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【インタビュー】ミュージカル「Live Airline」清瀧千晴(牧阿佐美バレヱ団)〜僕がチャレンジできるのは、バレエを踊ってきたからこそ。

バレエチャンネル

2015年に上演されたミュージカル「Live Airline」(ライブエアライン)が、2019年11月、新キャストを迎えて再演されます。歌って踊れるキャビンアテンダントたちのライブパフォーマンスが楽しめるという未来型航空旅客機を舞台に展開する、笑いと涙の人間ドラマ。様々なジャンルで活躍する多彩なキャストが集結するなか、バレエ界からは牧阿佐美バレヱ団のプリンシパル 清瀧千晴さんが出演! 初演に引き続き2度目のミュージカル出演にかける思いを聞きました。

写真:政川慎治
取材:阿部さや子(バレエチャンネル編集長)
文: 菊地杏理
ヘアメイク:前田紗良

踊って、歌って、演奏して!

2015年の初演に続いてのご出演ですね。
初演と同じく、主役・吉村香澄の弟で双子のひとり吉村翔(かける)を演じます。バレエも踊りますが、ジャズダンスなど他ジャンルのダンスナンバーにも参加するんですよ。この舞台はまさに“エンターテインメント”たくさん踊って、いっぱい着替えて、歌う場面も少しだけあります。初演にお声かけいただいたときは「バレエを取り入れたいから」ということだったので、バレエを踊るだけかと思ったら、踊って、歌って、台詞もあって、さらにはピアノまで弾くことに(笑)。とにかくいろいろなことに挑戦しています。

清瀧さんはお父様がヴァイオリニストでご自身もピアノとチェロを習っていた経験をお持ちです

歌も歌うのですね! ボイストレーニングなども受けたのでしょうか?
僕は子どもの頃から両親がいろいろな舞台に連れて行ってくれて、ミュージカルもよく観ていたので、歌うことはもともと好きでした。ただ、プロの方々と一緒に歌い、お客様に提供するには、好きなだけでは通用しない。踊りのときは呼吸で動きを制御していて、歌も呼吸をたっぷり使うので、もちろん似ている部分はあるのですが、やはり大きく違っている点もあると感じます。ですからボイストレーニングはちゃんと受けました。舞台で声を発する、音を出すという経験はほぼ初めてだったので、もうすごく楽しかったです。歌は、自分の身体を楽器にして、声を発して音楽にする。バレエは、身体で音を奏でるような感覚で踊ります。そういう意味では、これまで自分の身体を使ってきた延長線上に歌という表現があるのだと思っています。

ミュージカルでの発見。

バレエとミュージカルの公演で、違いはありますか。
まったく違いますね。バレエの楽屋は、一人ひとりが自分に集中していくような空気。時間に余裕をもって、集中して、整えて、準備して、準備して、待って、待って、待って、出ていく。いっぽう、ミュージカルの楽屋はすごく賑やかで、ギリギリまで準備して、会話しながら舞台に出ていくくらいリラックスした雰囲気です。キャストのみなさんにキャリアがあるからだと思いますが、とても自然に舞台へ出ていって、気が付いたら本番が始まっているような感じなんです。最初はびっくりしましたけど、すぐに「ああ、こういう感じなんだな」と流れに身をまかせることにしました(笑)。あと発見だったのは、ウォーミングアップのときにみなさんがバレエのレッスンしていたこと。所作や軸の移動、ダンスの基礎はやっぱりバレエで、どの舞台芸術にも欠かせない要素なのだと再確認しました。

ミュージカルを経験することで、バレエにも活かせるような発見はありましたか。
ミュージカルでは、お客様との一体感を感じやすいんです。バレエ団の舞台では、緞帳があって、オーケストラピットがあって、お客様と物理的に距離がありますよね。鑑賞スタイルも、まずオーケストラの演奏が始まって、静かになって、暗くなって、かしこまっていく空気があります。でもミュージカルは客席との距離も近いし、お客様のリアクションも分かりやすく、舞台と客席の対話のような関係を感じました。こうしたミュージカルの感覚は、例えば牧阿佐美バレヱ団の『三銃士』のようにコメディ要素がある作品で、すごく活かせるのではないかな、と。お客様を感じて、一緒に楽しむ空気を出していけたらいいなと思いますね。

バレエダンサーだからこそ。

今回の舞台『Live Airline』の見どころを教えてください。
ハッピーな気持ちになれるシーンが満載で、またホロっとするシーンもあり、ストーリー性に富んだ物語です。飛行機を舞台にキャビンアテンダントたちがショーを繰り広げる演出で、いろいろなダンスあり、楽器演奏ありの、エンターテインメントをお届けします。いつかこんな飛行機が、実際に飛んだらいいですよね。僕が演じる吉村翔と双子の兄弟にあたる、吉村航(中島康宏)との双子ナンバーもあると思うので、どんなシーンになるのか楽しみです。再演に向けて思っているのは、バレエ以外のダンスで、バレエダンサーだからこそ出せるものを意識したいということ。バレエの舞台では披露しない歌や楽器についても、初演よりクオリティーを上げてお見せしたいです。

清瀧さんと双子を演じる中島康宏さん。実際のおふたりは、写真で見る以上に双子っぽい感じ(?)でした

バレエファンが観てもすごく楽しめそうですね。
初演をご覧になった方から「バレエにはない姿だから貴重」と言っていただきました。ミュージカルナンバーの振付に、回転やジャンプなどバレエの動きも入っているので、バレエを観たことがないお客様にも興味をもっていただけたらと思います。バレエは敷居が高いと言われがちなので、このミュージカルを観たお客様がバレエも観に行くきっかけになればうれしいです。初演で思いがけずいろいろな場面を任せていただけたのも、バレエをやってきたからこそだと思います。今回もその自覚をしっかりもって取り組みたいです。

ダンスライフの必須アイテム!
まずはありきたりですが、バレエシューズ。〈サンシャ〉を愛用しています。ローラー振動機能が付いていて、脚を乗せたり、背中をほぐしたり、ウォーミングアップや動く前にも使っています。振動で筋肉が温まる感じがいいんです。半円型のものは、〈ヤムナ・メソッド〉というトレーニングのアイテム。球体で身体をほぐすメソッドで、これは足裏用ですね。踏んだり、足指を乗せたり、いろいろなやり方があって、いますごく気に入っています!

公演情報

ミュージカル「Live Airlineライブエアライン」

●公演期間:2019年11月20日 – 2019年12月1日
●会場:俳優座劇場
●詳細・お問合せ: https://www.wingmusical.com

 

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