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【ダンサーコメント集②】4/24開催!振付家・矢上恵子イベントに寄せるバレリーナからのメッセージ

バレエチャンネル

動画編集:福田紘也

2021年4月24日(土)開催の踊れ、その身体がドラマになるまで〜振付家・矢上恵子 作品上映会&メモリアルトーク」。
開催に先がけて、矢上恵子作品を踊ったことのあるダンサーや、矢上の指導を受けた経験をもつダンサーに《3つの質問》をぶつけてコメントをいただきました。

生前の矢上恵子とふれあい、厳しくも愛情あふれる指導を受け、彼女の作品の本質を心と身体で知るダンサーたちだからこその言葉。

同イベントの【会場参加券】は発売するやいなや即日完売してしまいましたが、【オンライン参加チケット】は開催当日(4/24)13時までお申込み受付中です。
イベントに参加する方も、そうでない方も、ダンサーたちの言葉を本ページトップのトレイラーと併せてお楽しみください。

イベントの詳細はこちら

※下記に掲載する2名のダンサーのイベント登壇はありません
※掲載はアイウエオ順です

倉永美沙 Misa Kuranaga(サンフランシスコ・バレエ プリンシパル)

Q1 矢上恵子先生に初めて出会ったのはいつ?
初めてお会いしたのはローザンヌ国際バレエコンクールのコンテンポラリーのご指導をしていただいた時でした。週1で恵子先生のクラスを受けさせていただいて、難しい動きについていくのに必死でした。恵子先生の第一印象は『すごく怖い』(笑)。だけど情熱的であたたかく、何よりパワフルな先生!

Q2 稽古場で矢上恵子先生と過ごした時間。印象に残っている言葉やエピソードを教えてください。
ローザンヌ国際バレエコンクールに向けて稽古を重ねていく中で、恵子先生の情熱にだんだんと引き込まれていった感覚を覚えています。私はローザンヌ出場を決定したのが直前だったため、フリーの作品を恵子先生の創作にしたかったのですが、準備時間が短すぎて断念せざるを得ませんでした。それだけは今でも残念でなりません。恵子先生の作品を一度でも踊ってみたかったです。

Q3 矢上恵子作品ならではの特徴・個性として感じたこと、天国の矢上先生に伝えたいことなど、何でもどうぞ。
「恵子先生が旅立たれた日のことです。私はまだボストン・バレエに在籍中でした。ボストンからロンドンへ客演をするため飛行機で移動していて、先生が旅立たれたのを着陸とともに知りました。ボストンでの全幕の主役を踊った後、睡眠なしで翌朝に飛行機に乗り、その翌日にロンドンでガラ出演本番。パートナーとは現場で会うまでリハーサルなしという過酷なスケジュールで、正直ちゃんと踊れるのか心配だったのですが、恵子先生が見守ってくださっていたのですね。無事に踊りきることができました。普通ならきっと体力的に不可能なところでしたが、『美沙、おまえならできる。先生ちゃんと見てるから』 というお言葉が聞こえ、そのおかげで乗り切れました。

恵子先生は私の十代の頃の唯一の希望でした。先生はまるでロウソクのように、その寿命と引き換えに、美しくパワフルな炎でみんなに希望とパワーを与えてくださいました。」

倉永美沙、アンジェロ・グレコ「シンデレラ」 © Erik Tomasson

長田佳世 Kayo Nagata(新国立劇場バレエ団 元プリンシパル)

Q1 矢上恵子先生に初めて出会ったのはいつ?
「初めてお会いしたのは、韓国光州国際バレエコンクールに出場した時でした。当時私は16歳でジュニアの部。矢上恵子先生はシニアの部に出ていらした山本隆之さんの指導者として、そして隆之さんが踊るコンテンポラリー作品の振付家として同行していらっしゃいました。先生と直接お話しする機会はなかったのですが、会場内のビュッフェで『ヤクルトあるな。あっ、キムチもあるで!』等々とお話しされている姿を見て、『コワモテ(?!)だけど気さくな先生なんだな』という印象を受けたのを覚えています(笑)。でも何よりも、隆之さんが踊る矢上先生のコンテンポラリー作品を見た時の衝撃が忘れられません。身体じゅうからエネルギーがあふれていて、『すごい作品を見た!』と思いました。まだ十代だった私にとって、それが初めて目の当たりにした『本物のコンテンポラリー・ダンス』でした。」

