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【D.LEAGUE 25-26】ROUND.7(3/14-15)観戦レポート〜レギュラーシーズンも大詰め。新たなテイストのダンスで挑むチームも

村山 久美子

ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE(Dリーグ)25-26」が、2025年10月25日に幕を開けました。今シーズンより新たに2チームが加わって全16チームとなったことに伴い、〈レギュラーシーズン〉は8チームずつに分けた2ブロック制で実施。そして各ブロックの上位3チームずつ、計6チームが〈チャンピオンシップ〉(2026年5月31日開催)に出場し、シーズン王者が決まります。
今季も各ラウンドのもようを観戦レポート。寄稿は自身も複数ジャンルのストリート系ダンスを踊りこなす舞踊史家・舞踊評論家の村山久美子さんです。

今シーズンから採用された新ルールの詳細はこちら

ROUND.7 BLOCK VIBE(3/14)の各MATCHレポート

ROUND.7 BLOCK VIBEの全編動画はこちら

1st MATCH

SEGA SAMMY LUXCHANGE RAPTURESの対戦。

前者は、オーケストラの演奏のドラマティックなラップによる力強いヒップホップ。チーム結成時からのメンバー8人の出演。ベテランCanDooを何度も中心に据えて、ダンスの上手さをアピールした。

同じくヒップホップのチームの後者は、透明のパネルを駆使して、ガラスケースにダンサーを入れるかのようにしたり、万華鏡のようにしたりと、道具で工夫をこらした演出。ダンスの振りの面白さには、もう少し工夫がほしいようにも思われた。ハウスのような速いステップを使ったが、エースRyoootAのソロも、全員のユニゾンも、足の動きがあまりクリアに見えなかったのも残念。

結果は、55.9対44.1で、SEGA SAMMY LUXの勝利

2nd MATCH

FULLCAST RAISERZValuence INFINITIESの対戦。

前者はクランプをメインとするチームだが、今回は、ハットにカウボーイを想起させるスーツ姿で、斜に構えたスマートなポーズを多用。パワーを炸裂させるいつもの彼らとは異なる、繊細でソフトな身体の動かし方が新鮮だった。シンクロでも、全員のハットをかぶった緻密な抑制の効いた動きが好印象。
エースのYOUTAの目を奪う超速で軽やかなシカゴフットワーク、そして、その速さと対照的な緩いテンポの垂直跳びをすぐ後で行ったり、ハットを緩やかな速度でふんわりと投げたりと、リズムの転換も巧みだった。

後者は、ハウス、ヒップホップ、ブレイキンの名手が、それぞれ高度な技を見せた。肩の力を抜いた音楽にしたためか、対戦相手がたたみかける音楽での急速シカゴフットワークだったのに対し、穏やかなハウスとなったのが、印象としてやや不利だったかもしれない。

結果は、67.2対32.8でFULLCAST RAISERZの勝利。これほどの差があったとは思われず、とくに、テクニックとエースで後者が大差で負けたことには、疑問を感じる。

3rd MATCH

LIFULL ALT-RHYTHMDYM MESSENGERSの対戦。

前者は、眠る一人の女性のもとに亡霊たちが現れて、彼女を取り囲んで踊ったりリフトしたり。ダンサーがソファーの上から突然消えたり箱から現れたりと、トリックも使って、気味悪さとコミカルさが混じる面白いエピソードを演出。ただ、技術の高さをアピールする部分が少なかったのは惜しい気がした。

後者は、肩の力を抜き、ソフトな足さばきで、身体の軸を自在に揺らしながらの心地よいダンス。ゆっくりと身体を動かすシーンも多く、全員の身体コントロールの上手さが際立った。

結果は、44.1対55.9でDYM MESSENGERSの勝利

4th MATCH

M&A SOUKEN QUANTSKADOKAWA DREAMSの対戦。

アニメーションのチームの前者は、ベテランダンサーGORIKINGをSPダンサー(ゲスト)に、バイブレーションやアイソレーションから成るダンス。GORIKINGの力強くねばりのある腕や上体のウェーブが、気持ちがよい。周囲のダンサーの動きも、同じようなねばりや重みがあると、舞台の印象が変わるように思われる。暗い舞台でサスを多用した照明は、神秘的雰囲気を生み出していた。

後者は、ブラジルのテーマで、カーニバルの高揚した雰囲気やステップ、カポエイラのアクロバット、サッカーの動き等々を織り交ぜたユニークな作品だった。音楽のリズムの隙間へのアクロバットの挿入の仕方等、作品のリズムの緩急のつけ方が巧み。シンクロをホイッスルの音で合わせたのも、すばらしいアイディアだった。

結果は、21.3対78.7でKADOKAWA DREAMSの勝利。テクニック項目においてM&A SOUKEN QUANTSのポイントが0.0だったが、少なくともGORIKINGの優れたダンスはKADOKAWA DREAMSのダンサーたちに劣るものではなかったので、アニメーションのテクニックをもっときちんと評価すべきであると思う。

ROUND.7終了時で、BLOCK VIBEの1位はDYM MESSENGERS
最も際立ったダンサーMVDは、Dリーグで初めてシカゴフットワークを見せたFULLCAST RAISERZのYOUTA

MVDを獲得したFULLCAST RAISERZのYOUTA。「シカゴフットワークはD.LEAGUEでは僕だけがやっているマイナーなジャンル。だからこれでエースをやって評価されなかったらどうしようとプレッシャーを感じていた。でも日々のリハーサルからみんなが助けてくれて、今日は最高のパフォーマンスができました」(YOUTA)©D.LEAGUE 25-26

なお、2026年4月20日に、この日LIFULL ALT-RHYTHMの作品に出場していたロック・ダンサーのGOが、休暇中における海外での不慮の事故で急逝したと報じられた。ご冥福をお祈りいたします。

