バレエを楽しむ バレエとつながる

PR
  • 観る
  • PR

【マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート】バレエダンサーへの10の質問〜アマンディーヌ・アルビッソン&上野水香

阿部さや子 Sayako ABE

2001年パリ・オペラ座バレエ入団、2004年5月20日に20歳でプルミエ・ダンスールを飛び級しエトワールに任命されたマチュー・ガニオ。それから20年、世界のバレエシーンを牽引する存在として踊り続けてきた彼が、2025年3月1日『オネーギン』でオペラ座を引退します。

アデューの時を間近に控えたマチューが、新春に日本でガラ公演「マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート」を開催します。
彼とたびたびパートナーを組んできたエトワールのアマンディーヌ・アルビッソンなどオペラ座のダンサーたちや、オランダ国立バレエ プリンシパルのジャコポ・ティッシが来日。
また過去にマチューと共演経験のある日本のトップ・バレリーナ、上野水香もスペシャルゲストとして出演。マチューとのデュエットを披露します。

そして本公演の話題のひとつは、元宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光(ゆずか・れい)の出演。新作のソロを踊るほか、クラシックバレエとショーダンスを掛け合わせた新作のデュエット(ジョルジオ・マンチーニ振付)で、マチューとの夢の共演が実現するとのこと。

このスペシャルなステージを彩るスターたちのうち、今回は美しきバレリーナのふたり、アマンディーヌ・アルビッソン上野水香に注目。

  • バレエダンサーとして大切にしていること
  • 本番前のルーティーン
  • バレエダンサーから見た、宝塚歌劇などレビュー・ダンスの魅力
  • 好きな言葉

など、10の質問を聞きました!

アマンディーヌ・アルビッソン Amandine Albisson
パリ・オペラ座バレエ団 エトワール

Q1. あなたにとってマチュー・ガニオはどんなパートナー? マチューと踊った作品の中で、最も印象に残っている作品は?
マチューはオペラ座で最も人気のあるパートナーの一人です。彼はとても優しい人柄で、いつも相手に気を配ってくれるので、「マチューと一緒に踊りたい」というダンサーがとにかく多くて引っ張りだこなんですよ。
彼の目には、相手をすぐに物語に引き込んでしまうような表情があります。私にとっては、一緒にいて安心できるパートナー。彼とはたくさんの役で共演してきましたが、最も印象に残っているのは、4年前に日本で踊った『ロミオとジュリエット』と『オネーギン』です。
Q2. 新春の「マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ」で楽しみにしていることは?
また日本で踊れること、そして日本の観客のみなさんに会えることをとても楽しみにしています。私はこの夏に出産し、この新春のガラで久しぶりに舞台に復帰します。それもとても嬉しいですし、チャレンジしたいと思います!
Q3. バレエを踊る上でいちばん大切にしていることは何ですか?
私にとって何よりも大切なのは、舞台に立ったら自由を感じること。そのためには事前に一生懸命練習することが必要です。 練習すればするほど準備が整い、舞台の上で自由になれます。そして「今その瞬間を生きる」ということも。一瞬一瞬を楽しむこと。物語の中に息づくこと。先のことを予想せず、ただその瞬間を踊ること。こうしたことを、私は大切にしています。
Q4. オペラ座の最高位であるエトワールとして、あなたが大切にしていることは?
エトワールは、若いダンサーたちの手本となり、彼ら・彼女らにインスピレーションを与える存在となる義務があります。
加えて私がいちばん大切にしているのは、つねに動きでストーリーを伝えること。そして進化し続けることです。そのためには新しいレパートリーを探すことも重要ですね。なぜなら新たな役を演じるたびに、自分をプッシュして、未知の世界を探求することができるから。また、コンテンポラリーの振付家とコラボレーションして、自分の身体が語れる言葉を豊かにしていくことも必要だと思っています。
Q5. 本番前、舞台裏や袖幕の中でいつも行っているルーティーンは?
私には、公演前に必ず行う小さな“儀式”があります。その内容は絶対に変えません。
まずは午前中にクラスレッスンを受け、続いてその日の舞台に必要ないくつかのことを試してみます。そして午後に休憩時間があるので、食事をして、少し昼寝を。目覚めたら本番前の準備を始めます。いつもと同じ人たちと、同じ時間に、メイクして、ヘアをセットして、ウォームアップをする。私はすべてがきちんとオーガナイズされているのが好きなんです。それがいちばん安心できます。