Q2 稽古場で矢上恵子先生と過ごした時間。印象に残っている言葉やエピソードを教えてください。
「その韓国での出会いがきっかけで、私がローザンヌ国際バレエコンクールに出場することになった時、コンテンポラリー・ヴァリエーションを振付けていただきました。私は当時ボリショイ・バレエ学校に留学していて、先生に振付・指導していただける期間はたった2〜3ヵ月しかなかったんです。それでもその数十日間で、肉体的にも精神的にも限界まで鍛えられました! とにかく、すべてにおいて限界まで求められる。本当に怖くて厳しい。それが恵子先生のレッスンで、私は心の中で毎日べそをかいていました。でも、それ以上の愛情も感じていたんですよ。お正月も返上で指導してくださり、レッスン後には『お正月だから』とご自宅で手料理を作ってくださって。先生はお料理も上手でした。

そのローザンヌのために振付けてくださった作品は、卵が割れて、奇形の鳥が生まれるさまを描いたものでした。表現するのがとても難しい作品でしたけれど、あとになって恵子先生が言ってくださった『佳世は私の作品を初めて世界に出してくれた、最初のダンサーやった。私にとって佳世は奇形の鳥やなくて金の卵やった』という言葉は、私の宝物です。」

恵子先生が振付賞か何かを授賞された際のパーティーにて。恵子先生は確か最初は紋付袴、お色直しでこのウエディングドレスを着て登場されました。私はこの時19歳くらいでした

Q3 矢上恵子作品ならではの特徴・個性として感じたこと、天国の矢上先生に伝えたいことなど、何でもどうぞ。
「先生の作品を踊ってみて、『私には聞こえない音にも振りがついている』と感じました。いつも『佳世はまだ全部の音を聞けていない。もっと聞いて!』と言われて、ひたすら音楽を聞き込んだのを覚えています。 そして動きが独特で、速い。とにかく必死で踊らなくてはついていけないような振付です。

お亡くなりになるなんて、あまりにも早すぎました。でも恵子先生の作品は生き続けていて、隆之さんや(福岡)雄大さん、(福田)圭吾さん、(福田)紘也さんたちが、守り、あたため、世界に発信してくださいます。それこそが、恵子先生の夢だったと思うんです。今回のイベントも、矢上作品が受け継がれていくひとつの機会になりますように。」

イベントの詳細・お申込み方法

日時

2021年4月24日(土)13:00~15:00

ゲスト

山本隆之(元 新国立劇場バレエ団プリンシパル)
福岡雄大
(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
福田圭吾(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)
福田紘也(新国立劇場バレエ団ファースト・アーティスト)

スペシャル・ビデオ出演:佐々木大

解説:桜井多佳子(舞踊評論家)

会場

【現地会場で参加の方】
ブックハウスカフェ2階(東京・神保町)
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル2F
*都営三田線・新宿線・東京メトロ半蔵門線「神保町」駅A1出口より徒歩1分

【オンライン配信で参加の方】
Vimeoを利用してのライブ配信(予定)
オンライン参加用のURL等は、申し込みサイトPeatixに登録いただいたメールへお送りいたします。
メールはイベント前日夜から当日朝の送信を予定しております。
イベント開始1時間前になってもURLのお知らせメールが届かない方は、Peatixの「お問い合わせ」または、下記【お問合せ先】までご連絡ください。

定員

【現地参加】30名 ※完売しました
【オンライン参加】上限なし

参加料

【現地参加チケット】3,800円 ※完売しました
【オンライン参加チケット】2,800円
※いずれもアーカイブ視聴(2021年4月30日23:59まで)付きです。
※著作権上の都合により、一部無音での配信となる可能性があります。あらかじめご了承ください。

お申し込み

下記のサイトから必要事項を入力の上お申し込みください

https://bch-yagamikeiko.peatix.com/

お申し込み後すぐに、Peatixからの自動返信メールが届きます届かない場合は、登録したメールアドレスが誤っているか、ご自身の携帯メールの受信設定の問題であることが考えられます。
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主催・お問合せ先

バレエチャンネル編集部

Email:info@balletchannel.jp
TEL:070-4035-1905(阿部)/090-5948-7079(若松)/080-7739-7822(古川)
※参加申込後にメールでお問い合わせいただく際は、お申し込み時にご記入いただいた「参加者名、イベントタイトル」をお書き添えいただけますようお願いいたします

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