© José Caldeira
フランソワ・シェニョーというアーティストをご存じだろうか?
パリ国立コンセルヴァトワールでダンスを学び、いまフランスで最も注目されている振付家。
振付のみならず、ダンサー・歌手・歴史研究家でもあるという異才の持ち主で、日本では過去に『TWERK』『DUB LOVE』等の作品で来日。クラブミュージックにクラシックの技術を取り入れた実験的な作品で強烈な印象を残したアーティストだ。
★2018年の来日公演で上演した『DUB LOVE』より↓
このフランソワ・シェニョーが2020年12月19日(土)、彩の国さいたま芸術劇場で一夜限りの舞台を上演(その他、地方公演あり。12/21 ロームシアター京都、12/23 北九州芸術劇場)。
演目は造形作家・映像作家・音楽家であるニノ・レネとのコラボレート作品『不確かなロマンス―もう一人のオーランドー』。2017年に初演し、その後アヴィニョン国際演劇祭やフランス国立シャイヨー劇場では完売となり、一躍シェニョーの名を広く世界に知らしめた傑作が、日本に初上陸する。
現代にオペラ=バレエ(*)を蘇らせたとも言える本作は、スペインを舞台にした三場構成。
シェニョーが身体と声色を自在に操り、性を超越して、不確かなジェンダーの3人を演じながら歌い踊る。
ある時は男性的な声、ある時はカストラートを思わせる女性的な声で歌う。
バロックダンスやフラメンコ、民族舞踊などを混合しながら、竹馬やハイヒールなど不安定な状態に身を置き、舞う。
そのめくるめく変容は、時代や性別を超えて生きる美貌の青年貴族が主人公のヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』を思わせる。
*オペラ=バレエ:17世紀後半から18世紀前半にかけてフランスで流行した歌謡劇の一形式。華やかな舞台装置を使い、歌とダンスが対等なパートナーとして上演される。
©Nino Laisné
また本作品は、音楽も大きな“聞きどころ”。400年におよぶスペイン音楽をアレンジし、4人の音楽のスペシャリストが生演奏を繰り広げる。
使用される楽器は、テオルボ/バロックギター、バンドネオン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、パーカッション。
ピアソラの古楽風アレンジやロワイエの『ヴェルティゴ』のバンドネオン版など、時代とジャンルをクロスオーバーする選曲・編曲がシェニョーのダンスと見事に呼応し、ダンスファン、音楽ファンを唸らせる。
★フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ『不確かなロマンス−もう一人のオーランドー』のトレイラーはこちら↓
今回の公演はコロナ禍における「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置」に基づく日本への入国に際しての水際措置、防疫措置のため、公演日程を当初の予定から変更して12月19日(土)の1回公演のみに変更しての上演となる。
ダンス、演劇、美術、音楽……アートを愛好するすべての人にとって必見の舞台。
公演の概要は以下の通り。
公演情報
フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ『不確かなロマンス−もう一人のオーランドー』
会場・日時 |
●彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2020年12月19日(土)19:00開演(全1公演)
●ロームシアター京都
2020年12月21日(月)19:00開演(全1公演)
●北九州芸術劇場
2020年12月23日(水)19:00開演(全1公演)
※上演時間:約70分(途中休憩なし) |
詳細 |
●彩の国さいたま芸術劇場 公演ページ
●日本ツアー特設サイト
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