「白鳥の湖」アマンディーヌ・アルビッソン(オデット)©Julien Benhamou

Q6. 今回のガラに出演する柚香光さんは、日本が誇るレヴュー・カンパニー「宝塚歌劇団」の元トップスターです。フランスには「ムーラン・ルージュ」や「リド」など長い歴史を持つ素晴らしいレヴューの伝統がありますが、バレエダンサーであるアマンディーヌさんから見た、レヴューやレヴュー・ダンスの魅力とは?
ムーラン・ルージュやリドのようなレヴューでは、豪華な衣裳、豪華なセット、印象的な照明効果など、視覚的なスペクタクルによりフォーカスしたステージ作りがなされているように感じます。バレエとはまた少し異なるエネルギーや観客との関係性がそこにはあって、とても壮大な印象を受けます。
またレヴュー・ダンスには、ダンス、歌、芝居、さらにはアクロバットなど、いくつもの舞台芸術が組み合わされています。それらすべての要素をこなしながら踊るというのは、驚くべきことですね!
Q7. 来日で楽しみにしていることは?
日本は私にとって特別な場所です。私は日本に流れる空気感そのものを愛しています。そして長年にわたって私たちを見守ってくださり、誠実さと優しさをもって接してくださるファンのみなさまに会えることが、何よりも大好きです。
あとは……お寿司。私は日本でしかお寿司を食べないことにしているので、とても楽しみです!
Q8. 海外に行く時、必ず持っていく必需品は?
愛する子どもと夫の写真。母からもらったメモ。
Q9. 好きな言葉は?
「人生を夢に、夢を現実に」。
Q10. あなたはどんな時に「バレエは美しい」と感じますか?
バレエを美しいと思うのは、肉体的な努力が見えない時です。舞台の上では何でもできる。ひとたび舞台に立てば、私たちにできないことなど何もないーーそう感じさせてくれることが、ダンスの美しさだと思います。
そして舞台には魔法があります。現実の世界から離れ、その瞬間にしか感じられない強烈な感情を体験させてくれる。それもまた、バレエの美しさではないでしょうか。
アマンディーヌ・アルビッソン

©Matthew Brooks

1999年パリ・オペラ座バレエ学校入学。2006年パリ・オペラ座バレエ入団。2009年コリフェ、2010年スジェ、2014年プルミエール・ダンスーズに昇進。2014年3月5日、ジョン・クランコ振付『オネーギン』でタチヤーナを踊りエトワールに任命された。国家勲章シュヴァリエを受章。

上野水香 Mizuka Ueno
東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル

Q1. 水香さんはこれまでたくさんのスターダンサーとパートナーを組んで踊ってきましたが、中でも「これはマチュー・ガニオならではの特徴・個性だ」と感じたことは?
まずは役柄の表現に人柄の温かさがにじみ出ていること。そしてもちろん美しい容姿、パリ・オペラ座らしい気品も、マチューならではのものだと感じます。
Q2. 新春の「マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ」で楽しみにしていることは?
マチューとの久しぶりの共演。ジャコポ・ティッシとの初めての共演。観客のみなさまに新鮮な私を見ていただけるのが楽しみです。
また、今回の舞台は顔合わせがとにかくユニーク。どのようなガラになるのか、私自身もとても楽しみにしています。
Q3. 今の水香さんが、バレエを踊る時に最も大切にしていることは?
私が踊りを好きでいられるいちばんの理由ーーそれは私が踊ることが、周りの人の幸せにつながっていると感じられるからです。そのような瞬間を大切にしたいと思っています。
Q4. 誰もが認める日本のトップ・バレリーナである水香さん。頂点に立ち、舞台の真ん中で踊り続けてきて幸せなことと、大変なことは?
トップとは、誰しもが一度は夢見るものだと思いますし、私自身もそれを夢見た一人です。初めて主演したときはとても嬉しかったし、難しさよりも幸せのほうが勝(まさ)っていました。

でも、ずっとその立場であり続けることがいちばん難しい。
私は私を信じてくれる人の存在に感謝し、感謝の気持ちを支えに生きています。なぜなら、自分一人ではトップで居続けることはできないから。