ROUND.7 BLOCK HYPE(3/15)の各MATCHレポート

ROUND.7 BLOCK HYPEの全編動画はこちら

1st MATCH

KOSÉ 8ROCKSBenefit one MONOLIZの対戦。

ブレイキンのダンサーたちのチームである前者は、今回、不規則なストップが入るブロークン・ビーツの音楽を表現して、作品の流れを新鮮にした。パワームーヴがいつもより少なめで穏やかな印象があったが、シンクロパフォーマンスの部分と終盤のユニゾンでの、勢いを殺した繊細なフットワークのフロアムーヴは、印象深かった。

後者は、ジャズダンスと、ヴォーグ、ワックを組み合わせた作品構成。いつもながら、他のチームにはない、全員の柔軟な身体が際立つ。以前にもこの観戦レポートで書いたが、ヴォーグとワックの技術で、さらに目に焼き付くようなシーンがあると、さらに評価が高まるように思う。

結果は、60.1対39.9で、KOSÉ 8ROCKSの勝利

2nd MATCH

List::XMedical Concierge I’moonの対戦。

前者は今回も音楽の深いノリ、弾力感に魅了された。とくに、エースパフォーマンスのTenjuの屈伸で床すれすれまで下がりスムーズに上がる、高低差の大きなダンスは見事。それだけに、シンクロの振りや、フォーメーションの絵面の工夫がもうひと息だったのは残念。

後者は、ジャズ、ロッキン、ワッキン、ハウスのシーンをテンポよく組み合わせ、作品として、ヴァラエティ豊かだった。

結果は44.8対55.2でMedical Concierge I’moonの勝利。テクニックのポイントは、11.1対1.4と、List::Xのほうがかなり高い評価を得た。

3rd MATCH

dip BATTLESavex ROYALBRATSの対戦。

前者はジャズの洗練された不規則なリズムのたたみかけるような音楽を、ハウスの急速なステップをメインに、ポッピンやヒップホップなども入れて表現。全員の急速なステップに乱れもなく、ステップの詰まった濃密な時間を全員で一気に駆け抜けた。アイドル宮近海斗がSPダンサーとして出演したが、彼に特別焦点を当ててポイントを稼ぐ意図は感じられず、チームの一員として上質のダンスを見せていたのは好印象。

後者は、このチームにとっては新しい試みの、謎めいた気分のジャズ・ヒップホップ。男女とも黒のスカート、ネクタイ、長い手袋で、ゆったりと体をくねらせるウェーブや高いリフトなどの動きでの構成。作品のテイストは好感がもてたが、ゆったりしたテンポが続いたので、作品のリズムがやや単調だったことと、「テクニック」のポイントになる高い技術をアピールするシーンが少なかったのが、惜しまれる。

結果は68.9対31.1でdip BATTLESの勝利

4th MATCH

LDH SCREAMCyberAgent Legitの対戦。

平均年齢17歳の前者は、これまで若さがはじけるような作品が多かったが、今回は、スーツ姿で落ち着きのあるカッコよさを見せようとした。ゆったりした動きで魅了するスキルの高度さや、雰囲気の渋い味わいが充分にアピールできたとは言えないが、このような作品を経験してゆくことは、若い彼らにとって大切なことである。

現在BLOCK HYPE首位の後者は、ポッピンとロッキンをメインに、滑らかなウェーブやバイブレーション、重く力強いロッキンなどで、全員のダンスの上手さを知らしめた。シンクロパフォーマンスが、単にタイミングがそろっているだけでなく、他のチームにはないほど美しいダンスになっていたことに感心させられた。

結果は36.5対63.5でCyberAgent Legitの勝利

ROUND.7終了時点で、BLOCK HYPEの1位はCyberAgent Legit
最も際立ったダンサーMVDは、List::XのTenju

対戦には敗れたものの、強く心に残るエースパフォーマンスを見せたList::XのTenju。MVD受賞のスピーチでは時に涙で声を詰まらせながら、最後は「ダンスは楽しいっすね!」と笑顔を見せた ©D.LEAGUE 25-26

この記事を書いた人 このライターの記事一覧

早稲田大学大学院博士課程満期終了。ハーバード大学大学院、ロシア国立プーシキン記念外国語大学留学。 早稲田大学、工学院大学、東京経済大学で非常勤講師として、舞踊史、ロシア・バレエ史、ロシア語の講義、ストリートダンスの実技を担当。 舞踊評論家として、読売新聞、日経新聞、ダンスマガジン、各種公演プログラム等々に、舞踊評論を1980年代前半から寄稿。 文化庁芸術選奨推薦委員、東京新聞全国舞踊コンクール、さいたま全国舞踊コンクール現代舞踊部門審査員、まちだ全国バレエコンクール審査員。 著書に、「バレエ王国ロシアへの道」(東洋書店新社、2022年)、「二十世紀の10大バレエダンサー」(東京堂出版)、「知られざるロシア・バレエ史」(東洋書店)他。訳書に、「ワガノワのバレエレッスン」(新書館)他。論文に、「マリウス・プティパの創作の変遷」「F・ロプホーフのダンスシンフォニー『宇宙の偉大さ』」他多数。 バレエを東京バレエ団元バレエ・ミストレス友田弘子、ボリショイ・バレエ団元プリンシパルでモスクワ国際バレエコンクール第一回優勝者ゲンナージー・レージャフ他、コンテンポラリーダンスをネザーランド・ダンス・シアターの元中心的ダンサー中村恩恵、ストリートダンスを国際ダンスバトル世界チャンピオンSHUHOとGO GOBROTHERSのReiに師事。舞踊歴約60年現役。

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