、公演・イベントの紹介文などもあります。
私の場合、圧倒的に多いのは「インタビュー原稿」です。
そこで、この1年間でインタビューした人数(のべ)も、数えてみました。

集計の結果、私が2021年にインタビューした人数(のべ)は、132人でした。
この数には、原稿には書いていないけどトークショー等のMCとしてお話を聞いたアーティストなども入っています。

ざっくり均すと、だいたい2.5日に1本原稿を書き、3日に1人インタビューした、という計算になります。
この数字はいったい多いのか? それとも大して多くはないのか?
自分の体感的には、あれだけ書き続けたのだから、もっと多いような気がしていました。

仕事として文章を書く。私にとってのそれは、各種ある仕事のなかで、最も時間と神経を使うものです。

文章って、水道水みたいに蛇口をひねったら水がジャーと出てくるようなものではなくて、野山に分け入って果実を探し、やっと採ってきた実からぎゅーっとジュースを絞り出すようなことだと、いつも思います。しかも、その実がどのくらいの果汁を含んでいるのか?上手く絞れるか? 絞ったそのジュースは美味しいのか? 鮮度はどうか? 飲んだ人に美味しいと言ってもらえるか?等はやってみないとわからない。つまり、いまだに毎回、書き始める時は「上手く書けるかな?」と緊張するし、書いている最中は何度も「これって人が読んでもおもしろいのかな?」と不安になります。

また、インタビュー原稿を書いている時は、「自分」は完全に消えています。
お話ししてくれたその方は、何と言ったか? それを言った口調や表情の裏側にあった気持ちは? 上手く言葉にならなかったけど一生懸命伝えようとしてくれたこと、あれは本当は何を言いたかったのか?……ただひたすら相手のことを考えて、その方が本当に言いたかったことが読者に伝わるように、話を整理し、言葉を整えて書く。そういう時間が、何時間、何日間と続きます。

私は編集者なので、素晴らしい著者の方々の、真の文才の何たるかを日々肌身で感じています。だから書き手としての自分がどの程度のレベルであるかも、正直よくわかります。私にできるのは、相手の話を丁寧に聞き、目の前の表情や踊りや出来事をしっかり見て、それをわかりやすく書くことだけです。

でも、どの原稿も一球入魂ならぬ「一本入魂」の気合いで書きました。
相手の「生の言葉」を最大限に尊重し、絶対に嘘を書かないこと。
これらを自分との約束にして、書いてきました。

2021年も、インタビューに答えてくださったみなさま、取材させてくださった各団体さま、本当にありがとうございました。
そして、私の書いた記事を読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
みなさまからの「おもしろかった!」「公演を観に行きたくなった!」「このアーティストが好きになった!」等の声が、今日も私の電池です。

でも、ちょっと本当に仕事しかしていない人生になってしまっているのは正直つらく、遊びに行ったりお買い物に出かけたりするどころか、休日を確保する余裕もまったくありません。唯一の息抜きは気分転換にネトフリで見る韓ドラのみ。なので来年はせめて、今年の3倍くらいは韓ドラを観たいなと思っています。

みなさま、どうぞ良いお年を。
来年もよろしくお願いいたします。

バレエチャンネル編集長
阿部さや子

買い物に行く余裕がなくて、Amazonとユニクロの通販が日常生活のインフラ。ユニクロからは「1年間の感謝を込めて謎肉最大量!」と書かれた非売品のカップラーメンが送られてきました

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