Q5. 人生を変えてくれた作品・役は?
『白鳥の湖』と『ボレロ』。

上野水香とマチュー・ガニオが2007年共演した「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ ©Hidemi Seto

Q6. 本番直前、舞台裏や袖幕の中で必ずしているルーティーンは?
5番ポジションで立つ。トウシューズを履いている時は、シュ・スー(左右のつま先を重ねるように引き寄せて立つ動き)をします。
Q7. バレエダンサーである水香さんの視点から、宝塚歌劇(出身)のみなさんのダンスにはどんな特徴や魅力があると感じますか?
とくに男役スターの方に感じるのは、女性にとっての理想の男性像を具現化した踊りだということ。
「うーん、こんな彼氏ほしい!!」と思うような格好良さと、優しさがあります(笑)。
女性役として踊る時にも、どこか中性的な魅力があると思います。
Q8. 水香さんは海外の舞台でもたくさん踊ってきていますが、海外に行く時に必ず持っていく必需品は?
子どもの頃からずっと大切にしている亀のぬいぐるみのロピ。日本のコンディショナー(リンス)。「中山式」というストレッチ用健康器具。
Q9. 好きな言葉は何ですか?
「今を生きる」。
Q10. あなたはどんな時に「バレエは美しい」と感じますか?
自分が踊っている時も、客席で観ている時も、観客と演者がひとつになり、繋がる時がいちばん幸せだし、その心が美しいと感じます。
上野水香

©Yoshiaki Tsutsui

神奈川県鎌倉市出身。5歳よりバレエを始める。
1993年、15歳でローザンヌ国際バレエコンクールにてスカラシップ賞を受賞。モナコのプリンセス・グレース・クラシック・ダンス・アカデミーに2年間留学。
2004年東京バレエ団に入団。プリンシパルとして日本最高峰のバレエ団で主演。
令和3年度(第72回)文化庁 芸術選奨舞踊部門 文部科学大臣賞を受賞。
令和5年(2023年) 紫綬褒章 受章。
2023年4月 東京バレエ団 ゲスト・プリンシパルに就任。

公演情報

マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート

公演日時・会場

【大阪公演】
2025年 1月3日(金)14:00開演
会場:フェスティバルホール

【名古屋公演】
2025年 1月6日(月)14:00開演
会場:Niterra 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

【東京公演】
2025年 1月7日(火)18:00開演
会場:NHKホール

※未就学児入場不可。

出演者

マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ団 エトワール)

©James Bort

柚香 光(元宝塚歌劇団花組トップスター)

アマンディーヌ・アルビッソン(パリ・オペラ座バレエ団 エトワール)

©Matthew Brooks

ジャコポ・ティッシ(オランダ国立バレエ団 プリンシパル)

パブロ・レガサ(パリ・オペラ座バレエ団 プルミエ・ダンスール)

シルヴィア・サン=マルタン(パリ・オペラ座バレエ団 プルミエール・ダンスーズ)

〈スペシャルゲスト〉
上野水香(東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル)

©KAYOKO ASAI

演目

【第1部】

『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
上野水香(スペシャルゲスト)
ジャコポ・ティッシ

『白鳥の湖』第2幕より
パブロ・レガサ
シルヴィア・サン=マルタン

『ジュエルズ』よりダイヤモンド
アマンディーヌ・アルビッソン
ジャコポ・ティッシ

『ランデヴー』
上野水香(スペシャルゲスト)
マチュー・ガニオ

『ル・パルク』
アマンディーヌ・アルビッソン
マチュー・ガニオ

『ロミオとジュリエット』よりパ・ド・ドゥ
パブロ・レガサ
シルヴィア・サン=マルタン

『ルネサンス』より抜粋ソロ
パブロ・レガサ

【第2部】

「新作ソロ(タイトル未定)」
柚香 光

「新作デュエット(タイトル未定)」
柚香 光
マチュー・ガニオ

※順不同
※演目は予定。演奏内容・出演等、変更になる場合あり

詳細

公式WEBサイト

問合せ

キョードーインフォメーション
0570-200-888(平日・土曜 11:00~18:00 ※日・祝休み)

★一部の指定席および注釈付き指定席を追加販売中(2024年12月20日現在)
詳しくはこちらでご確認ください

この記事を書いた人 このライターの記事一覧

NEWS

NEWS

最新記事一覧へ